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【突撃!隣のプロンプト!】株式会社ObotAI 北見 好拡さんに聞く多言語AIチャットbot『ObotSERVE』

本記事は、AI人材リモートアシスタント「ロコアシ」による企画記事です。ChatGPTのエンジンを実装した新しい接客向けAIチャットボット「ObotSERVE」をはじめ、多数のAIサービスを運営されている「株式会社ObotAI」代表取締役の北見 好拡さんにお話を伺いました。(聞き手:ロコアシ事業部長 あさい 撮影:広報 おかけいじゅん
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ObotSERVE誕生までの経緯

ーー不動産会社の営業担当としてキャリアをスタートし、多数の観光施設、リゾート、スパなどを運営されてきた、北見さんの異色のキャリアをお話しいただくだけで、何時間もお話を伺えそうですが、ここはぐっとこらえて、2018年6月の多言語AIチャットボットシステムObotAIのリリースと、今日の「ObotSERVE」に至るまでの経緯を伺わせてください。

1990年からグアムやサイパンなどで運営してきたホテルやゴルフ場などの海外リゾート事業を、マカオのカジノへ、2016年にバイアウトしました。日本人の観光客が減り始め、リーマンショック後の2014~15年ぐらいから、特に中国の観光客が増えていた頃です。サイパンはビザなしで行けるアメリカ圏なので、中国人にとっては魅力的な場所だったのです。

その頃、IBMのWatsonを知りました。それまでホテルを経営してきた中で、常に課題だったのが言葉の問題だったこともあり、多言語対応のチャットボットに非常に感銘を受けました。そこで、バイアウトを原資に、自分たちでAI事業を始めたいと思ったのが、当社のスタートです。

大学の頃からコンピュータプログラムに興味があり、趣味でコーディングを少し経験しました。ホテルの経営時代には自社のシステムを社内のエンジニアと共に作成し、それをサイパンの他のホテルにも販売しました。ですから、全く興味がない分野ではありませんでした。

プロダクトの開発を始めて、ObotAIをリリースできたのは2018年です。その後数年でAIを取り巻く環境は大きく進化しましたが、シンプルな質問を処理するAIから、ChatGPTの出現により大幅にアップデートされ、チャットボットがより複雑な対話を処理するようになりました。今年の4月、ChatGPTの技術を採用した「ObotSERVE」をリリースしています。

ObotSERVE のサービスサイト:https://obot-ai.com/obotserve/

人間のような対話体験を提供するObotSERVE

ーー「ObotSERVE」について、詳しく聞かせてください。デモ画面を開きますので、お見せいただきながら拝聴できればうれしいです!

ChatGPT登場前のチャットボットは、基本的に、シンプルな質問に対して用意された回答を出力する、一対一の応答をするツールでした。

ObotSERVEは、よくある質問に対する応答は従来のチャットボットが行い、深掘りしたい質問や長文の質問、内容が多岐にわたる質問は、GPTが回答するツールです。

デモ画面の質問サンプルを実際に入力してみましょう。

「来週、友人の誕生日でマリアナオーシャンでプレゼントを考えています。予算が5000円ぐらいで、おすすめの石鹸やギフトセットの提案をお願いします。友人は40歳の女性で保湿系のコスメが好きです。」

このような質問は、ChatGPTが回答します。

デモ画面で動作確認できる ObotSERVE

音声入力もできるようになっています。入力してみましょう。
「いいですね。いくらですか?」

従来のチャットボットでは「いいですね。いくらですか?」のような質問に回答するのは難しかったのですが、前後の文脈を理解しているので、ObotSERVEは回答できます。このように、人間のような対話体験を提供することがObotSERVEの特徴です。

ーー「出力中です」や「出力がまとまりました」などの表示もユーザーフレンドリーですね。

これらのテキストも企業ごとにカスタマイズ可能です。

絶対に回答を間違えてはいけない、よくある質問はスピードも速いですし、API利用料もかからないので、従来のチャットボットのシステムでいいんじゃないかなと思います。

従来のChatbotでは回答が難しい部分をGPTで回答させることで、より人に近い接客体験が可能になる仕組みです。

適切な情報は別のデータベースにストックし、Googleスプレッドシートに記入するだけで参照可能です。

ーースプレッドシートを使用するのもユーザーフレンドリーですね。

他にも、語尾を変えたり、関西弁で出力するなど、管理画面から細かな設定が可能です。

重視しているのは、接客・販売にフォーカスし、多言語対応していること。

ーー「ObotSERVE」の開発において、北見さんが特に重視されているポイントは何ですか?

