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イノベーションのカギは旅にあり。0から1を生み出し実行していくためには?

7月29日に開催した「能登ローカルシフトアカデミー」オンラインプレ講座第2弾。コロナウイルスの影響によりリモートワークが普及して、働く場所を問わずプライベートも充実できる「ワーケーション」に注目が集まっています。自由に出かけることが難しくなった今だからこそ、改めて「旅」について見直すいい機会。今すぐにでも旅に出たくてウズウズするような回になりました。

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■開催:2021年7月29日(木)19:30~21:00 オンライン開催
■対談テーマ:地域×ワーケーションの未来と可能性、旅と学びの協議会大下氏と対談〜能登ローカルシフトアカデミー説明会〜
■オンライン動画URLコチラ
■ゲスト講師 ※敬称略
大下眞央(ANAホールディングス デジタル・デザイン・ラボ /旅と学びの協議会
■登壇者
灰谷貴光 (能登町役場職員)
山本秀明 (能登町役場職員)
■モデレーター
稲田佑太朗(能登ローカルシフトアカデミープロデューサー/一般社団法人こゆ地域教育研究所(こゆラボ)代表)

□ゲスト紹介

大下さん

大下眞央(オオシモ マオ)
ANAホールディングス デジタル・デザイン・ラボ/旅と学びの協議会
2014年に羽田空港国際線のグランドスタッフとして、4年間旅客サービス業務や新入社員教育業務などに従事。瞬間移動体験が可能な遠隔操作ロボットAVATARプロジェクトへ参画後、社内公募でANHD新規事業企画の部署へ異動。経済産業省Next Innovator始動2018に4期に選抜。高校生が地域を旅して学ぶ実践型教育プログラム「イノ旅」や、旅の効用を科学的に検証することを目指す「旅と学びの協議会」を立ち上げ、地域・学校・教育事業者・有識者など様々なセクターの方と連携し、『人の可能性を最大限に引き出すサービスや仕組みを作る』をモットーとして活動している。

旅した分だけ成長できる
自分の五感で感じることの大切さ

まだ訪れたことのない場所へ行き、その土地の文化や自然、人、食などに触れることのできる旅は、今までの自分の考え方を見直したり、新しい何かを見つけたりできる貴重な体験です。
そんな旅に大きな可能性を見い出し、科学的に旅の効果を検証するためにスタートしたのが「旅と学びの協議会」。
さまざまなプロジェクトを企画し、旅をすることでどういう学びが得られるのかを科学的に検証してデータ化。それを次世代の教育プログラムの一環として活用していくことを目的としています。

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大下:コロナ禍ということもあり、これからますます先の見えない時代になってくる。協議会では、旅を通して、主体性、課題や解決策を自分で考え見つける力、想像力、多様な価値観の受容といった、この先の時代を生き抜くためのスキルが身につきやすいのではと考えています。

こゆラボ(宮崎県新富町、代表:稲田佑太朗)と能登町も参加している同協議会には、航空や鉄道、観光、通信、学校教育機関、地方自治体など幅広い業界から50団体以上が参加。それぞれが自発的に動き出し、現在16以上のプロジェクトが進行中しています。

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以前、東京大学が行っていた学生向けのイノベーション教育プログラムに関わった大下さん。その時参加していた学生たちが、地域の現状について実際にその場に行って話を聞いたり目にしたりするうちに目の色が変わっていくのを見て、「人はリアルで体験するとこんなに変わるんだ」と衝撃を受けたそう。そこから、持続的にこういった機会を作りたくて、イノ旅や同協議会を立ち上げたといいます。

信念を持って続けていれば
ワクワクはきっと伝わる

今年で2年目を迎える同協議会。ここまでやってきた感想を稲田が大下さんに尋ねます。

大下:思っていたよりも進んでいるなという感覚はあります。立ち上げたのがコロナ真っ盛りだったので、そんなときに「旅と学び」なんて受け入れられるのかなという不安がありましたが、蓋を開ければ共感してくれる人も多く、みなさんが自主的に動いてくださるおかげで今があると思います。私1人だとここまでいろんなプロジェクトは動かせなかったので。

