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萌えきのこ図鑑 No.9 ササクレヒトヨタケ
春から晩秋にかけて、人里近くの草地・庭園・畑地、あるいは道端などの身近なところに見られ、特に有機質に富んだ地上に束生ないし群生する。ときに、ウマやウシなどの糞上にも見出されることがある。代表的な腐生菌の一つである。胞子が成熟すると、傘の縁から溶け始め、胞子を含む墨汁のような黒い液が滴り落ちて、胞子が拡散される。この液化は腐敗によるものではなく、ササクレヒトヨタケ自身が産生する酵素の働きによる自家消化である。一夜にして溶けてしまう儚いキノコである。
最近の研究によれば、本種は線虫を捕捉し、窒素源として資化する線虫捕食菌のひとつでもあるという。
傘が開く前はきりたんぽのような可愛らしい形状、開くと傘のふちから「溶けて」真っ黒な液を垂らしながら消えてしまう不思議なきのこ。
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先日雨の中の竹林で見つけた。幼菌から傘が溶けたものまでさまざまな状態のササクレヒトヨタケが集まっている。白く長くほっそりした柄が素敵。
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服の袖口にこの液がついてしまい、においをかいでみると市販のマッシュルームのようなきのこ臭が。
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1本持ち帰り、干してみると一晩でこのような状態に。においも消えていた。はかない。
【この液化は腐敗によるものではなく、ササクレヒトヨタケ自身が産生する酵素の働きによる自家消化である。】という部分に惹かれる。
みずから進んで真っ黒に溶けているのだ。
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無垢でかわいい幼菌から大人になると自ら真っ黒な液を垂らして一夜で溶けてなくなる
耽美ゴシックな世界観のミステリアスな萌えきのこ
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