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ご当地小説・エッセイ投稿サイトのユーザー獲得戦略

WEB小説投稿サイトには、作者と読者というそれぞれモチベーションの異なる2種類のユーザーがいます。

作者は常に誰かに読んでほしいと願っているので、作品掲載のチャンスに対しては比較的ポジティブな人が多いという印象があります。このため、周知さえできれば、自然と作品は集まるというのが小説投稿サイトの特性です。ただし、運営が個人の場合は広告宣伝費にお金をかけられないので、企業に比べてかなり不利と言え、作品を集められずに失敗する個人開発者発のサイトは多いです。

この不利を跳ね返す方法としては、 SNSが最も手軽かつ金銭的な投資を必要としない選択肢だろうと思います。

今私がまさにしているように、noteやSNSにて開発と並行で情報発信を行うのは、リリースまでの間に少しでも多くの作者さんに周知しておきたいからですし、何ならリリースの折には拡散してほしいと願っているからです。作者は横の繋がりが非常に強いので、拡散力はかなりのものです。以前、オノログというWEB小説のレビューサイトが、リリースの前後で創作界隈で広まり、その結果2週間で10万PVを達成しましたが、これもその作者の拡散力が原動力だったと考えています。

また、ちょうどこの記事を書いているタイミングで、創作界隈向けの個人サイト登録型検索サービスLONYがリリース告知でいきなりバズっていましたが、これもおそらく創作界隈の拡散力あってこそだと確信しています。

このため、面白いコンセプトのサービスであれば、作者の皆さんへの訴求は、そこまで不安視しなくて良いだろうと予想しており、ロケブンならこの点はクリアできるとも考えています。

問題は読者です。作者の何割かは読者としても素晴らしい振る舞いをなさいますので、おそらくリリース初期はそれである程度まかなえるだろうと楽観視しています。

しかしサービスが右肩上がりに成長するためには、それではいずれ物足りなくなるだろうと予想しています。そうすると作者さんの方にも失望が広がりますので、サービスは突然失速します。それは避けたいと思うものの、読者をターゲットにしたSNSでの訴求はとても難しいという現実があります。いえ、正確にはWEB小説を読んでくれる読者への訴求が難しいのです。

といいますのも、WEB小説を読むためだけにアカウントを開設するような人というのがそもそも希少種であり、そのような有様なので読者同士のつながりはあったとしても局所的になってしまいます。そうすると、 SNSでの拡散力は期待できなくなり、対読者においては非常に効果が限定的なものになるのです。

これが紙の本の読者であれば、「読書垢」として多くが市民権を持っていて、数千、数万のフォロワーを獲得されている方も多数いらっしゃる状況です。しかしどうもWEB小説の読了報告をされている様子は見かけないのです。従いまして、「WEB小説を読んでくれる読者への訴求が難しい」と、私は結論づけています。

そこで読者に関しては 、SNSとは別のアプローチが必要と判断し、SEO(検索エンジン最適化)を読者獲得の中心に据えることにしました。

しかし、過去の歴史において、小説投稿サイトはこのSEOとの相性は最悪だったと言えます。これはなぜかといえば、まずWEBで小説を読むことを前提に、漠然としたキーワードで作品を探すこと自体がおそらく稀だからです。

ある程度キーワードとしてボリュームがあるのは、既知のサイト、特に「なろう」と何かのワードを組み合わせた検索であったり、あるいはアニメやコミックで注目された原作の続きを読むべく、そのタイトル名で探すパターンです。これはsimilarwebというところで、既存の小説投稿サイトのSEO流入時の上位ワードを調べた結果に基づきます。

つまりSEOを前提にするなら、先にサイト、またはそのサイトに掲載されている作品の知名度を上げる必要があり、サイトを知らない人に認知してもらう目的でSEO経由で集客をかけることはほぼ無理という状況なのです。

じゃあロケブンもダメじゃないのか?となるわけですが、ロケブンはそもそも、WEB小説やコミックを読む人は、SEOでの集客ターゲットにしていません。そういう方々は、既存のサイトで十分楽しめるはずですから、個人が運営する小規模の投稿サイトは目に入らないでしょう。

ここで、ロケブンのコンセプトである地域性を活かすことになります。すなわち、地域のキーワードと何かのワードを狙おうということです。

例えば、京都に行きたい時。人は「京都 旅行」とか「京都 オススメ」とか「京都 グルメ」で検索するはずです。ロケブンはそういったユーザーに対してアプローチをかけることが可能だと考えています。もちろん彼らは本を読むために検索をかけているわけではありません。しかし一方で、自分が関心のある地域の情報には貪欲であろうとも予想しています。そうすると、京都を舞台にした小説、京都にちなんだグルメや旅のエッセイが読めるとなれば、彼らは関心を持つかもしれない、と考えられます。

もしこの仮説がある程度的を射ているのであれば、ロケブンは作者の方々が作品を投稿すれば、自然と新規の読者が集まる好循環を生み出せることになります。

以上が、私の考えるユーザーの獲得戦略です。

もちろんこれはあくまで最良のシナリオですから、現実は「地域ワードは他の旅行系のサイトやグルメサイトには到底勝てず、全くユーザーボリュームに寄与しませんでした」ということもあり得ます。

しかし、こればっかりはやってみないと分かりません。実際個人のサイトが、特定ワードで大手サイトを凌駕するケースも少なからずあるわけで、非現実的とまでは言えないのです。

ですから、もしこの戦略にはある程度の説得力があると思っていただけたなら、ぜひロケブンの公式Twitterアカウントをフォローし、応援していただきたいです。

今後ともどうぞよろしくお願いします!

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