入社4年目。初めてメンバーのマネジメントをした話

前提の説明

弊社の新人研修には、「自社インターンシップに学生を動員する」というものがあります。
次年度の採用に向けて、インターンシップに学生を呼び、弊社を知ってもらいます。
新入社員のみんなは、「○人の学生に自分経由でインターンシップ説明会に参加してもらう」ことを目標とし、およそ1か月間、知り合いを当たったり、紹介してもらったりしながら学生と面談。信頼を築き、魅力を伝え、インターンシップの紹介をしていきます。

この研修はチーム制で行われ、4~6人の新入社員を1チームとし、2年目以上の社員がリーダーとしてマネジメントをします。

そのチームの1つのリーダーを僕が行うことになりました。

初めてのマネジメント。課題は山積み

目標を追う?しかもメンバー5人分も管理?難しすぎでは

この3年間、エンジニアっぽいことやカスタマーサクセスっぽいことをやってきた自分。
営業のように目標をゴリゴリ追った経験もなければ、各プロジェクトもメンバーとして入ることが多かったので、他のメンバーの目標管理なんて全く未経験でした。

とりあえず研修は始まったものの・・・

そんなこんなの不安を抱えながら始まった研修。
僕は5人のメンバーを持ったのですが、うち2人は学生とのコネクションも多く目標のハイ達成は現実的。ほか3人は学生とのコネクションが少なく、はじめ1週間での数値進捗が芳しくありませんでした。

チームの朝会では、メンバーから「このままだと雰囲気はよかったけど目標は達成しないまま終わることになるかも。それは避けたい」という声も上がりました。

どうやって課題を解決したのか

5つの影響力を使い分ける

人間には影響力の源泉が5つあるとよく言われます。
それが「魅了性」「厳格性」「専門性」「一貫性」「返報性」です。

これらのうち、自分が強い部分は伸ばし、弱い部分を補完しながら目標管理を行いました

例えば、僕の場合、返報性、魅了性については長所だと思います。
研修に限らずわからないことに答えたり、相談が来たら丁寧に回答したり、朝会の場を盛り上げたり、メンバー1人1人と堅苦しくないコミュニケ-ションをとったり・・・(自分で言うのはすごい気持ち悪いですが、わかりやすさのために便宜上書いておきます)

この部分を徹底的に発揮し、「リーダーのために頑張りたいな」「こんなに楽しいチームなのだから自分も頑張りたいな」と思ってくれるようにしました。

逆に、厳格性、一貫性みたいなところは弱みです。
自分にもできないことはたくさんあるので、他人(特に立場が下の人)に強く指示できないんですよね・・・

例えば、学生とつながるための依頼連絡がなかなか進まない子に、「ちゃんと行動量増やさないとだめだよ」って言えない。

ここについては、指示をより細かくすることで、ハードルを下げました。(ちっちゃな厳格性をたくさん積み上げた感じ)

例えば、「学生○○人をインターンシップにつなげるには、今日なにをすればいいんだっけ」「それするためには、まずはこの時間なにしたらいいかね」のように求める行動や基準を細かく砕く
それによって指示する側もハードル下がるし、指示を受ける側もそこまでうっとならなかった気がします。

4つのマネジメント手法を使い分ける

マネジメントの仕方は4つに分類できるといわれています。
本人ができると思っているかどうか/上司ができると思っているか、の2軸で分ける感じです。

「フィードバックとは?意味や目的・やり方を解説 !効果を高める方法」より抜粋

今回受け持った5人がそれぞれ別々のマトリクスに位置していたので、
わけることにしました。

まず、教えるマネジメント。
学生とどうコネクションを持てばいいかわからない、学生がインターンシップに魅力を感じてもらうにはどうすればいいかわからない。
そんなメンバーにはひたすらアイディアをお渡ししました。
この点については、目標達成に最短距離なTo Doを教えるのではなく、本人が比較的行動に起こしやすいことから提案することで、「小さな成功体験→モチベーションアップ」を実現できたと思います。

次に、正すマネジメント。
目標達成を甘く見積もってしまい、行動量が足りていないメンバーに対しては、こちらを行いました。
単に「違うよ~」「足りないよ~」だけでは納得できないこともあるので、
(のちにも説明しますが)ターゲット学生1人1人の名前やステータスを管理して、「この計算だと目標に達成すると思う?」という問いを具体的に考えてもらうことにしました。

最後に、任せるマネジメント。
上の2つが結構工数がかかってしまうこともあり、自走できそうなメンバーへのフォローは薄めにしました。

マネージャーこそDXが必要!

最後に、上記2つの作戦の根底を支えていたのが、自分のDXスキルというか、効率化マインドみたいなものだと思いました。

具体的には、メンバーのカレンダーと現状のステータスを一括で管理するスプレッドシートを作成しました。
メンバーのカレンダーから学生との面談を取得する仕組みはGoogle Apps Scriptで、ステータスの突合はスプレッドシートの関数で行いました。


メンバーのカレンダー予定を出力し、どの学生面談がどのステータスなのかを1つ1つ管理

このスプレッドシートには、1人単位で全学生のステータスデータが管理されており、どのメンバーがどこで困っているのか、目標達成度合いがどのくらいなのかを把握するのに重宝しました。

このシートがあったからこそ、

  1. メンバー1人1人の現状がわかるようになり、困っているメンバーへの声かけがすぐにできた(この点が、メンバーをしっかりと見ているという意味で返報性にもつながったのではないかと考えています)し、

  2. 数字をベースに細かな指示を行うことができた(厳格性の発揮正すマネジメント)し、

  3. データをもとに一緒に打ち手を考えることもできた(教えるマネジメント)し、

  4. 任すマネジメントをしたメンバーに対しても、放任するのではなく、しっかりと目標達成が危うくなっていないかを気に掛けることができました。

まさに、メンバーの目標達成を支援する身として、データを加工し管理する力が必要だなと感じた場面でした。

研修期間を終えて

結果として、僕のチームは5人全員が目標達成。うち2人は達成率200%を記録することができました。
また、単に目標達成ができただけでなく、1人1人がそれぞれの成長課題を見つけ向き合えた1か月にできたのではないか(ならいいな~)と思っています。

目標を追うということ、しかも自分1人ではなく、他人(メンバー)5人の目標を達成に導くという、経験したことがない機会でしたが、
自分の得意分野であるDX力、仕組化力みたいなものを活かすことができました。
また、影響力の長所を伸ばし、短所を補い、マネジメント手法をメンバー毎に変えながらそこそこの成果は出せたのではないかなと思っています。

ここ1か月20営業日くらいのうち15日くらいは数字のことが夢に出てきて快眠できなかったので、今日はゆっくり休もうと思います。

さいごに

いろいろと偉そうなことを書きましたが、最後に頑張ってくれたのはメンバー5人なので、そこは頭が上がりません・・・
マネジメントに正解はないので、いろいろ試してみて、メンバーと向き合うのが大事で、たまたま今回は上述の方法が良かっただけな気もします。
皆さんもメンバーとしっかりお話ししながら、挑戦してみてください!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?