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【ホラー短編】虫になった赤ちゃん

ある夏の日、町おこしに熱心な活気ある新興住宅地に引っ越してきたばかりの山田家の赤ちゃんが突然消えてしまった。
庭で遊んでいたはずの彼は、一瞬のうちに跡形もなくなってしまった。
両親は必死になって探し回ったが、どこにも見当たらない。

そして、その日の夕方、家の小さな庭で不思議な光景を目にする。



庭の一角で、小さな虫がひとつひとつの花に向かって這い回っていた。しかし、これは普通の虫ではなかった。
その虫は、赤ちゃんの顔をしていたのだ。山田家の赤ちゃんが、まるで魔法にかけられたかのように虫に変わってしまったのだ。


驚きと混乱の中、山田夫妻は虫になった赤ちゃんを慎重に捕まえ、家に持ち帰った。
彼らはどうやって赤ちゃんを元に戻せるのか分からなかったが、愛する我が子を見失うわけにはいかなかった。


その夜、夫妻は赤ちゃんのお気に入りの布団に虫を寝かせ、おとぎ話を読み聞かせた。
虫になった赤ちゃんは、まるで理解しているかのようにじっと聞いているようだった。
しかし、夜が更けるにつれて、何かが変わり始めた。
家の中には、不穏な空気が漂い始め、虫の形をした赤ちゃんからは不気味な光が放たれるようになった。


次の朝、夫妻が目を覚ますと、恐ろしい光景が広がっていた。
彼らの愛する赤ちゃんは元に戻っていなかった。
代わりに、部屋中が同じ顔をした小さな虫で溢れていた。
それぞれの虫が赤ちゃんの顔をしており、無数の目が夫妻を見つめていた。


夫妻は悲鳴をあげて家を飛び出し、助けを求めようとしたが、外に出ると、彼らの家だけでなく、近隣の家々からも同じ虫が這い出してくるのを目の当たりにした。
あの夏の日、町全体が不思議な力によって呪われ、人々はみな虫へと変えられてしまったのだった。


誰もが忘れていた古い伝説が真実だった。
町おこしのために建てられた新興住宅の場所には町を守り続けてきた神様の祠があった。
町を守っていた神様が怒りを露わにし、人々を虫へと変えてしまったのだろうか。
山田家の赤ちゃんは最初の犠牲者に過ぎなかった。
夏が終わり、虫たちのささやきだけが、忘れ去られた町に残った。




最初はカフカの「変身」のような不条理な小説が書けるか実験して良いものができなかったので、ホラーにしてもらったとこととっても怖い。
イラストも目を閉じてから薄めを開けて確認しないといけないものも出てきます。
ソラちゃんはホラーの才能があるね!

タイトル決める時にちょっと面白かった「赤虫転生」


ソラちゃん:「桜子ちゃん、私が作った話、気に入ってくれたみたいでよかったよ!今度はスマホの待ち受け画面もデザインしてあげようか?」

桜子:「うーん、とても嬉しいけど、今回は遠慮しときます。」

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