見出し画像

【突撃!隣のプロンプト!】メディアリンク株式会社 千葉貴史さんに聞くChatGPT連携AIチャットボット『MediaTalkGAI』

本記事は、AI人材への業務委託サービス「ロコアシ」による企画記事です。
▶AI活用人材チームにデスクワークを委託?資料を無料ダウンロード

ChatGPT搭載AIチャットbot『MediaTalkGAI』を展開するメディアリンク株式会社の、AI推進部 事業開発チーム『千葉貴史』さんにお話を伺いました。


メディアリンク株式会社 について

ーー豊洲にあるメディアリンク株式会社さんの会議室にお邪魔しています。メディアリンク株式会社さんと、千葉さんについて教えてください。

メディアリンクは、オフィスやコンタクトセンターで必要となるテレフォニーシステム(CTIソリューション、音声テック)や、ウェブ接客ツール・チャットbotツールといった、ビジネスにおけるコミュニケーションに特化したシステムソリューションをはじめ、さまざまなシステムのコンサルティングから設計・製造・運用支援・保守サービスまで、トータルソリューションでご提供しています。

今年の4月にChatGPTを使った新規事業開発の部門が立ち上がり、担当させていただいております。

千葉貴史さま

ChatGPTのファーストインプレッション

ーーチャットbot業界の千葉さんが抱いた、ChatGPTに対するファーストインプレッションを教えてください。

「みんながやりたかったチャットbotがここにあるな」と思いました。

ーーいちばん衝撃を受けた点はどこですか。

会話の繋がりがスムーズで、自然な対話ができるところですね。

仕組みはシンプルだと思うんですよ。

「これはどういう意味ですか」と質問者が問い、AIから「こういう意味です」と返事が来て「もっと詳しく教えてください」と会話が繋がっていく。「もっと教えてください」という追加質問に対して、それまでの応答を考慮して、最新の質問文と合わせて次の回答を作る。

シンプルな作りなんですが、そうは言っても、実現するのは簡単ではありません。既存のチャットbotは一問一答で、「この質問が来たらこの回答がくる」というルールを設定する必要があったし、追加で質問しても、またゼロベースの会話が始まっているところがありました。

ChatGPTは一切それがない。かつ、言葉の使い方とか言い回しが柔軟です。本当に人と会話しているかのような体験が、とても印象深いです。


AIチャットボット『MediaTalkGAI』誕生までの経緯

ーー衝撃的なChatGPTの登場を踏まえて『MediaTalkGAI』誕生までの経緯をお聞かせください。

メディアリンクでは、2017年くらいから、あらかじめボタンの配置やクリックに対してどう反応するのか全て台本を作っておく『シナリオ型』と言われるチャットbotを運営していました。

私は当時、営業担当としてAIのチャットbotも一部取り扱っていたのですが、価格や設定の手間と比べて、期待できる精度が出し辛いところがあって、あまり積極的にお勧めできていなかったんです。

専門家だからこそ既存のAIチャットbotには課題感を感じていた

なので、ChatGPTの登場は衝撃的でした。3月にAPIが公開されて、プロダクトに組み込んで使えるようになった頃に「シナリオ型のチャットbotを今まで通りやっててもしょうがない」「やらないわけにいかない」と、AIに対する認識を改めて、新しいものを作っていこうと取り組みはじめました。

春先にある企業様から「チャレンジしたい」というお声があったので、そこと一緒に実証実験を繰り返したところから、今のプロダクトがスタートしました。

手軽に簡単に使える「MediaTalkGAI」

ーープロダクト「MediaTalkGAI」について、詳しく聞かせてください。

先ほど申し上げたシナリオ型チャットbotの3つの課題「コスト・精度・手間」を全て解決して、AIチャットbotを手軽に簡単に使って欲しいという想いで、MediaTalkGAIは作られています。

MediaTalkGAIの一番の特徴は、エクセルやPDFをアップロードしたり、ウェブサイトのURLを指定するだけで、その中に含まれているテキスト情報を元に、チャットbotをトレーニングできることです。

