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『ペーパーマリオ オリガミキング』に隠されたパロディ、オマージュまとめ

本作には過去のマリオシリーズをイメージした表現や任天堂作品のオマージュ、果ては現実の創作物のパロディと取れる表現が多く登場しました。
そこで本記事ではオリガミキングのパロディ、オマージュの一覧をわかる範囲でまとめていきます。
多少のこじつけや筆者の無知もあるかもしれませんのでご了承ください。

本記事にはエンディングまでのネタバレがあります。
未クリアの方は注意してください。




ネタバレクッションに公式HPを貼っておきます。

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OP~赤カミテープ

・ピーチ城の構造

OPで訪れるピーチ城ですが、玄関廊下やエントランスの構造が過去作に登場したものとよく似ています。

玄関通路は『マリオストーリー』のピーチ城の屋上へ続く廊下とよく似ています。天井まで届かんばかりの大きな窓が特徴的ですね。
マリオストーリーではOPでここでクッパと戦い、そして敗北するというプレイヤーの記憶にも残る場所です。

エントランスも同じく『マリオストーリー』や『スーパーマリオ64』と似ています。
特に中央に敷かれている(そして地下へ突き落される)太陽マークの絨毯はスーパーマリオ64とそっくりです。
スーパーマリオ64ではこの絨毯から隠しステージに行ける、という要素もありました。

マリオシリーズでも有名な構造であり、他には『スーパーマリオ オデッセイ』にも同様にデザインをリスペクトしたエントランスが登場しています。

・「次元のはざま」

地下で閉じ込められていたオリビアの台詞に登場する単語。
『スーパーペーパーマリオ』の舞台である「ハザマタウン」を意識したものと思われます。
そこまで考えているのか?と思うかもしれませんが、わざわざ閉じ込められていることを表現するのに「次元」なんて言葉を持ってくるあたりちょっと意識してしまいます。

・セーブブロック

虹色の立方体にSと刻まれたセーブブロック。
こちらも「マリオストーリー」に登場したものとよく似たデザインになっています。
過去作と違って叩いた時にマリオが一瞬つぶれたり、自動でセーブが為されたりと演出やシステムの進化も感じられます。

・お馴染みのゴールポール

ピクニック平原に隠されたブロック階段とポール。ポールにつかまるとメロディが流れて空に花火…ではなくキノピオが打ち上がります。
もちろんこれは『スーパーマリオブラザーズ』のゴール演出の再現です。

ミハラシタワーの塀

一見何の変哲もないように見えるレンガ塀ですが、よく見ると茂みや山が生えています。
これは『スーパーマリオブラザーズ』の背景、特に1-1を意識したデザインでしょう。
山や茂みに描かれた点模様の配置が全く同じです。

色鉛筆ミサイルに追いかけられているときは本当に1-1を走っているような気分になれます。

青カミテープ

・ハンマーと過去作のつながり

さまざまなハンマーが登場する本作ですが、いくつかの武器がこれまた過去作リスペクトの性能になっています。
いずれも「バッジ」というマリオの技を増やせるシステムで登場したものです。
過去作はFP(MPのようなもの)を消費してバッジ技で攻撃する、とRPG性がとても強い戦闘システムでした。

ポイ投げハンマー:ハンマーナゲール
アイスハンマー:アイスナグーリ
ファイアハンマー:ファイアナグーリ

という風に同様の性能を持ったバッジが存在しています。

・急流川くだり

渡し舟を操作してコインを集める急流川下り。
『スーパーマリオRPG』でも同じく川でコインを集めるミニゲーム「ワイン川下り」が登場しています。
後者ではカエルコインという特別なコインを一つ入手できればOKだったのですが、本作はコンプリート目指して全てのコインを集める必要があるため、グラフィックや演出のみならず難易度まで進化しています。

※8/8追記
ワイン川下りでもコインのコンプリート報酬があると分かりました。
急流川くだりでトロフィーを用意したのはこちらのオマージュと思われます。

・どこかで見たようなハリボテ

ODEDランドのスタッフルームで手に入る二つのハリボテ。
いうまでもなく『ドンキーコング』の主人公ドンキーコングと『メトロイド』の主人公サムス・アランです。

・お茶屋のBGM

OEDランドのお茶屋さん『筒や』では専用の和風BGMが流れています。
よく聞くとオリジナルではなく、『マリオカートWii』のメイプルツリーハウスのBGMをアレンジしたものだと分かります。
しかも他では流れないここ限定の1曲。贅沢なアレンジです。

