J1昇格において開幕節の結果は1/42以上の意味を持つか?
はじめに
先週末、2023シーズンをスタートさせたJリーグ。ワールドカップの関係で2022年は早い時期にシーズンが終わってしまったこともあって、この日を首を長くして待っていたサポーターも多いことだろう。
毎年開幕節は特別な盛り上がりを見せるが、サポーターだけでなく選手やクラブを率いる監督においてもシーズン最初の試合に対しては色々な思いがある様子。ある人は「1/42以上の意味を持つ試合」と考え、またある人は「1/42に過ぎない」と考える。
言葉遊びのようにも見える表現だが、本記事ではこれらが「実際のところどうなん?」という点について過去のデータを用いて検証してみた。
方法
2013年~2022年、過去10シーズンのJ2リーグの公式記録より、シーズン開幕節の勝敗、その年の昇格チームについてのデータを抽出した。
昇格の可否と開幕戦の結果(負けたか、負けなかったか)との関連についてFisher`s exact testを用いて検討した。有意水準はp<0.05とした。統計解析にはEZR を用いた。
結果
OR: 2.1045, 95%信頼区間: 0.7643517-6.7337127 , P=0.1326
10年間で昇格に成功したクラブは延べ25クラブ。
このうち19クラブは開幕節で勝つか引き分けており、6クラブは開幕節に敗戦した。
開幕節に負けたかどうかと昇格したかどうかに有意な関連はみられなかった。
考察
今回の結果からは、J1に昇格できるかどうかは開幕節の勝敗から予測できるものではないと考えられる。
当たり前と言えば当たり前の話ではあるが。
ただだからといって冒頭の「1/42以上の価値があるかどうか」という命題に結論が出るわけでもないのもまた自明である。
開幕節は結果の如何に関わらず、その年のシーズンを戦っていく上でのひとつの試金石になるのはおそらく間違いないであろう。ただそれが他の種々の因子と比べてどれくらい重みづけられて考えられるべきかは議論が分かれる所なのかもしれない。
さて、今回は勝敗という因子を負けたか、負けなかったかでカテゴライズしたがこれには理由がある。
我が徳島ヴォルティスが先日の大分トリニータとの開幕戦で黒星を喫したからだ。黒星スタートとなったけれど大丈夫。昇格できるかどうかには関係ないのだ。
ちなみに徳島ヴォルティスは過去2回(2013,2020)J1への昇格を果たしているが、当該シーズンの開幕戦の結果は1勝1敗である。
今年も自分の応援するクラブの試合結果に毎週末一喜一憂する日々がやってきた。
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