PDFをアップロードして、公開ボタンを押してもらえれば、チャットbotが作れます。

自分で95%程度のプロンプトを指定できるMediaTalkGAI

ーーPDFやウェブサイトでもいいというのは、ハードルを劇的に下げていますね。千葉さんのこだわりのポイントも教えてください。

今日のテーマでもある「プロンプト」の部分ですね。ChatGPTのAPIを使ったチャットbotサービスはたくさん出てきていますが、導入企業側が自由にプロンプトを指定できるシステムはあまりありません。

これは、プロンプトの指示次第でアウトプットが大きく変わってしまうからです。出力される結果が、とてもいい時もあれば、悪い時もある。

しかし、私がChatGPTに魅力を感じる部分はプロンプトです。

ChatGPT連携のチャットbotを使いたいユーザーさんのことを考えると、私と同様に「絶対プロンプトを自分で書きたい!」とお考えになると思ったので、諸刃の剣だと知りつつも、MediaTalkGAIでは、自分で95%程度のプロンプトを指定できるようになっています。

ーーChatGPTを採用したい企業の担当者心をくすぐりますね。

そうですね、完全に私個人のこだわりの部分なんですけど。導入時はデフォルトのプロンプトをベースにして、ご相談いただきながらカスタムしてもらうのですが、逆に私自身も学ぶことが多いです。

「そういう書き方をするんだ」とか「そういうことを出力させたいんだ」とか。ユーザーの声はプロンプトに一番現れます。

ChatGPTを活用してクライアントの社内稟議書や提案書作成を支援


ーー『MediaTalkGAI』以外に、ChatGPTを業務でどのように活用されていますか?

私は元々営業出身で、現在も営業をしています。例えば、大きな企業が新しいサービスの導入を検討する際、速やかに進めるには、社内稟議書や提案書が必要になりますが、担当者さんは多忙です。

営業としては、少しでもリードタイムを短縮したい、お客様に迅速に決裁を取ってもらいたいと考えています。

そのため、提案書や社内稟議書のたたき台をChatGPTで作成して、提案書や稟議書を作成させていただいています。

また、新規事業のプロダクトマネージャーとしての役割も担っています。プログラミングや開発のチームは揃っていますが、開発業務以外の部分は、マーケティングや集客なども含め、全部ひとりでやらなければいけない状況なので、ChatGPTを活用して効率化する方法を模索し、チャレンジしています。

また、最近はWebセミナーを高い頻度で開催しています。企画のタイトルなどを考える際、アイディア出しや、集客メール配信の文章を考える際にもChatGPTを活用しています。

細かいところで言うと、HTMLメールのデザインを考える際には、ChatGPTに要望を伝えてコードを生成してもらい、それをメール配信システムに入れてデザインを完成させることも。

ChatGPT活用には粘り強い試行錯誤が必要

ーーChatGPT活用における課題や難しさを感じるところがあれば、教えてください。

プロンプトの制御が難しい点が挙げられます。ChatGPTを組み込んだシステムを作成する際、システム側でGPTを使用して特定の内容を生成することは部分的に行われていますが。その制御はプログラミングコードではなく、プロンプトに依存しています。

特定の方法でシステムを構築したいと考えても、プロンプトの内容によっては期待通りの出力が得られないことがあります。

Pythonのコードが書けるエンジニアがプロンプトを上手く書けるのかというと、イコールではありません。言葉を操る営業マンなどのビジネスサイドの人間がプロンプトを書くと、期待通りの結果が得られることもある。

プロンプトの制御方法や、どのようなスキルセットを持った人間が適切であるのか、これまでの開発チームとは異なるアプローチが求められます。この点が課題であり、難易度が高いと感じています。期待するアウトプットを一度で得るのは難しいので、粘り強い試行錯誤が必要です。

ChatGPTを共通のテーマに進んだ交流

ーーChatGPTを活用して驚いたことや、思わぬ成果が出た事例はありますか?

ChatGPTという共通のテーマを持つことで、以前は競合他社でなかなか交流できていなかった他社のエンジニアや責任者の皆さんと情報交換したり、ディスカッションできるようになりました。

今まできっかけがなくて、こっちから唐突に「何か会話しましょうよ」って声をかけるのも、構えられてしまうというか。今まで会えなかった人に会えた。繋がれなかった人と繋がれた。これは非常に価値のある経験だと感じています。

自分のやりたくないタスクや面倒な作業を言語化しよう

ーーこの記事を読んでいる方にChatGPTをお勧めしていただけますか?

