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株式会社piponの北爪様に聞く「Teamsチャットボット」【突撃!隣のプロンプト!】

生成AIサービスのプロダクトオーナー、エバンジェリストなどトップランナーの皆さんへのインタビュー特集「突撃!隣のプロンプト!」へようこそ。本記事では、株式会社pipon 代表取締役の北爪聖也 様から「Teamsチャットボット」についてお話を伺いました。
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「テクノロジーで世の中を効率化する」をミッションとする株式会社pipon

——読者の方に向けて、御社と北爪様のご紹介をお願いします。

株式会社piponの北爪と申します。

当社は、「テクノロジーで世の中を効率化する」をミッションに、生成AIを活用したシステム開発の受託事業、コンサルティング、TeamsでのChatGPT開発を行っています。

具体的には、リーガルテックの契約書AIや、マーケティングデータを活用した通信キャリアのメール配信最適化、建設資材の需要予測など、多岐にわたるプロジェクトを手掛けています。

株式会社pipon公式サイト:https://pipon.net/

私は広告代理店のテレビ広告運用からキャリアをスタートしました。テレビ広告運用からインターネット広告の部署に移った時、AIが自分の仕事を代替することに衝撃を受け、AIの重要性を認識しました。

この経験を経て、「テクノロジーで世の中を効率化する」を実現するため日々事業を進めております。

その後、KDDIの子会社でAIを学び、様々なAIプロジェクトに携わった後、2017年に独立し、当社を設立しました。

非常に高度な自然言語処理能力を備えており、実務に役立つ可能性を感じたChatGPT

——ChatGPTのファーストインプレッションを教えてください。

最初は、ChatGPTがそんなにすごいものではないだろうと思っていました。しかし、実際に触れてみると、驚くべき性能を持つものであることがわかりました。

過去取り扱ってきたAIとは異なり、非常に高度な自然言語処理能力を備えており、実際の業務にも十分に役立つ可能性を感じました。

社内の情報を一元管理し、社員からの問い合わせに対して自動で回答を提供する「Teamsチャットボット」

——「Teamsチャットボット」について、詳しく聞かせてください。

Teamsチャットボット」は、社内の情報を一元管理し、社員からの問い合わせに対して自動で回答を提供するシステムです。

具体的には、社内の様々なデータをデータベースに格納し、ユーザーが質問をすると、その質問に関連する情報を検索して回答します。

この検索結果を基にChatGPTが質問の意図に沿った回答を生成します。

これにより、柔軟かつ正確な回答を提供することが可能となり、問い合わせ対応の効率が大幅に向上します。

TeamsチャットボットはTeamsだけでなく、Slackなどの他のビジネスチャットツールやWebアプリケーションでも利用可能です。新たなアプリケーションを導入せずに、既存のチャネル上で簡単に利用することができます。

さらに、回答の質を高めるために、ユーザーからのフィードバックを収集し、継続的に改善を行っています。例えば、質問に満足したかどうかを評価してもらい、満足度が低かった場合は原因を分析して対策を講じています。

チャットボットが正確に回答できない原因として、社内データの不足、検索アルゴリズムの精度不足、AIの理解力の不足、ユーザーの質問内容の不備などが考えられます。

これらの問題に対して、データの充実、検索アルゴリズムのチューニング、AIモデルの改善、ユーザーの質問文の品質向上といった対策を講じています。

具体的には、ベクトル検索やハイブリッド検索など、複数の検索手法を組み合わせて精度を高める取り組みを行っています。

また、質問に対するフィードバックをもとに、どの部分で問題が発生したのかを分析し、検索アルゴリズムやAIモデルをチューニングしています。

例えば、ユーザーが質問した内容に対して、データベース内に適切な情報が存在しない場合は、その情報を追加することが必要です。

また、検索アルゴリズムがうまく機能しない場合は、アルゴリズムの改善を行い、より精度の高い検索結果を提供できるようにします。

さらに、AIモデルが質問の意図を正確に理解できない場合は、より高度なモデルを導入することで、回答の質を向上させます。

加えて、ユーザーの質問内容が不十分な場合は、必要な情報を補足するようなガイドラインを提供し、ユーザーが適切な質問を行えるように支援します。

導入企業においても、問い合わせ対応の効率が向上し、スタッフの負担が軽減されるとともに、より迅速な問題解決が可能となっています。

Teamsチャットボット公式サイト:https://pipon-aichatbot.studio.site/

監査法人のお客様が社内問い合わせの対応量に悩まれていたことが開発のきっかけ

——Teamsチャットボット誕生までの経緯を教えてください。

監査法人のお客様が、社内の問い合わせが非常に多いことを課題として抱えていました。具体的には、月に6000件ほどの質問が寄せられ、その対応に20名のスタッフが必要とされていました。

こうした状況を改善するために、RAG(Retrieval-Augmented Generation)技術を活用したチャットボットを提案しました。この提案が受け入れられ、Teamsチャットボットの開発が始まりました。

生成AIを使ってプレスリリースの作成やプレゼン資料のドラフトを作成

——自社のプロダクト・サービス以外に、生成AIを業務で活用されていますか?どのように活用されていますか?