灰谷:0から1を生み出す『創出』の段階は本当に難しい。それでも、こうしていろんなプロジェクトが動き出しているのは、大下さんの熱意あってこそだと思います。

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大下:最初は社内でもあまり応援されていなかったんですよ。全員に理解されなくても、数人が共感してくれればいいと思いながら進めてきました。そのうち、外部からの評価をいただくようになってきて次第に社内での評価も増えていきました。周りがどうであれ、やりたいことがあれば突き進むことが大切なんじゃないでしょうか。ローカルシフトアカデミーの根底にあるように、自分がワクワクすることを追求するのが一番なのかなと。

灰谷:僕も地方創生をはじめた頃は1人でやっている感覚でした。役場内の他の職員からは、「あいつ何やってるんだ?」って思われてるんだろうなぁと勝手に感じたりして(笑)。そんなときに国から賞をいただく機会があり、それが看板になったおかげか、「何か面白いことがはじまるかも」と周りにワクワクが伝播して仲間が増えていく感覚がありました。

地域の強みを活かした
特色あるワーケーションプランを創出


ここで話題は、今回のテーマにもあるワーケーションへ。能登町が考えるワーケーションについて灰谷さんが答えます。

灰谷:せっかく能登に来てくれるからには、一緒に何かを作っていきたい。能登町に来た人と町民が出会って、何か生まれるような場所が作っていけたらと。

能登の里山・里海といった自然との触れ合いはもちろん、能登町民のアイデンティティにもなっている祭りワーケーションのツールとして活用できるのではといいます。

灰谷:能登町には集落ごとに多彩な祭りがあり、暮らしの中でとっても大きなポイントになっています。そこに外部の方々が入って一緒に祭りを作っていければ、町民との交流も生まれて能登についても深く知ってもらえるのではと思っています。まずは一度祭りを見に来てもらうところから。そして徐々に地域の人たちとの信頼関係を築いていき、新たなワーケーションのプランを作っていけたらいいですね。

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大下:ワーケーションの定義ってとっても広くて人ぞれぞれ。がっつりイノベーションを起こすための企業家向けプログラムを受けたい人や、その地域の雰囲気を楽しむことがメインの人もいる。なので、自分に合ったワーケーションが選べるように、その地域の特色や内容がもっと見える化していくといいですよね。


共に進む仲間がいたからやってこられた
信頼できる関係づくりを


周りから理解を得るのに苦労しながらも、ワクワクするビジョンを追い求めて新しいチャレンジを続けてきた大下さんと灰谷さん。これから新規事業をはじめようとする人たちへ向けてアドバイスを送ります。

灰谷:いっぱい失敗もしてきましたけど、振り返ってうまくいったときの要因を考えると、一緒に進んでくれる仲間や応援してくれる人がいる環境があったからかなと。この能登ローカルシフトアカデミーにおいて、私たちが最初の一歩を一緒に踏み出す仲間になれればと思います。

大下:同じ方向を向いて進んでくれる仲間は本当に大切ですね。信頼関係を築くためにも、一緒に仕事をして楽しいと思ってもらえる存在であるように常に心がけています。相手がどういう価値観を持っていて、今何を欲しているかを汲み取ったり、すごいなと思ったことはきちんと伝えるようにしています。そういうことを積み重ねていくと、自分がしんどくなったときに離れずにいてくれる人との繋がりができてくるのかなと。

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最後に、能登ローカルシフトアカデミーへの参加を検討する人たちに向けて大下さんから
成功するかしないかじゃなくてやるかやらないか。だったらやりましょう。やれば何かしら結果がついてきます」
と力強い言葉をいただき、今回のイベントは幕を閉じました。

8月26日より「能登ローカルシフトアカデミー」がスタート。3カ月間にわたり5回のオンライン講座と能登町で1泊2日のフィールドワークを行い、12月にはビジネスプラン発表会を開催予定。
各回の内容は随時こちらのnoteにて報告していきますので、どうぞお楽しみに!!

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