覚悟を決めるには?

ビジネスの場や趣味などを含めて、何か真剣に取り組むコトを取り進める中で、周囲(よくあるのは上司や先生、師匠など)から時折言われる「覚悟を決めろ」という言葉。皆さんも一度は言われたことがないでしょうか?でも実際覚悟を決めろと言われたって、何がどうなったら覚悟が決まっている状態なのか、そしてどうなったら覚悟を決めることができているのかよくわからない人が多いのではないでしょうか?

かくいう僕も、同じようなことを幾度となく色んな職場で言われてきました。そして、その度にネットで「覚悟を決める 考え方」などと検索しては「うーん、なんかわかったような、わからないような…」となってました。きっと、このページをお読み頂いている方は同じ悩みを抱える方かもしれませんね。

このnoteは自分の考え方の整理のため、そして、その整理の記録が僕と同じような「覚悟を決めろと言われたけどどうしたらよいかわからない」という境遇の誰かのためになれば良いな、と思い書かせて頂いています。

「覚悟を決める」とはどういった状態なのか?

何をしたらよいか?という手段を考える前に、どういった状態を目指したら良いか?まずはここの議論が必要です。この点については、色々調べてみて自分なりに総合すると、「覚悟とは、目標に対して解像度を高め、降りかかる困難を乗り越える気持ちを持つこと」という一言に集約されました。ここだけ読むと何のことだかイマイチわかりにくいですね。もう少し細かくご説明します。
まず、後ろ側の「降りかかる困難を乗り越える気持ちを持つこと」。この部分は理解しやすいかなと思います。何かを達成するためには、現状となりたい姿のギャップがあって、そのギャップを越えるためには何かしらのエネルギーが必要です。ここで言うギャップが降りかかる困難で、乗り越える気持ちがエネルギーとなります。つまり、目標に到達するためには気持ちをちゃんと持ちましょうね、ということですね。至極当然の話です。
では、その前の部分の「目標に対する解像度を高める」というのはどういうことでしょうか?僕の中で、覚悟を決める中でこの部分が重要だと感じています。この「解像度を高める」というのは、前述の現状と目標のギャップを細分化し、一つ一つ紐解いていく作業になります。そして、この丁寧に紐解いていく作業に焦点を当てることが「覚悟」につながると思っています。

これは一体どういうことか、もう少し具体的な例で話をしたいと思います。例えば、富士山を登りたいという目標を持ったとしましょう。なんとなく「登れるとよいな」と思っている状態では覚悟を持った状態とは言えないと思います。でも、実際に登ろうと思ったときに準備なくして登ることはあまりないと思います。持ち物として何が必要なのか、どのような道順があるのか、事前にトレーニングが必要なのか、何時に登り始めたら良いか、などなど、確認しておかなければ困ることがたくさんあると思います。そして、この目標を決めた先々に発生する苦難を予想し、準備をする。そして、その苦難があっても「なんとかするんだ」という気持ちを持つ。これが「覚悟を決める」ことができている状態なのだと思います。

覚悟を決める必要があるのかは考えた方が良い

ここまで、「覚悟を決める」ことが前提であるようにお伝えしてきました。ただ、本当に覚悟を決めた方がよいかどうかは一度冷静に考えた方が良いと思います。例えば、赤字がずっと続く職場で覚悟を決めろ、と言われた場合。「今おまえが成長するためには、覚悟を決めろ。今は無理する必要があるんだ。だから寝ずに働け。対価?そんなものは自分の成長だろ?」ということを上司から言われた場合。こんな状態で覚悟なんて決められるか、と客観的にみると思うかもしれませんが、当事者で追い込まれた環境だったときに本当に同じように考えることができるでしょうか?実は、周りから「覚悟を決めろ」と言われた場合、その周囲の都合で言われている場合が得てしてある。特に会社という場では従業員の労働力をお金に換えているわけだから経営者にとって従業員の「覚悟を決めろ」という言葉はちょっと都合がよい言葉だと思うケースがあってもおかしくないのが実情だと思います。だから、1度ちゃんと立ち止まって考えよう、ということです。だいたい、その場だけの勢いで決めてもその後続かないと思いますし。

そして、そのような中で覚悟を決める上で重要なのは「失敗したときのリカバリープランが描けること」です。これがないなら覚悟は決めない方が良いです。これは精神衛生上、覚悟を決める前に必ずやっておいた方が良いと思います。

例えば、先ほどの富士山登頂の例でいくと「今年挑戦してみてだめだったら、また来年登れば良い」と事前にバックアッププランを設けておく。こうすることで、極端に無理なことをして再起不能な状態になることを避けることができるし、逆に、「この状態になっても再出発できるんだから、もう少しチャレンジしてみよう」というリスクを取るためのきっかけにもなると思います。だから、覚悟を決める前にはワーストケースに対するリカバリープランはなんとなくでもよいので思い描いておいた方がよいし、それが描けない覚悟は、覚悟ではなくただの向こう見ずであり、無謀です。ここはちゃんと考えておいた方がよいでしょう。