黄カミテープ

・ピーチ姫大集合

プリンセスピーチ号の運転室にところ狭しと飾ってあるピーチ姫の写真(絵画?)。
これはよく見るとすべてペーパーマリオシリーズのピーチ姫になっています。

-左上:マリオストーリー
これのみドットが荒くセピア色なため、最も古い作品だと分かります
-左下:ペーパーマリオ スーパーシール
背景にモノシールが見えるので本作と思われます。
-中央:スーパーペーパーマリオ
背景の四角形型のデザインが本作で多数登場しています。
また本作ではピーチ姫を操作してパラソルで降下するというアクションが可能で、ポーズがそれになっています。
-右上:ペーパーマリオ カラースプラッシュ(?)
これは判別が難しいのであいまいです。
-右下:ペーパーマリオRPG(?)
左上ほどではないですがこちらも色あせた写真なので2番目に古い本作だと思われます。同じく根拠があいまいです。
この二つはもしかしたら逆かもしれません

そして一番右の写真は背景から推測してミハラシ山で撮ったものと思われます。

・砂漠ステージのストーリー

ヤケスナ大さばくのストーリーは「砂の中から遺跡が現れ」「太陽が変わる」という構成になっています。
『マリオストーリー』のステージ2「カラカラさばく」も同じく「砂の中から現れる遺跡」「太陽が変わる(こちらは昼から夜に)」とよく似た流れになっています。
遺跡内ではおどろおどろしい演出が挟み込まれている(そしてギャグ調に解決する)ところまでそっくりです。

・ムーチョの4択クイズ

重々しいBGMとともに4択クイズを受けるムーチョのこのイベント。
これは2000/4/20〜2007/3/29までフジテレビから放送されていたクイズ番組『クイズ$ミリオネア』が元ネタです。
答えを選んだ際に「ファイナルアンサー?」と聞かれるのも本番組お馴染みのセリフです。

・ピラミッドでダンスタイム

顔なしキノピオたちとノリノリなダンスを披露するシーン。PVでも流れていてとても印象的なシーンです。
言うまでもなくマイケル・ジャクソンの『スリラー』のPVのパロディです。
ゾンビ(こちらは顔無しキノピオ)をバックダンサーにホラーチックなメロディを踊るマイケルとマリオ。特徴的な「ポワワワ~ン」という音までもしっかり再現されています。

桃カミテープ

・大海原と三つのオーブ

桃カミテープを巡る冒険の舞台になる大海原。
「空白の地図を自分の手で書き込んでいく」「海に沈んだ宝物をサルベージする」「力、知恵、勇気の名を冠する三つのものをあつめる」という点から、『ゼルダの伝説 風のタクト』のオマージュになっています。
三つ目のオーブ集めなんて本当にゼルダそのまんまですよね。ここまで直球な自社オマージュも珍しいんじゃないでしょうか。

・巨大扇風機

突如海に現れるリアル調の扇風機。
こちらは『ペーパーマリオ スーパーシール』に登場した「せんぷうき」のモノシールが元ネタです。
元作品でも負けず劣らず巨大なもので、風を起こして敵を吹き飛ばしたり風車を回したりできました。
最近だと『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』のステージ「ペーパーマリオ」にも登場していますね。

※8/11追記

また巨大扇風機が出現する「ドクロ島」ですが、そのビジュアルが『ペーパーマリオ カラースプラッシュ』の「おたから島」とそっくりです。
ただこれはドクロを模した島、となると必然的に似たデザインにもなるので仕方ない面もあります。

※8/11追記
喜怒哀楽のキノピオ

クラブ島にいる「喜っちゃん」「怒ックン」「哀さん」「楽ボー」という4人組のアイドルキノピオ。
名前の由来や口調は感情を示す「喜怒哀楽」がモチーフでしょうが、これには『スーパープリンセスピーチ』のオマージュも含まれていると思います。
この作品は2020年現在で唯一ピーチが主人公というゲームで、同じく喜怒哀楽の感情を使ったアクションで進んでいく横スクロールアクションになっています。

そしてユニット名は「K'ido~ai~Raku」ですが、こちらは日本の4人組ロックバンド「L'Arc〜en〜Ciel」(ラルク アン シエル)のパロディと思われます。アポストロフィやチルダの場所まできっちり再現しています。
…それにしてもこんなパロディをちびっ子は理解できるんでしょうか。

※8/11追記
・キノピオ危機一髪

スペード島にいる樽に閉じ込められたキノピオ。助けるべく樽の中にキノピオを刺して(!?)飛び出させる…というイベント。
これも知ってる人は多いでしょう、タカラトミー販売のおもちゃ「黒ひげ危機一髪」が元ネタです。
ちなみに「飛び出したら負け」は後付けのルールで当初は「飛び出したら勝ち」だった、という裏話は知っていますか?
その点を見ると本作のオマージュは元ネタに忠実といえます。

