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スピッツとの出会いと「ロビンソン」のはなし


僕が最初にスピッツというバンドに触れたのは、中学校に入学する少し前くらいのことだったろうか。

当時プレイしていたPSPの太鼓の達人のソフトに「ロビンソン」が収録されていたのだ。それは原曲ではなく、誰か他の人によるカバーであった。そのうえ曲は一番まででカットされていて、サビが終わったタイミングでフェードアウトしてしまう。だが、それでも僕はその曲に強く惹かれた。

不気味な存在感を放つ「ロビンソン」という曲名。どこか切なく、別世界を連想させられるようなイントロ。一つ一つの単語の意味はわかるが、通しで聴くとどこか掴みきれない、不思議な歌詞。気がつけば、僕はすっかりその曲の虜になり、「新しい季節は…」と口ずさむようになっていた。

で、口ずさんでいるのを聞いた母が、「スピッツ知ってるんや」みたいな感じで、何枚か持っていたスピッツのアルバムを貸してくれたのだ。
僕はこのタイミングで「スピッツ」というバンドを知り、聴き始めることになった。

初めてスピッツの「ロビンソン」を聴いた時の衝撃は計り知れないものだった。カバーされたものでも十分良かったが、原曲の持つ魅力はそれの比ではなかった。

ボーカルの声質が曲の雰囲気に完璧に合っていて震えた。初めて聞いたはずなのに、どこか懐かしさまで感じさせるような、昔からこの曲をずっと聴いていたような、そんな思いがした。「ルララ 宇宙の風に乗る…」と、幻のように消えていく感じがする、そんな終わり方がたまらなく好きになった。不思議な歌詞が描き出す世界観に心をとらわれてしまった。自分でも数えきれないほど、この曲をリピートし続けた。

この曲をきっかけにして他の曲も聴き漁り、そのおかげで僕はすっかりスピッツというバンドの虜になった。そのため、ロビンソンは個人的にすごーく思い入れのある曲なのだ。

おわり。






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