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終戦記念日の靖国神社を訪れる2023

2023年8月15日(火)、今日は終戦記念日だ。
毎年この時期になると2019年に書いた記事のビュー数が突然伸びる。「終戦記念日」「靖国神社」で検索したら、私のその記事が出てくるのかもしれないが、気になって読んでみている人がいることがわかる。多謝。

今年の終戦記念日は久しぶりに靖国神社に行ってきた。


「終戦記念日の靖国神社」再訪

九段下駅の改札にはすでに多くの警察が配備されていた。
駅の改札を出て階段を上り駅から地上に出る。
今年もいろんな団体がビラを配りにカンパを募るための演説をしていた。
前回行った時は宗教団体や歴史修正主義者たちの団体が目立っていたように思うが、今回は日本ウイグル協会というところや「台湾は中国領土ではない!」と演説している団体が私の目にはよく入ってきた。
無論、宗教団体や歴史に関していろいろ語っている団体がいなくなったわけではない。独自の「歴史検定」なるものを紹介している団体もあった。

九段下駅から地上に出たところでビラ配りをする人たち 
*筆者撮影/編集
2023年も2019年同様に同じ位置に横断幕を掲げていた団体
*筆者撮影

大変なイベントには警察が欠かせないが、駅の中から駅前の交差点、境内までの参道、境内至るとこに警察官が配備されている。

靖国神社・武道館前の交差点の交通整理をしている警察官
*筆者撮影

ビラ配りを潜り抜けて、靖国神社に行く。

靖国神社前
*筆者撮影
参道の様子
*筆者撮影

今年もいろんな人がいた。
旭日旗のTシャツを着た人、国旗を掲げて整列している団体、黒いスーツ姿の方々、報道陣、参拝に来た人、今日の靖国神社をただ見に来た人。
参道を歩いているときに通りすがりの人が「今日しかここに来ないでしょ」と言っていたが、本当にそうだ。今日ここでカンパを募ったり、会員を増やしたり、信者を大量に獲得することは団体の今年1年の活動に響いてくるだろうし、今日だけ靖国神社は特にこういう場になっている。

私の思い違いかもしれないが、この国旗を掲げて整列している団体は2019年には、もう少し木のあるところで参道から外れていたところで活動されていたような気がする。服装も変わった気がする。

2019年に軍服のようなものを着て活動されていた方々は、以前と比べるとだいぶ小規模になっていた気がした。以前の恰幅のいいおじさんは今回は見かけなかった気がする。
何かしらの変化はあるように思う。

2023年終戦記念日の境内
*筆者撮影

変わっていないことといえば、12時の黙祷「天皇陛下のお言葉」を静かに聞く人々の様子だ。動画も写真も撮っていたが、あまりにも人の顔がたくさん写っているためこのnoteには張らないことにする。が、この様子は2019年とも全然変わってはいなかった。

12時前になると境内にあるスピーカーが黙祷のお知らせをする。
12時ぴったりに「黙祷」の合図とともに人々は黙祷を始める。
1分間の黙祷をする。

その後、その場に立ち止まったまま「天皇陛下のお言葉」を聞く。そのスピーチが終わった後、どこからか発声が始まる。
「天皇陛下、万歳!」
万歳三唱だ。

今日、一緒に行っていた人は「今、令和だよね?」と私の方を見てくる。
「これが終戦記念日の靖国神社なのよ」しか答えられない私。

靖国神社の博物館・遊就館のミュージアムショップ

万歳の声を聞いて、靖国神社の博物館・遊就館に行った。
中を見て回るつもりはなかったため、前回同様、ホールだけ行った。

ここでの私的見所はミュージアムショップだ。
このミュージアムショップに興味深い本や楽しいアイテムが置いてあると感じる人がいる一方で、不愉快な気持ちになる人もいるだろうと思う。

各種旗

日本国旗から旭日旗、Z旗まで多種多様な日本、大日本帝国に関係する旗が売られている。

個人的な趣味でこのステッカーとかマグネットを買ったりするのは何も思わないが、くれぐれも貼るところには気をつけたほうがいい。
この旭日旗ステッカーとかを海外旅行のスーツケースに貼るのは憚れるだろう。

ミュージアムショップで売っている日本国旗・旭日旗・Z旗
*筆者撮影

「検定不合格教科書」

「検定不合格」の教科書、というのも置いてある。
これを「真の歴史教科書」と言い、「中学生にこそ読んでほしい!」と帯には書かれている。

ミュージアムショップにおいてある「歴史教科書」
*筆者撮影

他方で、各種旗や「検定不合格教科書」のようなものがこのミュージアムショップでは売れるんだということもわかる。
これが面白い!かっこいい!と思うそういう意識の人や思想の人がここに集まるわけで、参道のところには「桜」を推したカフェが新設されていたが、このカフェもただのカフェではなくてそういう思想を持ち合わせたカフェであることを忘れてはいけないなと強く心に思った。

おすすめの歴史教科書

個人的には、中学生にはこっちの教科書を推薦したいし、絶対に読んでほしい。
中学生時代には基本が大事だから、山川出版社の歴史の教科書をしっかり読み込むことがまずは先だ。

「教科書検定に受からなかった」ということがどういうことなのか、「授業で教えてもらわなかった」ということが何を意味しているのか、それを考えずして「歴史の授業では教えてくれない本当のこと」なんていう文句に騙されてはだめだ。

おわりに

2023年8月15日で日本は第二次世界大戦の終戦から78年が経った。
平和教材から『はだしのゲン』が削除されたり、『火垂るの墓』がテレビで放送されなくなったりしている昨今、平和は遠のいているような気がする。

何度も書くが、戦争は良くないし、誰も幸せにはならない。
戦前の日本に戻ってしまってはいけない。
忘れてしまってもいけない。
歴史は何度も何度も振り返り反省する必要がある。
そのためにもきちんとしたものから勉強をする必要がある。
真摯に受け止め反省することができなくなったとき、この国は滅びる。

靖国神社や大日本帝国は私が一番苦手な類のもので、終戦記念日の靖国神社にはそれが凝縮されている。一年に一度その凝縮された苦手なものを肌で感じ、やっぱキツイなと思うことが私の中での戦争を風化させない出来事なような気がする。
みなさんも人生に一度は「終戦記念日の靖国神社」に行ってみるのはどうだろうか。

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