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小女郎稲荷

僕は荼枳尼天から、この世の男の我欲とエゴと煩悩が極まった今、全ての男を消し去る業火の中で、女たちを地底世界にかくまうために地底への扉を開いてくる命を受けた。地底の長老はこの世の女たちを受け入れることに難色を示し、話し合いは頓挫したが、長老の提案で地底世界の女性性の集合意識体であるマザーの意見を聞くことになった。マザーはこの世が滅びようとしている今こそが男女和合への試練だと言い、男がいなくなった未来の世界を見せながら陰陽流転の大切さを語った。マザーは、男女の和合がこの世を救うが、その具体策として、この世の女性性の代表Jを救わなければならないと言った。Jは男の集合意識体に囚われており、そのヒエラルキーの頂点が亢者だ。僕たちはマザーが化身した白狐に導かれて地球意識体の耳に入った。内耳に当たる塔で、遙か彼方の星にいる、もうひとりの久仁子と出会い、地球人は皆、もうひとりの自分を宇宙のどこかに持っていることと「今ここ」とは人間、宇宙人、それぞれにとっての次元上昇試験であることを知った。そこには宇宙の森羅万象の生命があった。神は悪の種だと知りながら男と女を創った。男女と同時にあらゆる二元性がこの世に現れ、それらは悪の素となった。神の愛の祝福の手は悪魔の手と化し、人間界は悪に染まった。神にとって悪は人間界でしか味わえない大人の毒味だった。神の子である人間には内なる悪と愛が同居しているが、己の悪が見えた時、愛の道も開く。神が男と女を創ったのは、愛から悪を、悪から愛を生み続けるためだった。神が縛られし愛の呪縛を解けるのは悪だけだった。神は悪魔に傅き、宇宙も人間界も悪魔のものとなった。そして・・・


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