サンリオ男子が私を肯定してくれた

初投稿の自己紹介文が想定以上に暗くなってしまったので、今回は私の好きなものについて書いていこうと思う。

私はサンリオが好きだ。
特にポムポムプリンが好きで、今は財布もスマホケースもボールペンも手帳もポムポムプリンなので、仕事で会った人にもこちらから何かを言う前に「ポムポムプリンお好きなんですか?」なんて聞かれることもある。

そんな私だが、ずっと今のようにサンリオにまみれて生活していたわけではない。
むしろキャラクターものを一切身の回りから排除していた時期もあった。
それなのになぜ今、関西在住なのにサンリオピューロランドに年に複数回足を運び、サンリオのおもちゃ目当てでハッピーセットを食べ、サンリオショップでポイントを貯めまくり、先日投票期間が終わったキャラクター大賞に必死で投票していたのか。

今回はその話をしていきたい。

小学生になった頃、私はサンリオがとても好きだった。
ハローキティの給食袋、マロンクリームの筆箱、ウィンキーピンキーのコップを愛用し、遠足にはけろけろけろっぴのレジャーシートを持って行った。 
コロコロクリリンがいきなり五児の父になってしまって本気でショックを受けたこともあった。

そんな中でも特に好きなのがポムポムプリンだった。
勉強机や引き出しにポムポムプリンのシールをたくさん貼って、ノートやハンカチなど色んなのグッズを身に付けていた。
友達が持っていた、便箋を折って糊付けすると封筒になるメモ帳が素敵に見えて、羨ましがっていたら、誕生日に同じものを、しかも2人の友人から2冊も貰えてものすごく喜んだのを覚えている。
ちなみにその頃の友達からの誕生日プレゼントは8割方ポムポムプリンだったので、世代的にど真ん中だったのもあるけれど少なからず“あの子にはポムポムプリン”という認識はあったのではないかと思う。

そんな風にサンリオとともにあった私だけれど、別れは突然やってきた。
小学4年生の頃だ。
その頃の私は社会に影響を与えるような人になりたいと漠然と思っていた。
そして気付いてしまったのだ。
テレビに映る総理大臣や大企業の社長などの、9歳の私の思う“社会に影響を与えていそうな人”のほとんどが男性だということに。
他にも色んな複合的な理由があった気がするけど、とにかく私は急に女の子をやっているのがバカバカしくなってしまった。
そして3歳から続けていたけれど一向に上達していなかったクラシックバレエをやめて、髪をバッサリと切った。
今まで着ていたワンピースを脱いで、Tシャツとハーフパンツにスポーツメーカーのロゴが入ったハイソックスを履いた。
母が面白がって私のイメージチェンジに付き合ってくれたおかげもあり、秋にはスーパーの女子トイレに入ると「男の子はあっちだよ」なんて言われるまでになっていた。

ずっと使っていたマロンクリームの筆箱も黒いペンケースに買い換えて、お気に入りだったポムポムプリンの定規も学校で取り出すことはなくなり、じきに持っていくこともやめてしまった。

そこから5年生までは明るく元気な男の子のようにクラスでおちゃらけたり、昼休みには男子に混ざってドッジボールをしたり、牛乳じゃんけんではしゃいだりした。

6年生になると、学校に行けなくなった。
結局どう振る舞っても男の子になれるわけではないと気が付いて、もう一度髪を伸ばしてみたけれど、オシャレに興味を持ち出す周りにすっかり置いていかれたような気分になり、自分の身を飾ることに恐怖を覚えるようになっていった。

そこからは中学3年までは、とにかく無地の暗い色のものを身に付けるようになる。
私が持っても“許される”ような気がするものを選んだ。
キャラクターものや可愛いものは“許されない”ものの筆頭だった。
下着についている小さなリボンにさえ責められているような気がしていた。

通信制高校のサポート校を経て専門学校へ通う頃にはだんだんと可愛いと思うものを持てるようになっていったけれど“許されない”という感覚はずっと持ち続けていて、キャラクターものやピンクのもの、真っ白なものを持ったり着たりすることはどうしてもできなかった。

そんなときに見つけたのが、スマートフォンアプリ「ハローキティのパズルチェイン」だった。
なんとなく暇潰し用のアプリを探してストアで「パズル」なんて検索をしたときに目についた。
キャラクターものを持つことは年齢を重ねるごとに“許されない”感覚が強くなっていたけれど、スマホの画面にキラキラした世界を広げることは、とても素敵なことだと思った。

そこから私はハローキティのパズルチェインに夢中になった。
そのアプリは細部まで可愛くて、大好きだったポムポムプリンもメインキャラクターだったし、ハローキティやマイメロディのなどの他のメインキャラクターに加えて、KIRIMIちゃん.などの新しいキャラ、ルロロマニックやウィッシュミーメルなどの少し知名度が低めのキャラにもイベントなどでスポットライトが当たっていた。

