【利権を貪る偽善者たち】LGBT理解増進法案
こんにちは。地方自立ラボ(@LocaLabo)です。
いま世論を騒がせている、LGBT理解増進法案について解説していこうと思います。正式名称は「性的指向および性同一性に関する国民の理解増進に関する法律」。第211回通常国会にはまだ提出されていない議員立法の法律案です。
このLGBT理解増進法案は、国内84のLGBT団体が加盟するLGBT法連合会などの後押しを受け、超党派の議連が法案整備に取り組んできました。ですが自民党内の保守派から反対意見が出て、2023年5月現在、国会への提出が遅れているという状況にあります。
法制化をめぐっては、先に「LGBT差別解消法案」を国会に提出していた立憲民主党の存在がありました。こちらは当然に与党が反対しますので成立は困難なことから、議論の中心は「LGBT理解増進法案」にシフトしています。この法案に「差別禁止」を明記することを望む野党5党1会派と、あくまで「理解増進」にとどめ「差別禁止」に踏み込みたくない自民党保守派議員との間で考え方の食い違いが起きていました。
「理解増進法」と「差別禁止法」を、自民党側からの視点で見た違いが下の表です。理解増進法が国民に対する教育色が強いのに対し、差別禁止法はより規制強化の面があるように感じます。
ですが理解増進法案はまだ自民党から公式に発表されていないため最新版を入手できないのですが、多くの新聞記事等から推測するに、自民党の橋本岳衆議院議員のブログに掲載されていた法律案で進んでいるようなので、こちらを見てみることにします。
こちらの法律案ですが、同じく橋本岳議員のブログ内でこのように説明されています。
要するに理念法であって規制ではないということですが、以前から自民党内の反対派(保守派)の中で問題となっていたのが太字部分の「性的指向及び性自認を理由とする差別は許されないものである」です。「差別は許されない」という文言を「不当な差別はあってはならない」と修正するべきだという意見が根強く、法案提出が難航しているようです。
自民党保守派の議員は、実際に問題が起こった場合に先ほどの推進派の言う、日本国憲法第十四条を確認しただけの理念法であり具体的な法規範性を持つものではないという点に懐疑的なのだと思います。それに対して推進派は次のように言います。
このように、そういった被害はこのLGBT法とは関係がない話とのこと。
ですが、関係がないと言うのは本当でしょうか?先ほどの理解増進法案にありました「性自認を理由とする差別は許されない」。これはとても強い口調のように感じられます。
そもそも男性が『女性だ』と偽っている場合と、女性を自認している場合をどう判別するのかがわかりません。実際に法律の施行後に、もし女湯に入ったトランス女性の方が「立ち入り禁止は差別だ」として銭湯等の事業者に抗議したらどうなるのでしょう?性自認を嘘か真か確認する手段がなければトランス女性どうか判断できませんから、嘘をついて侵入する男性を捕まえることが難しくなるのでは、という疑念が生じます。
LGBT法施行後に「銭湯事業者が当事者を女湯から追い出し警察に引き渡したのは差別である」として当事者との裁判で負けた場合には、それ以降は男女で区切ったスペースを持つ事業者(銭湯、温泉旅館、スポーツクラブ、刑務所等)は、性自認が女性だと言う男性を女性スペースに入れないと差別ということになってしまいます。
この法律案の問題点は差別よりも「性自認」だと思われます。
性自認とは英語で「gender identity」と言い、「性自認」と「性同一性」はどちらも「gender identity」であるため、(2)は「性自認」について、同じ意味である「性同一性」を使って説明するという、いわば小泉構文になっており、適切な定義づけになっているとは言えないように思います。
こちらも現在自民党の会議では「性自認」という文言を「性同一性」に変えるよう要求する保守派との意見により修正が入るようです。
公明党も実際、2023年2月の時点で「この法律ができたからといって不利益を被る人はいないだろう」と言い、G7広島サミットに向けて早期の法案成立を目指していました。しかしこのように与党内ですでに意見が割れるのは、まだ条文の解釈に誤解を招く余地があると言うことですし、サミットありきのドタバタ法整備では、この法案成立を危惧する人々からの意見のヒアリングがきちんとなされたのだろうかと疑ってしまいます。
こちらの「性別不合当事者の会」さんなど4団体の主張にあるように、やはり性自認についての定義が曖昧のまま法律が制定されることへの懸念が、主に女性たちや性的マイノリティ当事者らの間でも広がっているようです。