出典記事:黒ひげ危機一発、当初は「飛ばせば勝ち」だった! 変えた理由を聞く

※8/11追記
・力を合わせて

高いところへ登るため、ルイージを踏み台にして大ジャンプをするマリオ。
『マリオ&ルイージRPG』及び『マリオ&ルイージRPG DX』のブラザーアクションの一つ「ハイジャンプ」が元ネタと思われます(画像は前者)。
元作品では今作と逆でマリオが踏み台になっています。

・カミ様の組み合わせ

亀、竜、鳥(と白熊)のカミさまが土、水、炎(と氷)を司る本作の設定。
中国の天を司る存在『四神(四象)』がモチーフになっていると思われます。
ただし本来の四象は白熊ではなく虎、氷ではなく風に関係する神なので微妙に設定が異なっています。
風のカミさまを登場させても魔法陣のアクションがバリエーションに乏しい(前述の扇風機とも被る)、戦闘で風を使った攻撃を演出しにくい(吹き飛ばすだけならカミの手で十分)などの理由で変更された…のかもしれません。

緑カミテープ

・ハサミバラバラ事件

登場10秒でクッパJr.をバラバラ死体に仕立てあげたハサミ。
同じく『ペーパーマリオ スーパーシール』の「はさみ」モノシールが元ネタでしょう。
しかもスーパーシールでクッパJr.は1-1で同じくはさみで切り刻まれるという仕打ちを受けています。おまけにダメージ演出までパワーアップ。
これだけ切られたらトラウマになりそうです。

関係ないですけど、ここのカメックがサラッと酷い追い打ちしてますね。主の息子に向かってそんな発言大丈夫なんでしょうか。

・イロドリの湯

色が抜けてしまって体が真っ白になり、そしてイロドリの湯で再び色を取り戻すクッパJr.。
この流れは『ペーパーマリオ カラースプラッシュ』のオマージュと思われます。
同作もおなじく世界から色が奪われてしまっており、マリオがペンキハンマーを駆使して相棒のペンキーと共に色を取り戻す冒険へ…というお話です。
スーパーシール再現といいカラースプラッシュ再現といい、物語の一要素に留めたうえで積極的な過去作リスペクトを見せてくれるのはうれしいですね。

七色オリビアちゃん可愛い。

ピーチ城~ED

・無限階段

突如ピーチ城が揺れ始め外へ追い出されるマリオ達。そのシーンでは階段が大きく伸びています。
『スーパーマリオ64』のピーチ城3Fに登場した演出「無限階段」のオマージュだと思われます。
最終ステージへ続く長い階段なのですが、必要な枚数だけスターを集めていないと階段がループする仕組みになっています。
不気味なBGMと共に延々と変わらない階段を上り続けるマリオ…というシーンはとても印象が強く、人によってはトラウマポイントともなっています。

・封じられたピーチ姫

最終決戦直前で判明する事実。ピーチ姫はオリガミ城と一体化してしまい物言わぬ存在になってしまっていた…
「スーパーマリオ64」でピーチが壁画に閉じ込められていた、というストーリーのオマージュと思われます。
お城正面上部のピーチが描かれている壁画がそれです。
どちらも黒幕を倒したことで無事封印から解放されました。

それにしてもオリガミキングのピーチ姫は城ごと攫われるわ国民も領土もオリガミでボロボロにされるわ自分はオリガミ化で洗脳されるわ挙句城と一体化させられてロクな台詞もないまま退場…と散々な目にあっていますね。
歴代で一番不遇なピーチ姫じゃないんでしょうか。

・夜空を彩る花火

オリガミたちは消え、王国も元通りになって平和が戻った世界。
賑やかなオリガミ祭りも無事開催され、空を無数の花火が彩りました。
『マリオストーリー』のEDのラストも、ピーチ城をバックに打ちあがる花火の映像で締めくくられます。
長い冒険の終わりにたどり着いた達成感、そしてもうこれ以上物語は続かないと悟ってしまう悲しさや寂しさを象徴するシーンですね。



このようにオリガミキングにはとても多くのオマージュやパロディが詰め込まれています。過去作プレイヤーをニヤリとさせる演出も多くて嬉しいですね。

もちろん全てが正確と保証はできません。
もしこれが欠けている、ここはこうじゃないか、といった意見があればコメントお願いします。

※8/8追記
カルキさん情報提供ありがとうございました!
※8/11追記
ようちゃんさん情報提供ありがとうございました!


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