コンデジが復活してきたのは「さりげない」から
街中でiPhone片手に写真撮ってる光景って、もはや見慣れてるを通り越して空気みたいな感じですよね。
お店の中だって値段を撮ってたり、家族に「これ買うんだっけ?」と確認LINEを写真で送ったりでもはや日常そのもの。
みんなが同じSNSというプラットフォームをもっているから起きてる現象なんでしょうけど、ここまで撮影がフツー化したのはオドロキです。
とは言っても撮影される側に慣れてるかと言うと話は違ってくるわけで。そりゃあ誰だって知らない人のスマホの写真フォルダに記録されたくないからね。
「撮る」は空気化しましたが、
「被写体になる」は抵抗感むきだし。
以前ストリートフォトの肖像権問題が話題になったことがありましたが、やはり勝手にカシャカシャ撮られるのは気分のいいコトじゃありません。
フォトウォークやってるのでそのへん気をつけて撮影してても、いかにも「撮ってますよッ!」ってな感じの一眼だと場所によってはバツが悪いこともあります。
僕はまだ公園でのロケーションが多いから撮影してても違和感は薄いのですが、ストリートフォトをやる方だと敵意を向けられたりもするんですよね。
だけどそのカメラがiPhoneだったら、ぜんぜんオッケー。
これが街中で見かけるスマホ撮影の空気化です。
iPhoneでの撮影はカメラじゃない。
カメラとして認識されてない。
もう一度いいます。
カメラとして認識されてないんです。
これって実はスゴイことで写真でも動画でも「街中で勝手に撮る」は市民権を得たんですよ。一眼カメラじゃそうはいかない。
結局のところ、
iPhoneは携帯電話なので撮影機材ではない
一眼はカメラなのでおもいっきり撮影機材
という図式になってるんでしょう。
「カメラで撮る」という行為は同じでも、感覚的に違うものとして僕たちは捉えてるのかもしれません。
うーん、ズルい。
百歩ゆずって一眼が煙たがられるのは納得できるとして、スマホで問答無用にカシャカシャ撮るのが容認されちゃうのって、メッチャうらやましい。
撮影禁止と言われてる場所も、一眼はNGだけどスマホで軽く記録する程度ならオッケーなんてこともあったりします。
カメラクラスターからするとiPhoneが憎らしくてたまんない気持ちになりますが、コレって深掘りすると容認の意味がわかったりするんですよ。
極論、スマホってさりげない。
パッと出してパッと撮ってスルッとしまって終了。ただでさえiPhoneは日常のアイテムと化しているので手荷物のひとつくらいにしか映らない。
あまりにもフツーの光景すぎて撮影であることを頭が認識していないのかもしれません。
これです、このさりげなさ。
一眼もiPhone並のさりげなさが出せれば、きっとどこでも撮影することができるはず。
でもそんな都合のいいカメラなんかあるわけないでしょ…
と思ったんだけど待って。
あるじゃないコンデジが。
スマホの普及によって旧世代の遺物と化したコンパクトデジタルカメラが、ここにきて白羽の矢が立ちました。
ポケットサイズの小ささと取り回しのしやすさは、ちょうどスマホと同じくらいの労力。まさにシンデレラフィット。
唯一の難点は一眼とくらべてセンサーサイズが小さいことに思えますが、なんてことはない、APS-Cのコンデジだってあります。
ストリートフォトでも満足いくスペックの高級コンデジであれば、さりげなく撮ってカメラ感も出さずに煙たがられる事もない。やってる動作だけ見ればiPhoneで撮ってるのと大して変化なし。
事実、高級コンデジは再び売れだしてるので僕の推論もあながち間違いではないと思います。
iPhoneのさりげなさ×一眼のスペック=高級コンデジ
今の時代に合うカメラのカタチが、まさか昔のコンデジだったとは。
これを機に一眼カメラの存在感に肩身の狭い思いをしていたカメラクラスターは、高級コンデジデビューしてみるのもいいかもしれませんね。
僕もさがそうかな。
取材費になります!