君とコーヒーとタバコ。

今日は朝からずっと寒かった。

君はテイクアウトのコーヒーを両手で握ってやってきた。

「おつかれさまです。」

いつも就業開始時間ギリギリに君たちは来る。なのに今日は30分も前に来たから驚いた。

『早いね』

と言うと君は、

「いや、まだ入んないっすよ(笑)」

とツイードのコートをハンガーにかけながら答える。


ツイードのコートに胸元にサコッシュ。丸メガネ。

かわいらしい最近の男子大学生だ。


交代の時間が来て、君が休憩所のあるところから戻ってきた。

「今日なんかありますか?(笑)」

と申し送りを始める。

『特に何もないよ。極めて普通だね。年始なのにありがとね〜』

とヘラヘラ申し送りをすると

「本当すっか?(笑)」

と君。

こんなところで嘘つかねぇわ、と思いながら、いつも通りのお願いをして交代した。


君とすれ違ったときだった。

微かにタバコの香りがした。


ツイードのコートに胸元にサコッシュ、丸メガネの君はコーヒーとタバコを好むようだ。

絵に描いたような、男子大学生じゃないか。


>>>>

ここ最近の若者はタバコを吸わない。タバコを吸える場所も限られてきている。


昭和40年の20代男性の喫煙率は80.5%、20代女性は6.6%。

平成元年の20代男性の喫煙率は67.5%、20代女性は16.4%。

平成30年の20代男性の喫煙率は23.3%、20代女性は6.6%。

スクリーンショット 2020-01-03 23.24.08

男性20代の喫煙率は如実に減少傾向にある。

やはりこれは、日本の若者が貧困になってきたからではないかと思うわけだが、健康被害やタバコのイメージもあまり良くないし、世界的にも減少傾向であるから、そういうことなのだと思う。(どういうことかは、ご自身でお考えください)


日本の若者が貧困になってきたのは、喫煙者の減少、飲酒する人が減っていること、本を買わなくなったこと、新聞を取らなくなったこと、音楽を無料の媒体からしか聴いていないこと、映画も映画館では見なくなったこと、テレビを見なくなってきていること、、とあげればキリがないが、

そういう時代なんだ

と思えば、そうだよな、としか言えなくなるところもある。

>>>>


君のことを「絵に描いたような、男子大学生だ」と表したが、おそらくこれは数年前、いや、数十年も前の一般的な男子大学生の姿だったのかもしれない。


ツイードのコートに胸元にサコッシュ、丸メガネ、テイクアウトのコーヒーとタバコ。


久しぶりにこんな感じの年下学生に会った。なんだか新鮮だった。

君とコーヒーとタバコ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?