覚悟を決める上で重要なポイント

だいぶ前段が長くなってしまいましたが、これらを踏まえて、「あぁ、それでも覚悟を決めた方が良さそうだ」と思ったのであれば、以下の3つの方法を順に行うことで覚悟を持つことができるきっかけになるかもしれません。

1.何のために覚悟を持つのか考える
2.夢中になりながら、先読みしてみる
3.覚悟を持つために環境を整える

それぞれどういったことなのか、具体的に説明したいと思います。

<1.何のために覚悟を持つのか考える>
自分の胸に改めて手を置いて考えてみてください。「何に対して覚悟を持ちたいと思っているのか」を。誰かを助けたいというためなのか、お金を稼ぎたいというためなのか、はたまた見栄のためなのか。どんな動機であっても、覚悟を持つんだ、と自分が思うことができればそれで良いと思います。と、簡単に書きましたがこれが一番難しい気がしています。自分の心の底で何を望んでいて、覚悟を持ってやり抜いた先の自分が、どんな風になっていたいのか。まずはこの先訪れるであろう苦難を乗り越えるために、何が自分の心の奥底に火をつけることができるのか。ここをしっかりと考える必要があります。そして、それを考える上では自分の中の信念や哲学など、自分の中で何を大切にしているのかがわかると近づきやすいです。大切にしていることだけを考えるとなかなか見つかりにくかったりするので「されて嫌なこと」を裏返す、というのも一つの考え方かもしれません。

<2.夢中になって先読みしてみる>
一つ目の項目で自分の心の奥に火を灯すことができたら、次はそれをうまく燃え広がらせることが大切です。覚悟を持ちたいと思っていること(例えば仕事や趣味)の中で、もっとやりたいと思うことをひとつでも良いから具体的に見つけることが夢中になるきっかけとなります。例えば、営業職であれば新しいお客さんに会うのが楽しいとか、インセンティブの乗っかった給与明細を見るのが楽しみであるとか、一連の流れの中で、できるだけ具体的な楽しみをひとつ見つける。そして、「あ、これをしているとき自分楽しんでる!」と実感するのです。そうすることで、これまで楽しくなかった部分も、楽しい部分を迎えるための過程だと捉えることができるようになり、残りの有象無象は次第に気にならなくなり、一連の流れに対して夢中になることができていると思います。

そして、この楽しみを効率的に体験するために少し先を見通してみてください。考え方は広く、深く。これが、冒頭に書いた「解像度を高める」部分になります。きっと先を見通してみると、嫌だな、やりなくないな、と思うことがでてくると思います。それをどうするか考える。でも、その目的はあくまでもこの先に待っている楽しみをより早く実現するためであり、自分のためです。決して、仕事を回すとか、そう言ったことではありません。「自分が夢中になれることのために解像度を高めるんだ」と考えると、いつもよりもうちょっと深く、広く考えてみようかな?と思うことができませんか?

<3.環境を整える>
そして、最後は夢中になった状態をさらに維持するために環境を整える必要があります。もちろん、どんなことがあっても負けない根性を持っていれば、一度決めた覚悟を貫き通すことはできるのかもしれませんが、なかなかそうはいかないでしょう。だから、周りの力もうまく活用する。少なくとも、邪魔をされないようにすることは大切だと思います。その一つの手段が「自分に決めさせてください」と意思表示することです。例えば、今まで決められていた練習時間を、自分の意志で少し延ばすことを提案してみる。今まで誰かがやってくれていたことを自分から手を上げてやってみる。それが認められれば、あなたのことを邪魔する要素は大きく減少するでしょう。
人がやる気を出しやすい状況というのは、自分で決めたことをやっている状況なのです。このやる気を出しやすい環境を自らで作る。これが、覚悟を持って一歩踏み出した後にちゃんと継続するための一つのコツだと思います。

覚悟を決めるのは簡単ではない、1歩ずつ進むしかない

覚悟とは何か、というところからどうやったら覚悟を持てるか、ということを一通り書かせて頂きましたがいかがでしょうか?

色々書かせて頂きましたが、最も大切なのは1で記載した「何のために覚悟を持つのか」、「自分がどうありたいか」という部分です。この部分は一朝一夕で見つけられるものではないと思いますが、常に自問自答を繰り返すことでいつかは見つけられるかもしれません。そして、その自分の信念を見つけることができれば、あなたにとってそれはとてつもない強みになるでしょう。

覚悟を決める、と聞くと「よし、やるぞ」と決めた日から何かが変わる印象があるかもしれません。でもそれは中学生や高校生で初めて経験することが多い時だけで、ある程度大人になって、色んなことを経験し、考えてきた人にとって実際はそんなことないのではないと思っています。覚悟とは、信念がなんなのか、どう在りたいかを常に自問自答し続け、その中の小さな気づきの積み重ねが行動となって、その結果として現れる。だからすぐに変われるわけではないのです。

長々と書きましたが、本内容を読んでいただいた方が覚悟を持ちたい、という思いをきっかけに、自分自身の根幹を見つめ、一歩ずつ、よりよい人生を歩むきっかけになれば嬉しいです。

一度きりの人生、一緒に覚悟を持って踏みしみていきましょう。

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