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トラウマだった仮面ライダーWの「お人形回」を観た 2022年5月23日

何気なくYouTubeを見ていたら、東映特撮の公式チャンネルに「仮面ライダーW 第25話」の動画が公開されていた。


幼少期、最も恐れていた映像だった。


仮面ライダーW(ダブル)第25話「Pの遊戯/人形は手癖が悪い」


※配信期限を過ぎたため、現在は非公開になっています。


自分は2002年生まれかつ仮面ライダーシリーズが好きな子どもだったので、世代である「電王」「キバ」「ディケイド」「W(ダブル)」「OOO(オーズ)」あたりの話題に関しては比較的明るい。見返して「あー、こんなのあったな」と思えるくらいには、大体のストーリーも覚えている。



その中でも「Wの25話」を見た記憶は、他と比べ物にならないくらい鮮明に残っている。

怖かったからだ。

「仮面ライダーWの25・26話」は、自分の幼少期最大のトラウマだった。

話の中で可愛らしい女の子の人形が登場するのだけれど、これが時々文楽人形のガブのようにンワッと豹変するのだ。その予測不能な不気味さが、当時ぴかぴかの小学一年生だった自分にはあまりにも強すぎる衝撃だった。

こんなの。


これを見たが最後、自分は家にある人型のおもちゃ全てが怖くなり、お留守番中は冷や汗が止まらなくなり、三日三晩ろくに眠れず、一緒に寝ていたリカちゃん人形をクローゼットに隠した。

調べた限り、放送当時に自分と同じような恐怖を感じた子はかなり多いようだった。人形の不気味な声やビジュアル、そして動き方の残酷さ等から、この回は仮面ライダーに詳しい人達にも「トラウマ回」と称され、かなり異色なものとして認知されている。ポップな効果音で多少紛れてはいるけれど、少なくともちびっ子達が日曜朝8時に平常心で見られるかと言われたら、かなり厳しいものがある思う。



親切なことに、東映は仮面ライダーや戦隊シリーズの過去作品を期間限定という形でYouTube上に公開してくれている。合法的に過去の思い出に浸れるので、とてもありがたい。


Wの公開が始まった時点で大喜びをしたのも束の間、数話分を見逃して「あー-------もういいや……」となっていたので、この回より前の話の記憶は殆ど抜けたままである。ストーリーの流れを一つ残らず漏らさず把握したいと思うがあまり、完璧さを失った時点で見る気を削がれていた。


でもあのサムネイルを見た瞬間、

人形の顔を見た瞬間、


幼少期に流したあの冷や汗や、



眠れなかった日の感覚が全てが思い出されて、


すぐに再生ボタンを押した。


そして見た。


声も怖い。


見(観)終わった。


怖かったのは相変わらずだが、仮にももう二十歳である。想像していたほどの怖さでは無くなっていた。「こりゃ子どもは泣くでしょ……」とは思ったけれど、そう思えるくらいの余裕があった。10年以上越しのトラウマ克服である。ほっとしたのと同時に、少し寂しい気もした。


驚いたのは、自分がドーパント(敵キャラの名称)という単語や「人形の声を聞いて」というセリフを覚えていたことだった。鳴海亜樹子の前に初めて女の子が出てくるシーンでも「ああ、『人形の声を聞いて……』だっけ……?」と思い、照井竜が「呪いの人形なんかじゃない……」と言った時も、その先の「ドーパントだ」というセリフを先読みできた。

ドーパントって不思議な響きだ。思い出してからずーっと反芻してる。

また、当時特に衝撃的だったのがナイフで段ボールを突き破るシーンなのだけど、そこの秒数が案外少なかったのにも驚いた。段ボールを全て断ち切るまで30秒くらいあるシーンだと思い込んでいたのに、数秒で終わってて拍子抜けした。怖さが先行して、かなり記憶が書き換えられていたようだった。

続き↓

仮面ライダーW(ダブル)第26話「Pの遊戯/亜樹子オン・ザ・ラン」


続きも見た。見てから、初めてこの話(人形回)が2話完結という事に気が付いた。これまた恐怖が先行して、何話分ものボリュームがあると勝手に想像していたので驚いた。大体覚えてるとか言ったけれど、案外忘れてる。

そもそも仮面ライダーのメイン対象が子どもなのだから、飽きないようにするためにも、一つ一つのエピソードが1、2話にまとまっているのは普通に考えて当たり前かもしれない。だけど、幼少期に感じていたドキドキハラハラ感やその他の感情(ここでは恐怖)があまりにも大きいからか、実際の短さ一つ一つに驚いてしまう。記憶していた時間と悉く違うので、変な感じがする。

子どもと大人の、時間の流れの違いだ。


なんでこんなに変わるんだろう、時間の感じ方って。


子どもの方が見たことの無いものが多く、感情を激しく揺さぶられるから(毎日が新鮮で、感情の変化する回数が多い分、密度が高い)?

これに加えて、単純に大人よりも生きている時間が短く、映像を見ていた時間が人生の中で占める割合が大きいから?

分からない。他にもありそう。



最後に全然関係ないことを言うと、人形に車が破壊されるシーンの、取れたハンドルが地面に転がる「びよんびよん」というSEがやけに長くて面白かった。

「びよんびよんびよんびびよんびびびよんびびびよん……」

って感じ。

そんな目立たせることある?ってくらい存在感のある編集。何か重要なポイントだったか、浮かび上がって変形するのか、とか記憶を辿ったけれど、特に何もなく終わった。


ハンドルのとこ、好きだ。



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