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「DAY1」の気持ちで物流業界の変革を目指す #03【Willbox株式会社 神 一誠】

ロジ人では物流テックと分類される業界の著名人、サービスにフォーカスしていきます。今回はWillbox株式会社で代表を務める神 一誠さんにインタビューしました。#03では、会社として目指す未来についてお話いただいています。

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<プロフィール>

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▼ Willbox株式会社 代表取締役社長 神 一誠氏
1989年、神奈川県出身。大学卒業後、求人情報サイト「バイトル」などを運営するディップ株式会社で法人営業に従事。その後、株式会社マイナビの新卒採用サイト「マイナビ」でも法人営業に従事し、当時、最短最年少で支部長に就任する。退職後は家業の総合物流会社に入社。物流の現場作業、営業、経営企画、台湾駐在を経て、2019年にWillbox株式会社を創業。


物流業界の構造を変えていく

― これからのビジョンを教えてください。

私たちWillbox株式会社が掲げるミッションは「国際物流をより最適に、よりスマートに。」です。ミッションを成し遂げるため、今後はWillboxの物流経済圏を形成していきたいと考えています。我々のビジネスは物流事業者ではない立ち位置から行うものです。私たちだからこそできる俯瞰した見方で、物流業界の産業構造を大きく変革していくことを目指しています。

― 具体的にはどのようなことをお考えですか。

まずは通過点としてIPO(新規公開株式)を目指しています。ステークホルダーのみなさんから応援をしていただいているため、その声に応えるという意味合いもあります。その後の長期的な目線での目標は、物流の産業構造そのものを変革していくことです。この目標を達成するためには、やはり物流業界の構造を新たな仕組みによって置き換えることが第一だと考えています。

特に「お金」「時間」「安全」というキーワードに基づき、この業界の諸課題解決に励む所存です。例えば「お金」の場合。いまは薄利多売のビジネスが横行していますが、誰にとっても収益性の良いビジネスモデルに変えていくためには、発注形態をがらりと変える必要があると思っています。「時間」や「安全」についても同様だと思います。諸問題を根本的に解決していくためには、新しい発注フローを生み出すことで現状を打破していくことも必要不可欠なことなのです。こうした仕組み自体の変革を、私たちは今後主にプロダクトを世に出すことを通じて行っていきたいと考えています。

― Willbox株式会社はどう成長させていきたいですか。

会社としてはやはり、「物流業界のために働いている会社」として認知を広げていきたいと考えています。荷主サイドの方にも、物流業者の方にも、「あの会社は物流業界のために尽力してくれているな」と思っていただければ、こうした方向性の企業が少しずつ増え、物流業界全体に変化がもたらされると信じています。

私たちが抱える思いを認知していただくきっかけは、プロダクトの提供や営業活動、カスタマーチームの対応、あるいは私の発言などどこにでもあると思っています。まずは「物流業界を変えていくぞ」という思いを社内で高め、そうした思いに賛同していただける方に集まっていただきたいです。

― 「物流業界のために」という思いはブレませんね。

もちろんです。私個人でも、会社のメンバー間で話し合う時でも、判断軸として必ず用いるのが「これが物流業界のためになるか」という基準です。例えばプロダクトの機能ボタンをひとつ追加するにしても、「これは本当に業界のためになるのか」をキーワードに議論を進めていきます。今後会社が転換期を迎えたとしても、この考えはずっと貫いていきたいです。

インタビューの様子

大切にしてほしい「DAY1」の気持ち

― キャリア形成におけるヒントなど、これから働く若者が大切にした方がいいことを教えてください。

会社のメンバーにもよく言うのですが、「DAY1の気持ちを決して忘れない」ことです。「DAY1」とは、物事をスタートさせた1日目のこと。なぜそれをやり始めたのかという、行動の原動力になった「WHY」の気持ちは、最後まで必ず貫かなければなりません。いま、日本人の大半が大義名分を持たないような世の中でもあるので、こうした根本的な理由は忘れてしまいがちです。「なんでやってたんだっけ?」なんて思うことも珍しくありません。

もちろん、物事を進めていくうちに想定外の出来事があったり、考えに変化があったりすることはあると思います。ただ、だからこそ最初の気持ちを忘れずに行動することは、軸をぶらさないようにするためにも重要です。そのため、私やWillboxのメンバーたちは、いかなる時も「WHY」を見失わないようにしています。常に物流業界のために働くことができているのは、こうした思考の仕方をしているからだと思います。

― 「DAY1」の気持ちはつい忘れてしまうものだと思います。そうならないための秘訣はありますか。

「DAY1」を想起させるようなものを持ち続けるのが分かりやすいと思います。これは思いでも良いですし、単純に持ち物でも良いのではないでしょうか。ちなみに、私にとっての「DAY1」は、ヘルメットを渡され、台湾の現場で作業をしたあの日です。今でもその当時の気持ちを忘れないようにするため、ヘルメットを携えて現場に行くようにしています。

準備を怠らずにチャンスを掴め

― ベンチャーの代表を目指す若者に何を伝えたいですか。

私の主観的な意見で言えば、「外で飯を食ってから」が鉄則だと思います。いきなりベンチャーに飛び込み、学びを深めることは難しいと思っているので、まずは地盤のある企業の研修をしっかり受け、社会人として成り立つことをおすすめします。ベンチャーでは名刺の渡し方すら教えてもらえないことがあります。まずは、ひとつひとつ基本事項を理解するのが優先だと思います。一見遠回りに見えるかもしれませんが、社会人としての基礎の重要性は起業してから身にしみてわかるようになると思います。

 ― 起業する上で大切にすべきことはなんですか。

ものすごく大切だと思うのは「想いを口にして発信すること」です。思いを言葉にすることができれば、それに共感する人やお金が集まります。それができると、さらに人やお金が集まるようになるんですね。このサイクルを常に回し続けることで、思い描いた未来に近づくことができると思います。

また、こうした発言をする際には「チャンスを掴むための準備」も必要になります。自分自身のマインドセットと、それを実現できるだけのスキルが揃っていないと、いきなり流星のように現れるチャンスを掴むことはできません。先ほど挙げたような「声に出す」ことや「人やお金を集める」ことなど、ひとつひとつの出来事がチャンスをもたらします。あとは、突発的に与えられる機会に対して準備ができているかどうかが大切なのです。

つまり、起業する際には発言することと下準備が非常に重要で、どちらが欠けていても事業はうまく成長しないということです。反対に、それらを実行できていれば、良い仲間や事業者の方々が自然に集まってくるはずですし、またその思いを大きな声に変えることもできると思います。これから起業することを考えている方には、ぜひ参考にしていただければと思います。

― 物流業界の構造変革を目指す神さんの軸がぶれないのは、「DAY1」の気持ちを忘れずにいられているからなのかもしれません。貴重なお話、ありがとうございました。


<取材・編集:ロジ人編集部>


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