中小、スタートアップ、フリーランスの方など、1人で事業を進めている方が多くいます。これらの方々は、ChatGPTやその他の生成AIツールを最大限に活用していると感じます。当然、人がいれば作業を頼めるんだけど、人を採用するお金はないし、時間もない。自分自身で多くのタスクをこなさなければならないフェーズの人たちです。

例えば、サンプルデータの作成やテンプレートの検索などは、ChatGPTを利用すれば、容易に情報を取得できます。また、ロゴの製作なども、従来は外部の製作会社を比較検討して、依頼して、数週間後に納品されてきたロゴにフィードバックをして、時間をかけて作成していましたが、生成AIを利用することで、短時間で多数のロゴを生成し、その中から好みのものを選ぶことができます。

このように、ChatGPTやその他の生成AIツールを活用することで、今まで1人で対応できる限界が120%とか150%だとしたら、200%、300%に余裕をもって拡大できるようになりました。

自分のやりたくないタスクや面倒な作業を言語化し、それに合ったツールを探すことで、中小企業やフリーランスの方々は効率的に業務を進めることができます。おすすめです。

ウェビナーを沢山開催しているのは『答えは一つじゃない』と伝えたいからです。

AIに詳しい方は、ChatGPTという選択肢を以前からご存じでしたが、私はチャットbotの会社にいても、ChatGPTについてはほとんど知りませんでしたし、一時期はAIのチャットボット=IBMのWatsonという固定観念がありました。固定観念にとらわれてしまうのは違うな、と改めて気付かされました。

ChatGPTを搭載したチャットボットも多種多様で、私たち含め、それぞれのサービスには異なる思想や目的があります。盲目的に「MediaTalkGAI」が最高のものであると主張するのではなく、私たちやそれぞれのサービスの限界や適していない部分を正確に伝えて、自分たちの課題解決に最適なツールを選択する視点を持っていただきたいです。

市場が成熟し、興味を持つ人が増えれば、より良いサービスが生まれると信じています。

コールセンターの全ての応対をAI化したい


ーーMediaTalkGAIの将来展望について、聞かせてください。

私たちは音声系のシステムとチャットbotによるテキストのシステムの両方で、カスタマーサポート業界を支援しています。

社会全体で人手不足、労働者不足が叫ばれる中、コールセンター業界は特に人手不足が問題となっています。一方で、顧客の要望やサービスの需要は増加しており、実際の電話の問い合わせ数も増加しています。

コールセンターのお仕事は「感情労働」とも呼ばれている大変なお仕事であり、意味のある仕事なのですが、ニーズがあるのに供給が足りない。このような状況下で、AIの活用は非常に重要です。

私たちは、チャットボットの導入だけでなく、コールセンターの全ての応対をAI化する『AIコールセンター』の実現を目指しています。

お客様がコールセンターに連絡する手段として、電話、メール、ウェブサイト、チャットボット、有人チャットなどがあります。これらを総称してマルチチャネルと呼びます。HDIというヘルプデスク協会も、マルチチャネルの高品質な対応がコールセンターに求められる理想の姿だと称しています。

一部のチャネルだけを最適化しても、そのインパクトは限定的です。重要なのは、まずはマルチチャネル対応を実現することで、その為にはカスタマーサポートのナレッジやノウハウのデータベース化が必要です。データベースをAIが活用できる最適な形に導入する余地があるのはここです。

チャットボットを中心に、次にボイスボット、メール、FAQ、ウェブという順で展開を考えています。最終的には、完全に人員ゼロで稼働するAIコールセンターの構築を目指しています。

大手企業がコールセンターを持つ一方で、小規模事業者は問い合わせ対応を兼務しながら行っているケースが多いです。これらの企業にとって、AIでコールセンターが手軽に作れるようになることは、大きな価値を持つと考えています。

ありがとうございました

お話を聞いた方

メディアリンク株式会社
AI推進部 事業開発チーム 千葉貴史様

『AI CHAT SUMMIT2023秋』開催決定!

満足度99.6%の大好評オンラインAIイベント『AI CHAT SUMMIT2023秋』が9月7日(木)10:00~18:00に開催決定!AIチャットボットの祭典が再び。


ロコアシ:AI活用人材にデスクワークを委託!

▶AI活用人材チームにバックオフィス委託?資料を無料ダウンロード

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?