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 「道路を歩いているときに、近くにいる人が突然倒れたらどうする?」
 そんなシチュエーションが話題になったことがあります。
 新型コロナウイルス感染症の流行下、倒れた人を助けたいけれど、その方が感染者だったらどうしよう?
 そんな心配から出た話でした。

 厚生労働省では、新型コロナウイルス感染症の流行を受けて、市民がどう救急蘇生法を施すかに関する指針を公表しています。
cf. 新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた市民による救急蘇生法について(指針)(厚生労働省)

 基本的な考え方として、次の3点があげられています。

○ 胸骨圧迫のみの場合を含め心肺蘇生はエアロゾル(ウイルスなどを含む微粒子が浮遊した空気)を発生させる可能性があるため、新型コロナウイルス感染症が流行している状況においては、すべての心停止傷病者に感染の疑いがあるものとして対応する。
○ 成人の心停止に対しては、人工呼吸を行わずに胸骨圧迫と AED による電気ショックを実施する。
○ 子どもの心停止に対しては、講習を受けて人工呼吸の技術を身につけていて、人工呼吸を行う意思がある場合には、人工呼吸も実施する。

※子どもの心停止は、窒息や溺水など呼吸障害を原因とすることが多く、人工呼吸の必要性が比較的高い。

 ポイントは、成人に人工呼吸は行わないこと、心臓マッサージを行う時には傷病者の鼻と口にハンカチ等をかぶせること。
 救急隊到着後には、速やかに石鹸と流水で手と顔を十分に洗い傷病者の鼻と口にかぶせたハンカチ等は、直接触れないようにして廃棄するのが望ましいとしています。

 新型コロナウイルス感染症の流行により、さまざまなことが変容を求められています。
 救急蘇生法もその一つ。
 もちろん、使わざるを得ない状況にならないことが一番良いのですがね。

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