Case3.徳島市公安条例事件〈最大判昭50.9.10〉
POINT🎯
条例で法律より重い罰則を定めることや文言が不明確な法規は憲法31条(罪刑法定主義の原則)に違反するか?
地方公共団体は法令に違反しない限り、地方自治法に基づいて独自の条例を制定することができます。
この事件は、1952年に徳島市が制定した「市民の安全及び保安の確保に関する条例」が、憲法で保障された「表現の自由」を制限するとして、市民や市内の活動団体などが反対運動を展開したことが発端となりました。
デモ行進のような集団行動は、「動く集会」として憲法の表現の自由の保障が及ぶとされています。
しかし、徳島市が制定したこの公安条例は、市内でのデモや集会に法律よりも厳しい制約を課す内容でした。
そして、この条例が示す「交通秩序を維持すること」という要件が不明確であるという点が特に論点となりました。
最終的に、条例の制定は、地方の実情に応じて別段の規制を施すことを容認するとされました。(上乗せ条例)
また、文言の明確性については「通常の判断能力を有する一般人が理解できる範囲で足りる」とし、この条例について憲法に違反するほどの不明確性はないとの判断になりました。
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📝雑記①
デモの折り返し点のすぐ後ろは「阿波おどり会館」です。
出発地点の藍場浜公園からここまで徒歩で約10分。阿波おどりが開催される真夏の4日間、この界隈は大勢の人で賑わいます。
📝雑記②
【カルマラポッチョ】
これは、「意味をなさない文言、不明確な規定」を説明するために、憲法学者である木村早太先生によって使われた造語です。
〈例〉”カルマラポッチョを犯した者は5万円以下の罰金”
たとえば、あなたが警察に呼び止められて「カルマラポッチョしただろう」と聞かれても「していません」と否定すらできないでしょう。
それは、そもそも「カルマラポッチョ」が意味のない言葉だからです。
この例の場合、裁判所は「この法律は漠然不明確ゆえに違憲」と判断することになるでしょう。
これを徳島市公安条例事件に当てはめると、「違憲というほどの不明確性はない」と判断された理由を読み取ることができそうです。
〈備忘録〉
◆この「判例地探訪録」は、有名判例の概略を平易な表現でChatGPTに解説してもらい、現地を訪れた記録とともに紹介するシリーズです。
◆この判決の詳細については、下のリンクから確認することができます。
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