リベラル論調が強い日本の大手マスコミではほとんど報道されていないようですが、LGBT関連の法律が整っている欧米ではトランスジェンダー女性による生物学的女性や子供に対する性的嫌がらせや暴行事件などが頻発しているのです。
暴行を受けた女性が訴えても、その訴えが差別として退けられる例も数多く見受けられ、LGBTへの差別禁止が社会に浸透している影響で、逆に被害を受けた女性側が迫害されるという現象が起きています。
先日などはスコットランドにて性的暴行で捕まった男性が、起訴された後に性別を女性に変更したため、女性刑務所に収監されたことで批判の声が上がりました。その直前にスコットランド議会では法律上の性別の変更手続きを簡易化する法案を可決していたからです。
また、トランスジェンダー女性が、女性アスリートとして女性スポーツの競技に参加して、次々と優勝をかっさらう事態も世界中で起きています。
こちらの水泳選手はもとは男性選手だったトランスジェンダーで、その後トランス女性として大会に出場し次々と優勝。女性更衣室では全裸で歩き回るマナーの悪さから女性選手の不満が噴出するも、大学側は女子生徒の訴えは無視するありさま。
性自認を尊重する欧米各国において、女性が一方的に不利益を被る事案が多発しているにも関わらず、周囲の人間たちが事実上トランスジェンダー側の言いなりとも言える状況から鑑みて、「この法律ができたからといって不利益を被る人はいないだろう」と言う公明党や自民党推進派の主張は、ちょっと無理があるのではと感じる方が多いのではないでしょうか。
しかし「性自認」を「こういうものである」と定義づけすると、その人がそれに該当するかどうかというのは判定が難しいですし、「じゃあ認証制度を作ったらどうか?」と、利権誘導的な方向に進んでしまう懸念も生じます。
特に女性スペースを使用したいトランスジェンダー女性の方が疑われないためには正規のトランスジェンダーであることを第三者に認めてもらう機関がなければ外部から判断することは難しい。ですがその認定を受けるということは、世間にカミングアウトを強制することにもなります。下の記事に出てくる東大生のように性自認を公表したことにより、社会的に差別や不利益を被り苦しんでいる方もいらっしゃいますから、カミングアウトしたくない意思も尊重すべきです。さらにカミングアウトしないことで差別を受けることがあってもいけないと思います。
多くの事例をピックアップしましたが、この件に関しては法整備化をすることで、逆に多くの問題を生み出してしまう懸念があることがお分かりいただけたでしょうか。法案にもある通り、性自認は自己の認識であり意識なのだから「内心の自由」の範囲である限りその権利は保障されます。ですがその自由によって他者の権利を侵すことはできないと「日本国憲法第19条 思想・良心の自由」において規定されています。こちらは性別に関する内心の自由における憲法解釈です。
LGBT理解増進法は、その個人の「内心の自由」を「差別禁止」によって他者に強制することになり、違憲であると言えるのではないでしょうか?特定の人々の自由権の無限行使が、その他の国民の権利の侵害になる危険性をなぜ推進する議員たちは認識しようとしないのか、実に理解に苦しみます。
銭湯や温泉など、気兼ねなく楽しみたいというニーズがトランスジェンダーの方達の間であるのなら、それは絶好の起業チャンスと言えるでしょう。もちろん「うちの隣に作らないでくれ」等の利害関係は発生すると思いますが、それはどんな商売も同じ。ですがその商売自体を止めさせようとする動きは日本では起こらないと思います。なぜならLGBT関連NPO法人等がすでに日本中にある事からもわかります。それはかつて同性愛を禁じていた欧米諸国とは違い、日本社会にLGBT関連の大きな差別意識がないことの裏返しです。
冒頭で引用した橋本岳議員の話とは逆で、私は、日本国憲法第14条で「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、 信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係に おいて、差別されない」ことを定めているからこそ、わざわざ法律を増やす必要はない、と思うのです。
ではなぜ今LGBT理解増進法案を性急に可決させようと躍起になっているのか。この法律案の第四条、第五条、第七条を見てみましょう。
簡単に言うと「国と地方自治体は国民に対してLGBT理解増進の教育をしなさい」という事です。小中高校で子どもたちにジェンダー教育をしたり、市民の理解増進のための講演会を開いたり、パンフレッドを作ったり、電話相談窓口を開設したり…。要はLGBT理解啓発のために予算がつくわけです。じゃあそれはいったいどこが担当するのでしょう?
