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業務の有効性と効率性を高めて生産性の向上を図るために、決して欠かすことができない金融EDI

 EDI(電子データ交換)には受発注にかかる商流EDI、モノの流れにかかる物流EDI、そして商流や物流をはじめとした流通活動に必要な情報にかかる情報流EDIなどがあるが、その他にもうひとつ重要なEDIがある。
 金融EDIだ。
 昨日、一昨日、このnoteで紹介した日本公認会計士協会東京会の研究報告書「第4次産業革命が企業経営に与える影響~先端技術の提供側及び利用側企業における取り組みからの考察~」では、金融EDIのひとつである全銀EDI(ZEDI)の利用状況についても調査が行われている。

 全銀EDIは一般社団法人全国銀行協会が主体となって作成されたシステムであり、振込に関するさまざまな情報(支払通知番号、請求書番号など)を受取企業に送信するシステムである。全銀EDIシステムは膨大な金融EDI情報を活用することで、売掛金の消込業務の効率化による経理業務の負担軽減・生産性の向上を目的とする。
 全銀EDIの導入状況は、回答した企業104社のうち「導入済または導入中」と回答した企業、及び「導入検討中」と回答した企業があわせて23社なのに対し、全体の78%を占める81社は導入予定なしと回答している。
 業種別にみると導入に前向きな企業はBtoB企業が多いが、一方でBtoC企業である小売業でも導入を検討している状況が伺える。
 全銀EDI導入に期待する効果として、22社中20社が「消込業務の効率化」をあげており、導入に前向きな企業は全銀EDIの目的を理解している様子が伺える。「消込業務の効率化」は売掛債権を回収する側のメリットであるが、その他には支払先への支払内容通知の省略や顧客利便性など、支払いを行う側のメリットを挙げる回答もあった。

 売掛金の消込業務は日常業務の中でも手間のかかる作業。その消込業務を効率化できるということは、企業にとって大きなメリットだ。
 業務の有効性と効率性を高めて生産性の向上を図るためには、金融EDIは決して欠かすことができない。

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