Logoアルバム発売記念インタビュー vol.3

2000年代、東京を中心にバンドという形態でそれぞれに活動していた2人のシンガーソングライター、伊藤立(ChesterCopperpot)と黒田晃太郎(フラバルス)によって2013年に結成されたデュオLogo。そのファーストアルバム「1(ワン)」が8月25日に発売される。9月には東京、大阪でレコ発ライブも控え、本格的に活動を開始するにあたり、本誌は彼らにインタビューを実施。「1」の制作プロセスを軸にしながら、これまでの歩みから現在までのユニットの状況をかなりオープンに語ってもらった。(写真:いとうゆうじ[ChesterCopperpot/ノルウェイ森野])

(前回の続き 第一回 第二回

アーティストは「チーム」から「個」へと変遷してきた

黒田晃太郎(以下「黒」):で、二人で共作っていうのをするようになると、一人だけで作ってるのとまた違ってくるよね。

伊藤立(以下「立」):なんだか、途中まで鉛筆でラフで描いたものに色をつけてもらう感覚に近いですね。「ここに色を塗っておいて」みたいな。

黒:そうね。最近、韓国とかだと、作詞家、作曲家、エンジニアなどが複数名が一つのチームとして作家集団を形成したりすることもよくあるみたい。で、曲を量産するの。彼らの提供した楽曲のクレジットをみると名前がバーッと羅列されていたりする。

立:あ〜。でも確かにもとをたどれば、アメリカのポップスの楽曲制作もそういう感じですよね。ビルの一室に閉じ込められて曲作ってるみたいな。二人でタッグを組んで、いろんな歌手に歌わせたりしますよね。なんかそういうやり方も僕は憧れありますね。

黒:そうなんだ。

立:キャロルキングは自身も歌って有名になったけど、もともとはそういう職業作家ですね。

黒:夫(ジェリー・ゴフィン)と一緒にやっていたよね。

立:そうですね、あとはバリー・マンとか。ビートルズが来る前ってそういう作家が作ることが多かった。バリー・マンも奥さんと一緒にやってますよね。アニマルズとかライチャス・ブラザーズとかに提供してるんですけど。

黒:この曲いいよね〜!職業作家が主流の時代があって、70年代からシンガーソングライターの時代になっていくよね。

立:その二つの間にビートルズだとかビーチボーイズとか自分で曲を作って歌うバンド全盛の時代を挟むんですよね。

黒:そうか、その流れで、作家たちも「われわれも歌うぜ」みたいな感じでシンガーソングライターの時代に向かっていったのかな。

立:それはあるかもしれないですね〜。バリー・マンもアルバム出してるんですけどめっちゃいいんですよね。地味ですけどね(笑)。そこにキャロル・キングがコーラスで参加したりしてるんですよ。あと、ホール・アンド・オーツもカバーしてて。二人のルーツをそこに感じる気がして、それもいい。

黒:2人とも曲書くよね。

立:両方ともいい曲書くんですよね。ヒゲの方もなかなかいい(笑)。バランスが良くて、2人である必然性みたいなのを感じるんですよね。そこがチャゲアスにもつながっていくんですよね〜。

黒:チャゲアス(笑)。日本につながったね。Logoもそういう感じを目指したいなあ。でもこうやって考えてみると、職業作家や歌手が分業してチームを組んで「アーティストの物語」を作っていくスタイルがメインの時代から、60年代後半にビートルズをはじめとした「選ばれしバンドメンバーが物語を語る」バンドの時代になって…

立:詞も曲も歌う人が作るようになりますよね。

黒:さらに70年代からは「個人」ですべてが完結するシンガーソングライターの時代になって、というふうに、アーティストを構成する「単位」がだんだん「個」に収斂(しゅうれん)することが可能になっていったよね。ただ、シンガーソングライターも当たり前になった時代に育った僕らが、逆にもう一回バンドやユニットを組んだり、さらには制作チームを組んで職業作家的なことをしていくというのは、時代の流れの逆をたどっているような気がしてきますね。実際に作家として楽曲提供などもちょっとずつやるようになって、いろんな物語のつむぎ方、物語への参加の仕方があるんだということを身をもって知った感がある。

立:やっぱりバンドへのあこがれもありますしね。

黒:そう、だからLogoでは、「制作チーム」「バンド」「シンガーソングライター」の3つを経験したからこその新しい立ち位置での音楽の作り方ってないのかなってのを考えていきたいです。

(次回へ続く)

1st Album「1」(CD+ハイレゾ)¥ 2,000
ジャケット画像をクリックしてストアページへ

公式サイト
http://logo.jpn.com

全曲フル試聴
https://soundcloud.com/logojpn/sets/1a-1

インストバージョンフリーダウンロード https://soundcloud.com/logojpn/sets/logos-first-album-1-intstrumental

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