見出し画像

有効求人倍率のミスマッチと都市計画

こんにちは!みっちー(@MichanUrban)です。

地方都市の田舎で役人をしております。

先日からnoteで自分の発信をはじめたばかりですが、この情報が誰かの生活に役立つことになれば幸いです。

ではでは、今回は地方都市ではどのような仕事が求められているのか。この事と都市計画について話していきたいと思います。



□ 地方では、事務職希望が圧倒的に多い

よく勘違いしている人が多いのですが、地方において最も有効求人倍率が低い職種ってなんだと思いますか??


正解は、『事務職』です。

こちらは、宮城県の求人・求職バランスシート(令和2年7月)です。
(  )書きは有効求職者数です。

❶専門的・技術的職業 2.51(3,527)
❷事務的職業     0.32(8,483)
❸販売の職業     1.42(2,178)
❹サービスの職業   2.44(3,106)
❺保安の職業     8.73(  199)
❻生産工程の職業   1.54(2,316)
❼輸送機械運転の職業 2.07(1,150)
❽建設・掘削の職業  5.44(  654)
❾運搬・清掃等の職業 0.85(3,154)

これみて誰もが思うはず。

事務的職業低い!!

・・・事務的職業とは、一般事務員、会計事務員、営業・販売関連事務員、その他事務員です。中でも一般事務員の有効求人倍率は、0.25です。

また、有効求職者数も事務的職業が最も多いです。

この数値を見れば、住民の多くがどの職種を求めているのかが分かります。はい、一般事務職ですね。つまり、企業や役所の中で一般事務員として働きたいと考えている人が最も多いのです。

理由として想定されるのは、こんな感じではないでしょうか。

・ホワイトカラーの職場で働きたい。
・専門スキルがないから一般事務員でしか働けない。

・子育てがあるのでフルタイムでは働けない。(事務職はパートタイムができそう)



□ 地方では真逆の施策を行なっている

先ほどの状況にも関わらず、地方都市で行われている施策といえば、いまだに工業団地を造成して、工場を誘致することではないでしょうか。

もちろん、工業勤務の中には事務的職業があるので、一定程度の求人ミスマッチ解消に貢献しているとは思います。

がしかし根本的な解決になっていません。


工業がある場所って都市のどのエリアですか?

郊外ですよね。


都市計画的にも、なるべく郊外や臨海部に配置します。

というのも、都市の中心エリアは住宅地や商業地として利用します。仮に中心部にに工業地域を配置してまうと居住環境が悪化する恐れがあるほか、高い容積率が求められる地域に低容積率の建築物が立地してしまうため合理性の欠くことから、なるベく配置しません。

つまり、公共交通でカバーされていない地域であったり、少なくとも居住地から車でも20・30分はかかる距離に工場が立地するかなと想定されます。


それ、そのような不便な地域に働きたいと思う人ってどのくらいいますかね?

どうしてもやりたい仕事なら別だとは思いますけど、例えば、子育て世代の方なら、子どもを預けている市街地に近い方で仕事をしたいと考えますよね。

にも関わらず、いまだに工場誘致の投資が優先されているように思います。地方都市交通を複雑化させ、公共交通を貧弱にする可能性が高い工場誘致施策に力を入れすぎていると思います。(たぶんですけど、施策としてやりやすいのでしょうね)

□ 都市計画でアプローチできること

シルエット

有効求人倍率から想定されるように、地方都市の市街地に求められているものは、

・事務職が働くホワイトカラー企業が立地したくなる環境整備
・ホワイトカラー企業で働く人が利用する施設(子育て系施設や健康・医療系など)の誘導
市街地での起業支援

上記の3ポイントの誘導に投資することが大切だと思います。

都市計画としては、都市計画マスタープランにおいて市街地に集中投資する旨を記載した上で、立地適正化計画の誘導施設としてホワイトカラー系企業を明示(市町村独自に設定)する。

その上で、

・誘導施策として誘導施策の容積率の緩和をはじめとする規制緩和
・誘導施設の整備に必要な補助金の交付
・スタートアップ起業支援補助金の交付

上記を制度化した上で、市街地での立地検討から事業スタートまで総合的にフォローする体制を構築した市街地の再構築プログラム支援を事業化してみるのがいいのかなと思っています。

わたしのところでもこの必要性を訴えましたが、理解してもらうことができず、一部しかできていません(泣)


ということで以上です。これが2本目の記事となります。参考になれば幸いです。


お気持ちありがとうございます♪いただいたサポートは記事購入・書籍購入費にあてさせていただきます。