長らくノウハウをストックしてきた「接客・販売」にフォーカスすること。多言語対応していること。この前提でプロダクトが作られています。

7月20日には、法人向けに組織単位で導入可能なChatGPTを組み込んだAIチャットボットサービス「ObotSERVE Biz」をリリースしました。セキュリティ万全な自社専用の環境でChatGPTの利用ができ、一般的な会話の他にも、ビジネス文章の作成や要約、資料作成、FAQ作成など、業務効率化や社内でのAI活用促進をサポートするサービスです。

プレスリリースはこちら

アイディア出し、記事構成案でChatGPTを活用

ーー「ObotSERVE」以外に、北見さんはChatGPTを業務で活用されていますか?どのように活用されていますか?

アイディア出しやオウンドメディアの構成案作成にChatGPTを活用しています。エンジニアはプログラムのコードを生成して、作業効率を上げています。

ChatGPT活用における課題は「基礎知識」「セキュリティ」

ーーChatGPT活用における課題や難しさを感じるところがあれば、教えてください。

私たちはChatGPT活用における課題解決を業務としているので一定の克服はしていますが、高品質でブレのない回答出力のためのプロンプトには知識が必要です。また、セキュリティの観点で、大企業が導入するには課題も残ります。

ObotSERVE Bizでは、業界や企業が必要とする出力を提供できるよう、プロンプトをプリセットして、オーダーメイドで提供するので、課題感を感じる方はご相談いただきたいですね。

Web接客への導入で注文住宅会社のコンバージョンが増加

ーーObotSERVEの導入で成果が出た事例はありますか?

ObotSERVEを導入していただいた注文住宅の会社では、コンバージョンが上がったという報告を受けています。Web接客としてChatGPTを使用することが有効であるという実証が得られています。

また、実証実験で、茨城県庁にObotSERVE Bizを提供しています。データは今後公開する予定ですが、一定の効果がみられています。やはり行政の活動や業務内容は複雑で、時間がかかるものなので、ChatGPTで調査や文章作成を効率化できる部分は大きいと感じています。

まずは、企業が抱える課題をChatGPTに聞いてみよう

ーーこの記事を読んでいる方へChatGPTをお勧めしていただけますか?

ChatGPTは、まず使ってみないと良さが分からないと思います。まずは、企業が抱える課題をChatGPTに聞いてみてください。

ネット上には多くのプロンプトの事例もあるので、それを参考にしてみてください。自社のシステムとの連携が可能な場合は、ぜひお問い合わせいただければと思います。

また、組織内でも、ChatGPTを有効活用できる人と、そうでない人の差は、出てくると思います。前提知識を踏まえてプロンプトを入れないと、平均的に質の高い回答は得られません。そのような課題解決は、弊社にお任せいただければと思います。

今後は、OpenAIからcode interpreterがChatGPT以外で実行できる仕組みが出ると思います。そのため、生成系のパワーポイントやエクセルに全て吐き出す、見積書を作成するなど、多くのことが可能になるでしょう。

Googleドキュメントやオフィスの使用も含め、大きな社会変容が起こる可能性があります。Microsoftからcopilotが出る一方で、チャットボットを含むさまざまなものがcode interpreterで連携できるようになるでしょう。

ただし、日本の企業で問題となるのがセキュリティです。例えば、サーバーの保管場所が海外だったことが課題となっていましたが、Azure OpenAIは東日本のリージョンを設けることで、よりセキュアな環境を整えてきました。

これにより、これまで躊躇していた企業が一気に加速する可能性があると考えています。

OpenAIのスタンスと同じく、APIの提供に注力したい

ーー「ObotSERVE」、ならびにChatGPTの将来展望について、聞かせてください。

ここ数ヶ月だけでも、ChatGPTは劇的に進化していて、その変化に伴って我々の展望も大きく変わってきています。我々は元々多言語の壁を解消するツールを開発してきた会社です。

GPTの出現により、この壁を乗り越えるのが簡単になりました。我々はObotSERVEとSERVE Bizを軸にしたAPIの提供に注力して、各企業が持っている自社システムとの連携をスムーズに行い、各企業の課題を解決するところに注力していきたいです。

ありがとうございました

お話を聞いた方

接客向けAIチャットボット「ObotSERVE」をはじめ、多数のAIサービスを運営

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