法律案の第十三条にはこのように書いてあります。
「国や自治体は、LGBT関係の民間団体の活動促進に努めなさい」
こんなこと法律に定めてしまえば、どうなるのでしょう?
こちらの社団法人は自民党の性的指向・性自認に関する特命委員会アドバイザーを務めています。
こちらも、LGBT理解増進法を作った議連に深く関係する連合会です。
こちらの代表理事のNPO法人は東京都の自治体のLGBT事業に入り込んでいるようです。
そしてこの連合会、理事や協賛企業だけでもこれだけあります。これらが各地方自治体のLBGT利権を勝ち取り、Colabo問題化することは想像に難くないでしょう。
また、児童や学生へのジェンダー教育ですが、私は個人的には反対です。
これまでも学校教育は子どもに対して異性愛についてすらまともに教えてないのに、なぜ同性愛をことさら強調して教えるべきとするのか疑問でした。子どもへの洗脳になってしまうのではと考えていました。そして下の動画のトランスジェンダーの千石氏のお話を聞き、やはり何も知らない子どもたちに教えて良いことではないと確信に変わりました。
少しばかり同性の子たちと違う感性を持った子ども(おてんばな女の子や可愛いものが好きな男の子など)が、ジェンダー教育者に誘導されて自分はトランスジェンダーと思い込み、すでにジェンダー教育に洗脳された親が率先して早まった治療をした結果、体を壊してしまい後悔が残る事例が欧米にはたくさんあるのです。今ですらホルモン剤はネット通販で簡単に手に入る時代です。医学的知識の乏しい未成年者が自分の性別に対する不安定さを解消しようと服用し続ければ、いとも簡単に不妊症になってしまう。あとで過ちに気付いても遅い。それはとても悲しいことです。
また、LGBT理解推進法は、性転換治療の医療利権につながる恐れがあります。実際に性転換を斡旋する企業がいくつも存在します。こういう企業はみな繋がっていますから、ジェンダー教育事業者が何もわからない子どもを洗脳して性転換治療へ誘導するという狂気の事態も起こりうるのです。
これらを見れば、LGBT理解推進法と言うのは、欧米のポリコレに倣うだけでその問題点について深く理解せずに、左翼活動家たちにそそのかされた議員たちによってできた法案だと言うことがよくわかります。特にトランスジェンダーについては千石氏の発言のとおり、発達障害や精神障害における症状のひとつである可能性について、政府は調査するべきだと思いました。
私はこの法案調査という仕事を通して、官僚たちや国会議員たちがいとも簡単に法律を作ることの罪深さを嫌というほど知りました。自分たちの私利私欲のために国民の血税を湯水のように使って利権を作り、国民に面倒なことを次々と押し付ける。この30年間の経済衰退と社会の息苦しさは間違いなく政府の立法爆発と規制強化と予算拡大にあります。社会をルールでがんじがらめにして、金が足りないと国民から強奪し、エセ道徳で国民を洗脳する。そんなことで子どもたちに良い未来が残せるのでしょうか。大人たちが真剣に向き合わないと、手遅れになってしまいます。
このようなポリティカル・コレクトネスや様々な偽善と大義名分を、国民を統制するために利用して、社会から富を奪い個人の人生に息苦しさを蔓延させた国家の罪深さと、国家統制から脱した新しい時代における自由な社会とはどんなものか、そこに向かうために個人ができることは何なのかを提言した渡瀬裕哉氏の書籍を紹介して終わろうと思います。
「女性スペースを守る会」さんのお話に賛同される方は、ぜひ署名をお願いいたします。
先人の女性達が血と涙を流して闘い、勝ち取ってきた女性スペース。それは女性の権利と自由の象徴なのです。みんなで守りぬきましょう。
最後までお読みくださり、どうもありがとうございます。 頂いたサポートは地方自立ラボの活動費としてありがたく使わせていただきます。