見出し画像

もう一歩先まで考えてみる話

「だからお前は考えが足りないんだよ」や「常に先のことを想定して動かないと」などといった有難いお言葉を、窓際の席にまします「上司科・肩書だけは一人前属・ブチョウ」という生き物からいただいたことのある人も多いことだろう。

この場合、十中八九、カチンとくることは間違いないのだが、「俺の方が先に入社したもんな科・上には媚売り下には厳しく属・カチョウ」が言っていることにも一理ある。

やはり、場当たり的な行動だけでは乗り切れない事態というのは存在する。

目の前の仕事に集中することも大事だが、さらに一歩踏み込んだ対応まで考慮しておくほうが賢明といえるだろう。

そんな見地に立ってここからの話を考えてみよう。

私は毎年、6月から7月にかけて、季節性鼻炎に悩まされている。いわゆる花粉症だ。
これに関しては、もう様々なところで語り尽くされてはいるが、今一度、語り尽くしてみよう。
花粉症になったことのない人にはなかなかわかってもらえないのだが、その猛威たるや恐ろしいもので、自分の鼻水で溺れそうになるし、ひとたびくしゃみをすればレンガの家だって吹き飛んでしまう。
「鼻水」なんて言い方は生ぬるい。もはや「鼻豪雨」だ。「くしゃみ」のこともこう言い換えましょう。「廃ビル破壊」。ダイナマイトのような威力なのだから。

なかでも、目のかゆみときたら。「あー背中かゆい」とかそんなレベルではございません。眼球の裏側からむわっとかゆみが沸き起こり、そのむずがゆさといったら、目をこすったり、目薬をさしたりではとてもとても。いっそフォークでブスブス眼球を突き刺したいくらいのかゆみに襲われ、ときにはブスブス突き刺したりしてしまう。きっと今頃、同じように花粉症でお悩みの方は大きく頷いているはずだ。さあ、みんなもブスブス。

さすがにそれは言いすぎだとしても、目玉を取り出して洗いたいくらいの気持ちにはみんななっているでしょう。
後頭部をポンッと叩き、ぼとっと落ちた目玉を片手でキャッチ。流水にさらしながら両手のひらの上でころころと転がす。

さあ、ここで本題。
このとき、もう一歩踏み込んで先のことまで考えておかないと大変なことになってしまう。

このとき、もし、目玉を落としてしまったら・・・?

これは大変な事態だ。なんせ、目玉を取り外している以上、目が見えないわけだから。床の上に四つん這いになり、手探りで「メガネ、メガネ」ならぬ「目玉、目玉」を演じるはめになる。
やっと目玉を拾えたとしても、埃なんかが付着していては、目に戻してもかえってかゆくなりかねない。ここはもう一度よく洗いましょう。そのとき、あなたはこう気がつくかもしれない。
「目から外してるんだから、しみることもない。洗剤とかつけちゃう?」
汚れが気になる方は強めの洗剤でよぉく磨きましょう。
仕上げの水洗いはより丹念にお願いします。

さあ、そしてようやく視力を取り戻せるぞ、と思ったら、ここでまたひと悶着起きる可能性がある。

このとき、もし、右目と左目を逆につけてしまったら・・・?

「どうも平衡感覚がおかしいな」や「眼鏡をかけると、微妙に度があっていない感じがする」などと違和感を感じたときには、すぐに右目と左目を取りかえてみましょう。
くれぐれも落とさないようにはお気をつけください。

と、こんなことばかり書いていたら、なんだか目がむずがゆくなってきたので、ちょっくら目玉外してこよう(まるでコンタクトを外すかのように)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?