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この2年を忘れないために

2021年が終わります。
毎年特に何もしないけれど、おかげさまで12月で21周年でした。
みなさん本当にありがとうございます。

ふと、年末気分も相まってやや能天気な性格なので、時と共に記憶は和らいでることもあり、この2年間が特に何もなかったみたいにな感覚にもなります笑。決して歳で忘れやすくなったわけではありません笑。
徳川家康が負け戦で自画像書かせたように、みなさん大なり小なりいろいろあったと思いますが、自分が忘れないようにこの2年を振り返って今の心境や状況を思い出しつつ記録しておこうと思いました。もう嫌なことは全て吐き出して新たな年を迎える所存です笑。来年のオレは一味違うはずです笑。

ルール守って生き延びろ!厳しい現実

なぜかオレって儲かっていると思われているらしいが、うちみたいなお洒落でもなく、ワインもクラフトビールもどんどん飲ませて、農家直送の野菜をありのままをガツンと出すストロングスタイル(プロレスラーアントニオ猪木が提唱した自分の「感情(怒り)」をレスリングの中で表現するスタイル。これを文字って、地域での自分の怒りをお店の中でぶつける原価計算より現場でのライブ感を重んじる大木がよく使用するスタイル笑)なお店って、続けていってるだけ奇跡なんです。

さらに9.11のテロで食材が入ってこない。東日本大震災で数ヶ月商売にならない。大雪で2ヶ月仕事にならないなどなど、小銭が貯まると天災により全て吐き出すを繰り返してきました笑。今回も店舗と人員を整理して20周年を迎えようとして矢先にコロナちゃんが襲いかかってきました。もう落ち着いて欲しいですよねぇ。

「最近事業どう?」って聞かれることも多いので、まとめておくと数字だけ並べれば、会社的にはざっくり売上70%減。決算したらベンツ1台分くらいの赤字みたいな感じでした。お店はどうかといえば、山梨は(全国どこも?)入店制限しなければならないので、たとえ満席になったとしてもずっと売上30%減で営業。まあやってるだけマシと言われますが、やらずに協力金もらっている方がずっとマシです笑。まあ生きてるだけよしという感じかと。

ただ困ったことに、ずっとお客さんが来るかどうかわからない時が続いたので、人員増やせずオレと学生のバイト一人みたいなシフトでこの2年乗り切ってきました。
「飲食店は協力金1000万くらいもらえていいよね」とまわりから言われることもあったけれど、それは東京や大阪といったお金のある都市部の話ですよって説明も何度もしたなあ。山梨は(どの県も)そんなお金ないし「ルール決めたから、あとは頑張って営業して自己責任で生き残れ」ということで、みんな個人で借金してなんとかつないでいくしかなかったと思います。まあ都市部以外はどこも同じような感じかと。しかしお金借りたなあ。人生この金返して終わりかなあ笑。

本当に初心に戻るとは思わなかった

強制的に撤退戦をすることとなり、3店舗あったお店は1店舗に。30人近くいたスタッフはみな去り、創業当初より少ないオレたち夫婦のみになりました。ちなみに母ちゃんと妹加えた4人ではじめたからフォーハーツね笑。
結果、20年経って古くなった本店と、大きな借金を抱えた歳をとった自分だけが残りました。

「初心に戻った気分で」とよくいうが、本当に初心に戻るとは思わなかった笑。ここから大成功すると映画みたいな展開なんだけれど、現実はそんなに甘くない。「七難八苦を我に与えたまえ」と山中鹿肋幸盛(有名な武将ね)みたいにお家再興のために祈ってないのに、嫌なことがてんこ盛りできた2年でした。ついでに言うと大木家再興というか隆盛した時期がない笑。山梨に豪商大木家があって、よくそこのご子息と間違われるが、そんな高貴な人ならこんなに現場で洗い物で手をかさかさにしながら働かないから笑。

バイトの学生たちに助けられて(ほんとありがとねみんな涙)、なんとかやってきたけれど、心身ともに疲れてる時に人手が足りなかったりして、ヘトヘトすぎてお客さんお待たせしたり、体力気力が追いつかず迷惑かけたりして、ネットに悪評書かれたり。ほんとろくなことがなかった。

こうして20周年、21周年となんとか終わったけれど、大変大変いうのはかっこ悪いんだけれど自分でもかわいそうなくらい本当に大変で笑、何事もうまくいかず、苦しくて、虚しくて、ままならなくて、お金だけが飛んでいく恐ろしい2年間でした。それなりに楽しんでやってましたけれど笑

記憶にございません笑

そんな中、2021年の春のうちから山梨県とJTBさんのMaaS(公共交通機関を、ITを用いて人々が効率よく、かつ便利に使えるようにするシステム)との協業を行うとなっていたワインツーリズム。3、4年以上前から宿願のMaaS!山梨で観光ベースに人口減少する地域に使えるモデルをつくってと思っていたMaaS!よくぞ山梨県やってくれた!と盛り上がっていたんだけれど、コロナによって9月の上旬に中止と決まりました。

