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「本家しぶそば」に思う。システム化とは単にICTで業務を置き換えることではなく、業務プロセスを見直して整理し、合理化すること。

 新型コロナウイルス感染症の直接的な影響ではなく、渋谷駅の再開発事業にともなうものですが、渋谷駅の「本家しぶそば」が閉店しました。
 私はこのお店の『明日葉せいろ』が大好きでした。同じ「本家しぶそば」でも他のお店では提供していないメニューでしたので、残念でなりません。
cf. 超速ピンポイント提供の渋谷駅そば「本家しぶそば」が閉店 その「2つの謎」に迫る(乗りものニュース)

 「本家しぶそば」といえば、料理の提供の早さに驚かされたものでした。
 入口のレジで注文をし、店内に入って席に着くころには、注文した料理が配膳されるという速さでした。
 最近でこそ券売機で食券を買うとその注文内容が厨房に表示され、すぐに調理を始められるというシステムが普及しましたが、「本家しぶそば」ではその最新システムをアナログ、マンパワーで実践していました。
 レジでお客様が注文をする声をマイクで拾い、厨房に流す。その注文内容を聴いて厨房ではすぐに調理に取りかかる。調理時間は平均して1~2分。
 フロアーの担当者はお客様の動きを捕捉し続け、料理ができあがるとそのお客様のところにすぐにお届けする。
 素晴らしいオペレーションです。

 「本家しぶそば」のこれら一連の業務オペレーションを見ると、『ヒト』という経営資源の凄さ、素晴らしさを思わずにいられません。
 もし、このオペレーションをICTで実現しようとするならば、とてつもないシステムが必要となるでしょう。
 「システム化」とは単にICTで業務を置き換えることではありません。
 「業務プロセスを見直して整理し、合理化すること」。
 「本家しぶそば」は、そのことを思い出させてくれる貴重な存在でした。
 『明日葉せいろ』が食べられないからばかりでなく、「本家しぶそば」の閉店は、本当に残念です。

 

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