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東京から福岡県宗像市・大島へ 一変した生活に感じる心地よさ

福岡県・宗像大島にある一棟貸しの宿『MINAWA』。現地のオペレーションを担当しているのは、東京からやってきた星野守孝さん、通称「もりさん」です。長年東京で働いてきたもりさんが、大島にいて感じることを心のままに綴る「もりさんの大島日記」。美しい島の風景とともにご覧ください。

「大島で仕事をしてみませんか」と誘われて

ふとしたきっかけで東京から遠く離れた離島に来るとは、人生どうなるかわからない。

コロナの影響もあり麻布十番でのMUSICBARを閉店して、「さて次のステージはどうしたものか」とふらふらしている時に、友人の紹介で糀屋さんという地域再生支援の仕事をしている方と出会った。

「福岡県にある大島で仕事してみませんか」
「はい。では来月にでも行きます」

あまり深く考えるタイプではない自分は、すぐに承諾した。今までとは違う環境や仕事にも興味があった。

大島へ渡る船が出ている神湊港

仕事の内容は糀屋さんの会社・ローカルツーリズム社が運営する一日一組限定のヴィラ『MINAWA』に宿泊されるお客様のご案内や建物のメンテナンス、室内の備品や設備管理などなど。

来客時は送迎や島内ガイドはもちろん、要望があれば室内での調理や食事のお届け、予約のないときは敷地内の草刈り、柱のペンキ塗りまで。コンシェルジュ的なことも含む接客業務全般から雑用、野良仕事まで、時には思いがけないトラブル対応もあるけれど、それはそれは幅広く楽しいことばかりだった。

『MINAWA』から見える夕陽。最高の一瞬

東京の港区と福岡の大島を行ったり来たりしているうちに忙しくなり、現地のことをいろいろと知るために島に長期滞在することになった。

早寝早起きが心地いい島の生活

滞在中の寝泊まりはもっぱら常宿にしている、大島の象徴的存在である創業45年の三国屋さん。

港からも見えるシンボル的たたずまいだ

目の前が漁港で、漁船のエンジン音やフェリーが鳴らすホーンの音も聞こえる。窓が東側で、朝日がさす見晴らしのよい3階にある一部屋の六畳間。

女将さんも気さくで、実家に帰ってきたような感じの宿でとても居心地がよい。なにより部屋のすぐ横にあるお風呂に24時間いつでも入れるのがよい。それから駐車場もタダである。

朝日の入る心地よい六畳間だ

今ではすっかり早寝早起きの生活になっている。

朝は6時頃に日の出とともに起きて、夜は10時くらいに寝るように心がけている。

早めに寝るようにしているのには理由があって、それは島の朝がとても清々しくて気持ちよいから。波止場や海岸を心地よい潮風と朝日を浴びながら散歩するのが日課になってしまったくらいだ。

漁船の音も心地よく感じる

時々、宗像大社中津宮に参拝する。
参道から境内への階段をゆっくり上り、思いっきり深呼吸してから手を合わせる。秋の天気が良い日は鳥居の向こうから朝日も拝める。東側から境内に向かって光の道ができてとても幻想的で神々しい。贅沢なひとときである。

朝、島にいる人にしか見られない特別な景色だ

朝7時からは、三国屋前の広場でお年寄りが集まってラジオ体操をやっている。横目で見ながらいつか一緒に体操しようと考えている。

夜の生活が当たり前であった自分には、ここでの生活はとても新鮮な感じで気持ちがよい。
島には眩しいネオンや誘惑の看板もないから、仕事が終わったら早めに帰宅し床についてしまう。晩酌しながら時々それがなつかしく恋しくなることも……。

『MINAWA』の接客とは別の仕事や何かやること、することがある時はできるだけ午前中に片付けないと、天気のよい午後は陽射しが気持ちよくてちょっとだらけてしまう。ついうとうとしてしまう午後を過ごすことも。
早めに仕事を片付けて、かんす海水浴場や海岸で、夢の小夜島を見ながら飲む缶ビールはまた格別の味わいである。
島でのささやかな楽しみでもある。

海を見ながら飲む缶ビールは格別の味わい

以前の夜型の生活とは一変した、いわゆる人間らしい生活リズム。体調がよいことを実感している、実に健康的である。

この連載は不定期で更新します!

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