2021年は春のワインツーリズムもやったし、中止じゃ寂しいので規模の小さいのを塩山・牧丘あたりで実施しようかと動き出していたら、コロナが急速におさまり、経済を動かそうということなのか9月30日になって「やっぱりMaaSやる」ということに。「えー!無理笑」がはじめの感想笑。

なんで無理かって、いつもなら半年くらいかけて準備するものを、10月の1ヶ月でワイナリーや地域を調整して、準備・手配して、実施まで行うという殺人的スケジュールでできると思う?って話で、正直メンバーみんなできないと思いました笑。だって他の仕事入れてちゃってるしね笑。しかも今回は過去にやったことのない11月の土日全てで開催。これは魅力的!なんだけれど時間があああ笑。とりあえずやらねばならぬと他の仕事は一旦停止して、開催のお知らせをして、申し込みを受けながら「内容どうなってんだ!」とお叱りを受けながら、無理やり帳尻合わせてなんとか実施しましたが、ワインツーリズムメンバー3名みな10月の記憶があまりないです笑

結果、しわ寄せも自分の事業にやってきます。1〜2ヶ月止めてしまっていた案件が超絶ショックの破談になったり、各所で進めていた案件が滞ってご迷惑かけたりと、お店運営のために1日8時間くらい費やし、さらにワインツーリズムの準備に加えて、既存の案件…。「こんなのオレ一人ではとてもできないだろー!」と叫んでも誰もいないので、20年やってきて組織一つも作れていない自分にガックリしました。

次世代に繋がる地域の未来を描けるチャンス


また15年くらい、地域の現場と向き合ってきたからこそ、たくさんのクレームも受けていて、結果改善しなければならない地域の課題もよーーーーーーーーくわかってます。その課題をただ改善するだけでなく「地域の人との協業とテクノロジーで課題を改善し、次世代に繋がる地域の未来を描けるチャンス」なのに、別に地域の未来に興味があるわけでもない大手のサービスに持っていかれたり、山梨県はじめワインツーリズムが関連しているような市の行政に説明に行ってもこちらの説明不足や信用が足りずに、ほとんど興味を持ってもらえないようなところもあったり。「これまで10年以上やってきたことはなんだったのか?実績というのは地域での実績ではなく、事業規模と知名度なのか?ならばこの20年山梨にいる意味があったのか?」という悲しい大人の現実と向き合う事となり、金も政治力も組織の力もなく、いい歳して無力な自分に腹が立ちました。誰か教えてよー無垢な青年が歳とっちまったじゃないの笑笑。

いい歳してすぐにやさぐれてしまう小さな人間です笑

こうして迎えたこの年末。これまで書いてきたように、これまで長年積み重ねてきたことがサンクコスト化して霧のように消えてしまっている状況への焦りや、なんだか無力な取り残され感から、心身ともにヘトヘトでやさぐれ(すねたり、ふてくされたりして投げやりになること笑)モードのオレは着々と事業を成長させて楽しそうな年末を送っているみなさんのSNSが眩しすぎてとても直視できず、地下の底から星を見上げて「早く人間らしくいきたいなあ神様」なんと嘆きたくなるような心境だったので笑笑、お店のSNSをやる時間も気力もなく、悲しみと無力さを抱え、それでも笑顔でひたすら現場での日々を過ごしてきました。「このあとどうしよう?」「人と比べてしまうなんてまだまだオレもダメだなあ」って考えながら笑。

そんなおり今年の最後の最後、12/30にちょっとだけお店を一人でやってみました。お休みだったんだけどね。最初から最後までちょっとやってみて、ふと気がついたのは、どうやらやっぱりオレは「人を楽しませること」が好きらしいということ。それならば「人を楽しませ、笑顔にすることをやって、そしてその楽しみによって地域にいい影響を与える」そんなことをしていきたいと思いました。っていうかずっとそれやってきたので改めてなんだけれど。20年以上やってきて今更なに?って感じでかなりお恥ずかしいけど、そういう会社にして仲間と働けるようにちゃんとしたいなあ笑。

最悪の2年間にはきっと何か意味がある

別にコロナ前に儲かりまくって調子に乗っていたわけでもなく、質朴に20年街と地域と現場に向き合って生きてきたオレに、この最悪の2年間が降りかかったことにはきっと何か意味があると信じてます。じゃないとやっていけないからね笑。こんなことを長々年末に書いたのも、嫌なことはパッパと忘れる性格でもあるし、いつまでも引きずりたくないのですべて吐き出し、頭と心を空にしようって思いましたのよ笑。

顔を上げ、視座を上げ、未来を見据えて、気力と体力の限り働く残りの数年を地域のために、そして一緒に苦労しているワインツーリズムの仲間とその家族の幸せのために、まだスタッフ少ないけれど共に働く仲間と何より自分のために。わがままに費やしていきたいと思います。

そういえば反撃に備えてスタッフ募集中です!
きっと面白くなります。これまでの経験上、面白くなってからでは人が集まりすぎて多分採用できなくなります笑。我こそはと言う人上記のような今のところどうしようもない会社のように見えますがどこも大なり小なりそんなもんです。力はつきます。ぜひ笑。

みなさん今年も大変お世話になりました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

2021/12/31
LOCALSTANDARD株式会社 / 一般社団法人ワインツーリズム
大木貴之

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