はい、自社のプロダクトやサービス以外でも生成AIを幅広く活用しています。例えば、プレスリリースの作成やプレゼン資料の作成時には、生成AIを使って初期のドラフトを作成しています。

これにより、従来の方法では時間がかかっていた作業が大幅に効率化され、社員がよりクリエイティブな作業に集中できるようになっています。

また、広告運用においても、広告のクリエイティブやコピーライティングの部分で生成AIを活用しています。

リスキリングサービス提供先の企業には各部署に1人ずつ生成AIのエキスパートを配置

——生成AI活用における課題や難しさを感じるところがあれば、教えてください。

生成AIの活用において、特に感じる課題は、社員への浸透と習熟度の向上です。

新しい技術を導入する際、最初は多くの社員がその使い方に慣れておらず、効果的に活用できないことが多いです。

この問題を解決するために、当社が提供する企業向け生成AIリスキリングサービスでは2日間の研修を行い、生成AIの基本的な使い方やプロンプトの作成方法を教えています。

研修の中で具体的な事例を用いながら、実際の業務にどのように活用できるかを説明し、生成AIを使いこなせるようにサポートしています。

研修を通じて、多くの方が生成AIの有用性を理解し、積極的に活用するようになりました。

それでもなお、全社員に広く浸透させるには時間がかかります。

そのため、リスキリングサービス提供先の企業様には、各部署に1人ずつ生成AIのエキスパートを配置し、そのエキスパートが他の社員に対してサポートを行う体制を整えています。

これにより、生成AIの活用が部署全体に広がり、徐々に全社的な利用が進んでいます。

また、生成AIの導入には初期コストや学習コストがかかるため、その投資対効果をしっかりと見極めることが重要です。弊社では、生成AIの導入による業務効率化やコスト削減の効果を定期的に評価し、必要に応じて改善策を講じています。

生成AI活用で、外注費を大幅に削減できる点が非常に魅力的

——この記事を読んでいる方に生成AIをお勧めしていただけますか?

生成AIを活用することで、外注費を大幅に削減できる点が非常に魅力的です。

弊社ではプレスリリースの作成を外注していましたが、生成AIを導入したことで、社内で迅速に作成できるようになりました。広告のクリエイティブ制作でも同様で、これまで外注に頼っていた作業を社内で行うことで、コスト削減に成功しています。

プレスリリースや広告の制作には年間百万円単位の費用がかかっていましたが、生成AIを活用することで削減が可能です。もはや、使わないと損なのではないでしょうか。

外注費が削減でき、内製化を実現できるくらい活用していただくことを目指す

——プロダクトならびに御社の将来展望について、聞かせてください。

弊社は、生成受託と、生成AI研修の両軸を強化していくことを目指しています。

受託事業においては、既に導入させていただいた生成AIを、外注費が削減でき、内製化を実現できるくらい顧客企業でさらに活用していただくことを目的に、更に便利なものを作っていこうとしています。

例えば、医師と患者の会話データを基に診療記録を自動生成するシステムの開発です。医師は、パソコンに向かってカルテを書いているため、患者さんの目を見て話す時間が減りがちです。

このシステムは診療時の会話を録音し、音声から自動的にカルテを作成します。これにより、医師が患者に向き合う時間を増やし、業務の効率化を図ることができます。

高度なコミュニケーションが可能になり、様々な業務に応用できる点が生成AIの魅力

——生成AIの一番好きな特徴は何ですか?

生成AIの一番好きな特徴は、その高度な自然言語解析能力です。従来の形態素解析では、文を意味のわかる最小単位に区切って数値化する方法が一般的でしたが、それでは会話のニュアンスや文脈を正確に捉えることは難しかったです。

生成AIはその限界を超え、人間のような会話を理解し、適切な返答を生成する能力を持っています。従来の解析手法では不可能だった高度なコミュニケーションが可能になり、様々な業務に応用できることが非常に魅力的です。

病院・クリニック向けのカルテ自動化AI「ボイスチャート」がリリース!

※編注:インタビュー時に、今後の予定としてお話されていた病院・クリニック向けのカルテ自動化AI「ボイスチャート」をいち早くリリースされていました。

「ボイスチャート」は診察を録音するだけでカルテが自動作成できるサービスです。

病院・クリニックの以下のようなお悩みを解決します。

  • カルテ入力を手伝ってくれる医療クラークを雇う予算はない

  • カルテを作成することが大変で患者さんの顔を見る時間が少ない

「ボイスチャート」公式サイト

お話を聞いた方

(聞き手:ロコアシ事業部長 あさい

ロコアシ:AI活用人材にデスクワークを委託!

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