パニック障害でも太平洋を横断できた

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ここでは、パニック障害の私が遠く離れたメキシコへ行くことができた方法についてお話します。飛行機が無理で海外旅行を諦めているという方もいると思いますので少しでも参考になれば幸いです。最初に断っておくと、特に特別なことはしていません。ただ、いろいろな準備をした結果、心配していたよりも大丈夫だったよ、ということをお話しています。

私のパニック発作は身動きの取れない閉鎖空間で起こります。物心ついたころから閉所恐怖症だったので生まれつきパニック障害を発症するタイプだったのだと思っています。私の場合、パニック発作は主に電車で起きますが飛行機も絶対に出られない閉鎖空間なのでダメな場所の一つです。でもどうしてもメキシコに行かなくてはならなくなり、長時間のフライトを乗り越える必要がありました。

長時間のフライトを乗り切るTIPS

長時間閉鎖空間にいることは恐怖でしかありません。フライト中にパニック発作が起きたらどうしよう、と乗る前から不安で押しつぶされそうになります。そんな中、私が実践した不安を減らす方法をご紹介します。

1. 飛行機に乗る時間を小刻みに分ける。日本からメキシコへの直行便のフライトは約13時間です。13時間も飛行機に閉じ込められるのはきついですよね。日本→ハワイ→アメリカ本土→メキシコという乗り継ぎ便が一番小刻みに移動できます。私の場合、金銭面や航空会社を考慮して成田→ロサンゼルス→メキシコというルートを選びました。この場合、成田からロサンゼルスが約9時間、ロサンゼルスからメキシコまでが約4時間のフライトとなります。乗り継ぎの途中で宿泊を挟むと体の負担も少なくなります。移動というよりもそれ自体を旅行と考えればいいかもしれませんね。

2 . 日本の航空会社に乗る。チェックイン時にパニック障害であることを伝える。 日本語が通じるというのは何よりも安心できることの一つです。そしてこれはJALの話ですが、チェックイン時にパニック障害であることを伝えておくと、きちんとフライトアテンダントにその情報が伝わっています。そして搭乗時に「何かあったら呼んでください」と声をかけてくれます。パニック障害の方にとって、「パニック障害であることの暴露」は安心するために有効な方法なので、きちんと伝えておきましょう。また、チェックイン時に隣が空いている席があればそこに座席を移動してくれることもありますよ。海外の航空会社も何かあれば力になってくれるとは思いますが、日本の航空会社の方が安心してフライトを過ごせるでしょう。

3 . 広めの機体を選ぶ。不安なら座席のアップグレードも考えてみる。私の場合、閉鎖空間でも人との距離が遠かったり広めだと予期不安は起きにくくなります。飛行機の場合は定員が決まっているので電車のようにぎゅうぎゅうになることはありませんし、3・4・3列のような広めの機体だと十分な広さを感じることができます。時間や路線によって機体は異なりますが、予約する際に座席数や配置を確認できるので、航空会社のサイトなどで飛行機の大きさを確認してみましょう。

また、JALとANAにはプレミアムエコノミーという座席があります。エコノミーより座席が広い上に、たいてい空いています。エコノミーより値段は高いですが、ショッピングでマイルを貯めてアップグレードする方法もあるので不安な方にはおすすめです。私の場合、9時間のフライトに対して不安が大きかったのでビジネスクラスを利用しました。JALのロサンゼルス線のビジネスクラスは写真のように座席が区切られていて、パーソナルスペースが確保されています。パニックが起きても、人に見られないという安心感があります。詳細はJALのWEBサイトで確認してみてくださいね。

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4 . 薬を飲む。長時間飛行機に乗る時は不安を抑えるために薬を飲んだほうがいいでしょう。私は頓服薬としてエチゾラムを服用しています。飛行機に乗る時はいつも離陸1時間前に0.5mg、離陸30分前に0.5mg服用しています。「不安が不安を呼ぶ」と思っているので、早めに飲んで不安の芽を摘むようにしています。このようにパニックが出てから飲むよりも自分を安心させるために先に飲んでおいたほうが良いと思います。

5 . 一緒にいて安心できる人と乗る、一人なら Wi-Fi を申し込む。結局、頼れる人と一緒に乗るのが一番安心できると思います。一人で乗る場合は機内の有料 Wi-Fi (国際線) に申し込んで、信頼できる人と連絡が取れるようにしておいた方がいいでしょう。

6 . 気を紛らわせるものを持参する。面白い漫画やドラマをダウンロードして持ち込むなど、できるだけ気持ちを紛らわせられるものを用意しておきましょう。できれば紙の本も一冊持っておいた方がいいです。一番不安が高まる離陸後の一定時間、機内エンターテイメントや電子機器が使えないためです。

パニックは一度も起きなかった

いろいろと準備した結果、メキシコへのフライトでパニックは一度も起きませんでした。私の場合、飛行機に乗り込む直前から離陸までが一番不安が高まるのですが、その時間は一番薬が効いている時間でもあるので不安はほぼ起きませんでした。アメリカまでのビジネスクラスはほぼ個室なので、安心して過ごすことができました。メキシコから日本へ移動する際はフライト時間が行きより少し長くなるのですが、それでもプレミアムエコノミーで大丈夫でした。

残念ながらエンジンの音が気になり寝ることはできなかったのですが、映画を見たり、漫画を読んだりして忙しくしていたので時間はあっという間に過ぎ去りました。フライトアテンダントの方も時々声をかけに来てくださるので安心して過ごすことができました。不安になるなという方が無理ですが、心配しすぎだったかなというぐらいには大丈夫でしたので、旅行に行ってみたいな~と思っている方、上記を参考に頑張って挑戦してみてくださいね。




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