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どんぐり農場プロジェクト記録#1-お米生産のこだわりに迫る!-

LocalQuestのパートナーとして長年協力してくださっているどんぐり農場
・観光牧場だけでなく農家の顔もある◎
・LocalQuestのインターン生と共同で、お米を販売するプロジェクトに挑戦中◎
今回、そんなどんぐり農場が特に力を入れている「お米の生産」について取材させていただきました。当記事では、取材の中で発見した、どんぐり農場さんの生産のこだわりに迫ります!

どんぐり農場について

オーナーの真壁さんは建設業を本業とする傍ら、男鹿市船川にて観光牧場どんぐり農場を営んでいます。

10代の頃、ドライブがてら訪れた小岩井牧場に一目惚れし、「同じような牧場を男鹿で作りたい!」と思うように。それから約10年の時を経て理想的な土地を見つけ、どんぐり農場を作ることを決意しました。

土地の開拓や動物の購入などに一から着手。農場はポニー、羊、ヤギ、鶏、ウサギ、などたくさんの動物で賑わう場となり、餌やり体験やレンタルスペースなどを提供しています。開拓9年目の現在では農業も営んでいます。

どんぐり羊


お米生産へのこだわり

①男鹿三山の雪解け水を使用
どんぐり農場の目の前の風景にそびえ立っているのが、秋田県男鹿市を代表する男鹿三山。
この山から流れてくる川は、春の雪解け水や、長い年月をかけて山に浸透して水が集合してできた川と言われています。川の水はかつて飲用水として使われたほど透明で澄んでいるため、田んぼに入水するのにぴったりです。

②肥料と農薬は最小限
どんぐり農場のお米栽培は、農薬と肥料は極力抑えながら栽培しています。
肥料は、多く与えすぎると米のタンパク質が高くなり、食味に影響があると言われているので、与えるのは最初の一回のみに。農薬は、その年の、稲の健康状態、水田の雑草、害虫などを見極めて、必要最低限の量を使用しています。

③稲架にかけて自然乾燥
これがどんぐり農場で一番こだわっている作業です。次の章にて詳しく解説!

④人の目で選別
どんぐり農場では機械でお米を選別した後、更に人の目を通して選別を行っています。
機械では検知しきれない粒割れ米を取り除くことでお米の炊き上がりが均等に。また、斑点米(虫が栄養を吸った跡が黒く残っているお米)を取り除くことで栄養価や食感が高いお米のみを提供できます。

お米選別

はさかけ米とは

お米は収穫後、袋詰めの前に乾燥という工程があります。しかし、現代のお米作りは、ほとんどが機械によって乾燥を済ませています。
機械を使うと作業効率は大幅に上がりますが、短時間で一気に乾燥させるので、籾割れや砕米が出てしまいます。

一方、どんぐり農場で行われているのは「はさかけ」といった自然乾燥方法です。この作業では、鉄パイプを横にいくつも繋げて物干し竿のようにして、束ねた稲を一つ一つひっかけていきます。引っ掛けた後はおひさまの下で天日干し。お米栽培で最も人の労力・天候に左右される、手間のかかる工程ですが、機械乾燥のお米と味の違いは歴然です。

どんぐり農場 写真

はさかけして天日干しにしたお米は形が整っていて、ふっくら艶やか!
一粒一粒噛みしめたくなるような食感です。
また稲は刈り取り後、逆さまに吊るされているので、稲穂に残った旨味成分がゆっくり米粒に降り、吸収されていくので深い味わいお米になります。

どんぐり農場 お米

見合った価格で売れない?現代の農業の辛さ

このように手間暇かけて作られている美味しいお米。
どのように出荷され、いくらで販売されるのでしょうか?

大体のお米は収穫されたあと、集荷業者を通じて流通されます。
ここで指す集荷業者とは、農協(JA)のことです。
つまり、以下の手順で私達の食卓に届くことになります。

①農家さんがお米をJAに持ち込む
        ↓        
②JAにてお米の買取価格がつけられる
           ↓
③JAにて買取が完了。その後卸売業者・スーパーへとお米が販売され、
店頭に並ぶ

この流通体制から、現代の農業の苦悩が見て取れます。
それは、”買取価格が手間暇に見合わない”こと。

農協の買取価格の相場は1kg当たり約200円。
それに対してはさかけ米の本来の相場は、1kg当たり約700-1000円。
農協の買取指標は、はさかけであるかなど関係無し、見た目を重視したもの(粒揃いや着色の度合いなど)が多いのが現状です。
さらに、買取相場は、米の需要低下やコロナ禍の影響で下がり続ける傾向にあります。

よって、どんなにこだわっていても、はさかけがされていても、美味しいお米であったとしても、買取価格が上がることはありません。
そんな、”こだわるほど損をしてしまう” という実態が、どんぐり農場をはじめとした現代の農業にあります。

この状況を見かねて、
美味しいはさかけ米を見合った価格で届けるには?を考え、お米を売るプロジェクトが動いています。
次回はプロジェクトがどのように進行しているのかをお届けします!

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