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申年の梅
申梅
先日、義母と一緒に明治神宮内にある明治神宮御苑へ行ったときに聞いた「申梅」と呼ばれる梅の話です。
義母の母、義祖母は毎年初夏になるといつも梅を漬けている人です。その義祖母曰く、「申年の梅を失敗すると不吉」なんだそうです。
しかし、申梅とはもともと縁起の良い食べ物だったはず。
申年に採れる梅は、昔「申梅(さるうめ)」と呼ばれ、縁起の良い食べ物とされてきました
平安時代、村上天皇が梅干しと昆布茶を飲んで病を治した歴史に由来します。
悪疫が流行したある申年の年に、当時の天皇だった第62代村上天皇が病に倒られた際に、梅干しと福茶(こんぶ茶)で病を治したという言い伝えが残っているのです。
申年(さるどし)の梅は、平安中期に村上天皇が病を梅干しと昆布茶で克服されたとされている申年以来、珍重され続けています。
村上天皇がこのとき食べた梅干が申年に漬け込みされた梅干だったということから、申年に梅干しを採る・漬ける、食べると「縁起が良く、健康で長生きできる」という風習が広く全国に伝わりました。
一体どうして「不吉」などという話が義母家に伝わったのでしょうか。
「申年の梅は病が去る、神が宿る梅、縁起が良い梅」と言われるくらい縁起の良い梅なのですが、「そんな縁起の良い梅を漬けて失敗するだなんて縁起悪い」ということなのでしょうか。
それ以来、梅を漬けて不吉になってしまうくらいならと、義祖母は申年に梅を漬けることを辞めてしまったようです。せっかくの申梅なのに、これでは本末転倒だなあと思った出来事でした。
丑年の今年、義祖母はまたせっせと梅干しを漬けていることでしょう。
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