アプリとの連動企画のためにツイッターアカウントを作り、サンリオのアカウントをたくさんフォローした。
グッズが売り出されたのをきっかけに百貨店のサンリオコーナーも覗いてみた。
結局そのときも“許されない”気分になって何も買うことはできなかったけど、それでも可愛いものがたくさん並ぶその場所はとても眩しかった。

そんなとき、私にとって大きな出来事が起きた。
ポムポムプリンがサンリオキャラクター大賞2015で見事1位を獲得したのだ。
飽き性で忘れっぽい私にしては頑張ってポムポムプリンに投票していたので、すごく嬉しかった。
嬉しさのままに、また百貨店のサンリオコーナーに行くと、ポムポムプリンとマイメロディのぬいぐるみが手を繋いで座っていた。
個別アカウントを持っているサンリオキャラクターは時々ツイッターでキャラの垣根を越えて絡むのだけれど、私はそこで見せてくれるポムポムプリンとマイメロディの関係性がとても好きだった。
お店の棚でちょこんと佇むその姿がなんとも可愛くて、このぬいぐるみを部屋に置くのはとっても素敵で“許される”ことなんじゃないかと思い、気が付くとそのふたつを購入していた。


それからしばらくして、いつものようにポムポムプリンのツイッターを見ていたら、サンリオの新しいツイッターアカウントができたというお知らせがあった。

「ぼくのファンが、ひとり増えたみたい♡」https://twitter.com/purin_sanrio/status/667658676610555904?s=19

それがサンリオ男子だった。

サンリオ男子とは、それぞれ好きなサンリオキャラクターがいる男子高校生で、そのツイッターアカウントではそんな個性もバラバラな男子たちが、サンリオが好きという気持ちで仲良くなって日常を過ごす様子がリアルタイムでツイートされていく。

キャラクターへの向き合い方も様々で、堂々とグッズを持つ子も、むしろアピールするくらいの子も、逆に少し恥ずかしそうにしている子もいる。
最初は流し見るくらいだったのが、夢中になっていたハローキティのパズルチェインのサービス終了と重なったのもあり、どんどん更新を楽しみにするようになった。
それと同時にサンリオ男子について他の人はどう思っているのか気になって、サンリオ男子について話しているアカウントを探して見るようになっていった。
その頃のサンリオ男子は簡単な自己紹介と日常ツイートしかなかったので、みんなそれぞれにその男子たちのバックボーンを想像したり、おそろいのグッズを手に入れて写真を上げたりしてとても楽しそうだった。

そんなことをしていると、だんだんとサンリオ男子について話している人たちの輪に入りたいと思うようになっていった。
そうして数ヶ月後ついに意を決して新しいサンリオ男子用のアカウントを作り、見ているだけだった人たちをフォローしていった。
その頃サンリオ男子はハッキリ言ってすごくマイナーなジャンルで、新しく参加した私も温かく迎えいれられた。

そこからは速かった。
坂道を転げ落ちるボールのようだった。

最初は、サンリオ男子のポムポムプリンが好きな長谷川康太くんが持っていたグッズと同じものを探してサンリオショップに行った。
そうしたら、そのポムポムプリンのコーナーに、仕事に持って行く入館証をいれるのにちょうど良さそうなケースがあった。
それを鞄に忍ばせておけば、憂鬱な日も気分が少し軽くなるんじゃないかと思った。

ほしい。

それまでの私だったら、ずっと持っていた“許されない”という感覚にまた負けていたかもしれない。
けれど、その時の私にはサンリオ男子がいた。
少し恥ずかしそうに、だけど嬉しそうに友達と一緒に好きなものを持っている男子高校生の康太くんを見ていたら、私も“許される”ような気がした。

今の大人になった私も、小学4年生の男の子のようだった私も、中学生の自分を飾ることが怖かった私も、全部、全部“許される”、そして“許せる”気がしたのだ。

それからは、私の身の回りのものはどんどんポムポムプリンになっていった。

サンリオ男子ファンのオフ会をきっかけに初めてサンリオピューロランドにも行った。
噂に聞いていたミラクルギフトパレードは本当に素晴らしいし、他のショーや空間そのものが可愛いで溢れていて大好きな場所になった。

行ける場所にサンリオキャラクターカフェがあればサンリオ男子とは関係なく、行って癒されるようになった。
もちろんサンリオ男子の公式イベントにも参加した。

そうやって、たくさんの人とも仲良くなれた。

そのあとサンリオ男子は色んなメディアミックス展開をして、正直すべてを追いきれてはいないんだけど、サンリオ男子は公式に「お好きなストーリーをお選びください」なんて言ってくれているし、自分のペースで応援を続けている。

なによりも、サンリオ男子がずっと発信している、どのメディア展開でも共通している“好きなものは好き”このメッセージが大好きだ。
これがある限り私はずっとサンリオ男子が好きだし、自信を持って可愛いものが、ポムポムプリンが好きだと言いたい。

もしも誰かに許されないような気持ちになっても、サンリオ男子が、サンリオが、そしてそれを好きな私が、きっと私を許してくれる。




(noteで行われているキナリ杯に参加してみることにします。
それをきっかけに、少しでもサンリオやサンリオ男子のよさを知ってもらえるといいな。)

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