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泥の付いたお札
「北の国から」からで知られる田中邦衛さんが先日お亡くなりになった.
「北の国から」に出会ったのは高校生の頃だった.
再放送を見る親の横で、涙しながら見ていた記憶がある.
ご冥福をお祈りします.
今回は「北の国から」の名シーンの一つである純が泥のついたお札を受け取るシーンについて、近頃の自分の思考を添えて記そうと思う.
名シーンを振り返る.
純を連れて東京に向かうトラック運転手に吾郎が渡したお札.
そこには、吾郎が必死に働いて貯めたことを示すような「泥」が付いていた.
「これは俺には受け取れん。お前が取っておけ。お前の宝にしろ。」と運転手は純に袋を渡す.
この涙なしには見られないシーン、「未来の世界ではどう映るのか?」
ふとそんなことを考えた.
デジタル化によって失われつつあるもの.
デジタル化が進み、その波は今や決済分野まで浸透しつつある。オンライン決済、仮想通貨など、もはや紙幣は私たちの生活には必要のないものになりつつある.
紙幣などの物理的なものがデジタル化されることによって失われるもの、それは「ぬくもり」であると考える.
デジタルネイティブと呼ばれる世代はこのような「ぬくもり」を忘れてしまうのだろうか?
我々世代がなすべきこと.
デジタルとアナログを両方経験している、我々世代が為すべきは「デジタル空間に『ぬくもり』を持たせるためのデザインを施すこと.」である考える.
では具体的にはどうすればよいのか?
自分なりの答えとしては、インターネットの開かれた世界に緩やかな「分断」を促すことであると考える.
オンラインサロンなどの新しい形のコミュニティも生まれ、その流れは強くなるものと考える.
自分個人のプロジェクトでは、物理的な距離がもたらす「ぬくもり」を生かした「地域のデジタル空間」を作ろうとしている.
なかなか難しいものであるが、一歩づつやっていこうと思う.
この文章を書くうちに少しだけ自分の人生の指針が見えてきた。
「デジタルとアナログを両方経験した我々世代にできることを実践していく.」
忘れないようにここに残しておこう.
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