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漸く明らかになった「家賃支援給付金」の申請要領。しかし、課題山積です。

 7月7日七夕。牽牛と織姫の逢瀬のごとく、多くの方々が永らく待ち望んでいた家賃支援給付金の申請要領が公表されました。
〇家賃支援給付金に関するお知らせ(経済産業省

 家賃支援給付金は、新型コロナウイルス感染症によって売上の減少に直面する事業者の事業の継続を支えるため、地代・家賃の負担を軽減することを目的として、賃借人である事業者に対して給付金を給付するものです。

 給付の対象は、資本金 10 億円未満の中堅企業、中小企業、小規模事業者や、医療法人農業法人NPO 法人社会福祉法人など、会社以外の法人や、フリーランスを含む個人事業者も幅広く対象とされています。
 ただし、すでに家賃支援給付金の給付を受けている方は、再度、家賃支援給付金の申請をすることができません
 また、以下のいずれかにあてはまる方も給付の対象外です。
①国、法人税法別表第一に規定する公共法人
②風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に規定する性風俗関連特殊営業、当該営業に係る接客業務受託営業を行う事業者
政治団体
宗教上の組織もしくは団体
⑤上記①~④に掲げる者のほか、給付金の趣旨・目的に照らして適当でないと中小企業庁長官が判断する事業者
 なお、以下のいずれかにあてはまる契約は、賃貸借契約であっても給付の根拠とならない契約のため、これらの地代・家賃は対象になりません。
転貸(又貸し)を目的とした取引。ただし、転貸せずに自らが使用・収益している部分については、本給付金の対象となります。
②賃貸借契約の賃貸人と賃借人が実質的に同じ人物の取引(自己取引)。例えば、賃貸人が賃借人の代表取締役である場合や、賃貸人が賃借人の議決権の過半数を有している場合など、会社法に規定する親会社等・子会社等の関係にある場合が該当します。
賃貸借契約の賃貸人と賃借人が配偶者または一親等以内の取引(親族間取引)。例えば、賃貸人と賃借人が夫婦や親子である場合などが含まれます。

 給付額は、法人は600万円個人事業者は300万円を上限として、申請日の直前 1 か月以内に支払った賃料をもとに算定された金額が給付されます。

 申請方法は『持続化給付金』同様、パソコンやスマートフォンで家賃支援給付金ホームページにアクセスをして、WEB上で申請手続を行うことになります。WEB上での申請手続が困難な方には、補助員が入力のサポートを行う申請サポート会場が順次開設されるとのことです。

 家賃支援給付金ホームページの開設申請の受付開始は、2020年7月14日の予定です。

 今回公表された申請要領では家賃支援給付金給付対象外とされる事業者や契約が広く設けられており、問題があると言わざるを得ません。
 性風俗関連特殊営業政治団体宗教上の組織・団体等を給付対象事業者から除外することが適当なのかという問題がひとつ。
 自己取引親族間取引給付対象契約から除外することも、形式的に見れば妥当性を有するように見えますが、第一義的には地代・家賃の負担を軽減することによって賃借人である事業者を支援すると同時に、賃借人の向こうにいる賃貸人を支援しているのだという家賃支援の重畳性を考えると、疑問が残ります。
 家賃支援給付金給付金額の増額も含めて、給付対象外とされる事業者や契約の見直し・拡大を強く求めたいですね。

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