こんな雨の日に

窓で跳ね返されて落ちていく雨粒を眺めてた
傘を忘れた僕に容赦なく当たる時とはまるで
別物のよう。
昨日までの青が嘘みたいな濁った曇り空に
雫みたいに虚な目をしてつぶやいた
「どうせ明日も。」

図書館に返し忘れた薄い小説を
二周半してもまだ止まないし
干したままのベッドシーツも
また洗い直し

いつも晴れ基準で生きてて
反例に苛立つ自分がもっと嫌いで
予定調和ばっかりの人生もつまらないけど
破天荒にもなりきれないこんな僕に
あの雨粒はなんて言うんだろう
大体空から降ってきて最後は空まで昇ってく
傘に当たったあの雨も窓に当たったあの雨も
結局は同じ場所に向かう、
目指す場所があることが大事で
過程までもが綺麗である必要なんてないって気づいたんだ
こんな雨の日に。


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