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②:みけこ

みけこは捨て猫である。
当時、ろこさんとくろと実家近くのマンションに住んでいた。
12月のある日、仕事から帰ると弟が私の部屋の前でみけこが入った箱を持って立っていたのである。
まだ目が開いていない生まれたての赤ちゃんで、弟がアロン(実家の犬:スタンダードプードル)の散歩の際に発見し、私のところへ連れてきた。
箱には、もらってくださいと書かれていた。
おそらく色んな犬のおしっこを浴びたであろう悪臭が酷く、とりあえずシンクでみけこを洗い、ストーブの前で温めた。
箱には毛布も何も入っておらず、今考えるとあの極寒でよく生きられたものである。

病気にもならず、今も元気に生きている。
仲間たちの中で唯一の女の子であり、なかなかに気難しい。
まぁ人間も大概女の子は難しいものなので、私はみけこが不機嫌だったりした時は、女の子やからなぁ〜で済ませるようにしている。

猫に興味がなく、みけこの感情はひたすら私に向かっている。
しかし赤ちゃんのころから甲斐甲斐しくお世話をしてくれたくろにだけは心を開いているようだ。

自分は特別だという誇大感が強めなみけこは、
猫たちと一緒にごはんをいただくなんて…
猫たちと一緒になって猫じゃらしなんて…
といった具合に、何でも個別に対応を求めるので手がかかる。
しかし、女の子なので仕方ないのである。

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