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4/6/2020: マスク作りと祖母の思い出

あと何輪花咲かさんとて胸を張り107歳まで生き抜いたひと

部屋の隅ヒラリヒラリと蛾のありて思い出すのは祖母の白き手

縁側にぺたりと座り背を丸め祖母の刺繍はハワイの州花

一見平和に見えるハワイですが、新型コロナウイルスの脅威は日に日に拡大し、今日はマウイ郡で初めて死亡が報告されるなど、もはや洒落にならないところまで来ています。あれ程までにマスクに抵抗感を示していたアメリカ人も、今ではその殆どが外出時にはマスクを着用しています。が、ハワイも日本と同様に、マスクは殆ど手に入らないので、マスクを手作りし、洗って使う人が増えてきています。私も、シーツをリサイクルして2枚作ってみました。

ミシンで縫えば早いのですが、ミシンを断捨離してしまったので、手縫いで。チクチクと何かを作るのは、ずいぶんと久しぶりのことです。縫いながら、祖母の事を思いだしました。

父方の祖母は長寿で、107歳で亡くなりました。我が家は代々晩婚家系なので、私が物心ついた頃には、祖母はもうかなりの歳でした。戸塚刺繍の講師をしており、90代まで指導していたかと思います。非常にしっかりしたタイプで、「可愛いおばあちゃん」と言う感じでは全くありませんでした。大柄で足のサイズは25センチ。脚自体も長く、若い頃はバレーボールの選手。自らをハイカラと称し、若い頃よりパンタロン(笑)を愛用していました。

我が家はハワイと縁が深く、大伯父二人はその昔、ハワイ島のプランテーション農場へ。今は米本土に渡りましたが、叔母(父の妹)もハワイで医者をしていたため、祖母も何度かハワイに叔母を訪ね、その時にたくさんスケッチしたハワイの花や魚を、カーテンやオルガンのカバー、クッションなどあちこちに刺繍していました。特にハイビスカスが好きだったようです。

小さい頃は、祖母の家でよく一緒に刺繍を楽しんだものです。お菓子の缶いっぱいに入った刺繍糸から好きな色を選び、ハンカチに刺繍するのが何よりの楽しみでした。縁側にペタンと座り、背中を丸くして何時間でも刺していた祖母の姿を思い出します。107歳まで、長く豊かな人生を全うした祖母。父よりも2ヵ月ほど長く生きました。

コロナ禍で、不安に苛まれ、ともすれば鬱鬱とした気持ちになってしまう今日この頃ですが、久しぶりの手縫いに、祖母の事を思い出し、かなり心が癒されました。明日は出勤日ですが、さっそく手作りマスクを着けて行こうと思います♪


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