フォトウォークは恥ずかしい?
たとえば「ゴツい一眼を首から下げて場末の飲み屋街をカメラ散歩してみて」とお願いされたら、はたしてすぐに実行できるでしょうか。
たいていのひとはNGだと思うんです。酒場通りでカメラ回すこと考えたらちょっと躊躇しますよね。
写真家活動をしているアーティストであれば作品作りのために堂々とやってのけるでしょうけど、まぁフツーのひとはなかなか勇気が出ませんて。
コレたとえ話が飲み屋街だから二の足を踏んじゃうとかじゃなくて、近所の商店街だったとしてもカメラぶら下げてウロつくのって難しいかなって思うんですよ。
理由はひとつ、カメラ散歩って恥ずかしい。
最近はミラーレスが主流化したことで一眼も小っちゃくなりましたが、やはり目立ちます。
しかもスマホで撮影するのと違っていかにも「撮ってますよ」な体勢になるので、場所によってはめっちゃ気になったりするんですよね。
カメラを趣味にしたいと思ってフォトウォークを始めたけれど、この手の理由でやめちゃう人も多くて、それがカメラ散歩が流行らない要因なのかもと思ってたりします。
僕も最初の頃は家の中でしか撮ってませんでしたから。
このへん、フォトウォークは慣れということもあって「場数をこなせばできるようになるよ」とも言えますが、その場数を踏むがヤなんだって堂々巡りになるんですよ。
これじゃあカメラを買った意味がない。
どうしよう…
でも大丈夫、解決方法はカンタンです。
撮影スポットでやればいい。
冒頭のたとえ話「場末の飲み屋街」はあたりまえですがお酒を飲みにいくところです。「商店街」だってそう、撮影するために存在してるワケじゃありません。
こういう日常なところをパシャっと切り取るのがストリートフォトの醍醐味ですが、ハッキリ言って肝が据わってないとキツイ。
そのへん、撮影スポットは心が広いです。
撮るためだけに来るひとを想定してロケーションを整備してくれたり、場所によってはイベントなんか組んでくれたりでおせっかい焼きまくり。
むしろカメラを構えてないほうが「何しにきたの?」と浮いてしまうかもしれません。それだけ撮影スポットと呼ばれるところは優しいんです。
フォトウォークの恥ずかしさってのは自分だけヘンな行動をとってるのではという自意識過剰が主な原因。
撮影スポットで「カメラを出して撮り歩く」を繰り返していくと、その動作自体に感情が揺れなくなります。
するとあら不思議、あんなに嫌だった場数を踏むがカンタンにこなせちゃうんですよ。
カメラ散歩は恥ずかしくない。
ただ最初の一歩が踏み出せないだけ。
自転車も漕ぎ始めが一番ペダルが重いです。でもスピードが出てくればパワーを使うこともありません。
ここで軌道に乗ってしまえば街でも公園でもカメラを取り出すことに物怖じしなくなります。まぁ慣れすぎて迷惑行動を取っちゃったらダメですが。
なんにせよ心理的安全性を確保できる場所から回を重ねることが大事。せっかく買った一眼、おおいに楽しんでしまいましょう。
それでは最後にこの記事を台無しにする身も蓋もないことを言って締めくくります。
誰も君なんか見てないよ。
取材費になります!