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『クローゼット ZERO』〜その2〜

*九頭竜高校
凌、晃一、慎治、ジョー、元気   板付き
―明転―
凌:クソッタレが!!(そこらへんにあるものに当り散らす)
晃一:凌、落ち着けよ。
凌:落ち着いてられっかよ!
晃一:たしかに、ホー学のあの態度は見逃せねーな。
慎治:ボンボンが調子に乗りやがって・・・。
ジョー:こんなこと、アメリカだったら絶対許されないよ。
元気:・・・。
凌:ふざけやがって!ケンカで俺らに勝てると思ってんのか!クソ野郎が!(当り散らす)
晃一:確かに、ケンカじゃどう考えても俺らの方に分がある。むこうで凌に対抗できるのはリーダーの白鳥って奴くらいだ・・・。
元気:それなのにあの強気な態度・・・ムカつく。
晃一:麻生の奴、なにか企んでるやがるのか?
凌:市長の息子だかなんだかしらねーが調子に乗りやがって!(慎治の首をしめる)
慎治:うっ!
晃一:あの野郎はなに考えてるかわからねーからな・・・(慎治の様子に気づく)おいっ凌!やめろ!慎治白目むいてんじゃねーか!
凌:(気づく)おっと、わりーわりー、つい熱くなっちまった。
慎治:ゴホッゴホッ。勘弁してくれよな・・・。
晃一:凌、気持ちはわかるけど、ちょっと落ち着けよ。今日は一段と荒れてんな。これでも見てリラックスしろよ。(カバンからエロ本を出して渡す)


凌:いらねーよ!なんでお前はいっつもエロ本持ってんだよ?
晃一:いや、俺んち家族多いからゆっくりエロ本読む場所ねーんだよ。
ジョー:晃一の家はビッグファミリーだもんねー。20人兄弟だっけ?
晃一:そんないねーよ!アフリカじゃねーんだから。6人な。まあ、バカ両親は10人まで増やすって意気込んでるけどな。勘弁してもらいてーぜ。
ジョー:オー!晃一のパパとママヤリまくりね!だから晃一もスケベエね!
晃一:そういうこと絶対言うなよ!気持ちわりーな。
ジョー:なんで気持ち悪いのよ?スケベエなの悪いことじゃないね。パパとママがスケベエじゃないと僕らみんな生まれてないよ。スケベエはいいことよ!世の中の人間みんなスケベエね!NOスケベエ、NO LIFEよ!
晃一:うるせぇなぁ。なんでこんな話になっちゃってんだよ。凌が荒れてるからだぞ。
凌:俺のせいかよ!別にいつもどおりだろ。
ジョー:凌ちゃんが荒れてる理由、僕知ってるよ!凌ちゃん、最近LOVEしてるよ!
晃一:ラブ!?
慎治:凌が!?
元気:・・・。
凌:な、何言ってんだよ!適当なこと言うなよ!
ジョー:僕知ってるよー。毎日駅でその子のことこっそり見てるの。
凌:い、いつの間に!?
晃一:マジかよ!?おい、凌、どんな子だよ!?かわいいのか??オッパイおっきいか?この子とどっちがでかい?(エロ本見せる)
凌:エロ本見せんじゃねー!!(エロ本破く)
晃一:あー、俺の「月間アンアンアアン」が!!
慎治:おい、ジョー、なんて子だよ!?
ジョー:名前までは分からないけど・・・サクジョの制服だったね。
慎治:サクジョって、あの桜女学院!?隣町の超お嬢様学校じゃねーか!
晃一:おいおいマジかよ!いくらなんでも高望みし過ぎじゃねーか??
凌:うるせーな!そんなんじゃねーよ!
元気:・・・絶対無理・・。
一同:!?
晃一:お、おい元気、いきなり身も蓋もないこと言うなよ
ジョー:元気ちゃんはたまに喋ったと思ったらネガティブなこと言うね。名前と正反対ね。
慎治:おい、元気、謝った方がいいぞ。
元気:・・・(ペコリとお辞儀)。
凌:別にそんなんじゃねーし。お前らこれ以上ゴチャゴチャ言ってっとぶっとばすぞ!
晃一:おーこわ。
慎治:おい、あんま怒らせんなよ、俺にとばっちりが来るんだからよ。あ、そういえば、今日担任のポケットにこんな紙入ってたんだけどよ、これどういうことだ?(ポケットから紙を出す)
晃一:なんだ慎治、またスったのか?
ジョー:慎ちゃんのスリはプロ級ね。
元気:悪人。
慎治:うるせーな!つい癖でやっちゃうんだよ。別にこんな紙切れ1枚どうってことねーだろ。でもよ、これテスト用紙かなんかと思ったんだけど、違うみたいなんだよ。
晃一:(紙を受け取り読む)・・・これって・・・。
凌:どうした?
晃一:・・・ウチと、ホー学が、合併するって・・・。
一同:ええっ!?
慎治:マジかよ!?
晃一:ああ。
凌:こりゃ大変だ・・・でもよ、
一同:合併ってなんだ?
晃一:わかってなかったのかよ!俺らとホー学が一緒の学校になっちまうってことだよ!
一同:!!!
凌:なんだよそれ!
ジョー:クズ高がなくなっちゃうってこと?
凌:クソッタレが。なんでそんなこと勝手に決めやがんだ。俺らの居場所奪おうってか。
晃一:どうせ大人の都合だろ。あいつら、俺らのことなんてなんにも考えてねーんだよ。
元気:・・・ムカつく。
凌:しかも、よりによってホー学とだぁ?あんなイケすかねぇ奴らとなんてまっぴらごめんだぜ。
慎治:あいつら、金持ちってだけで偉そうにしやがって・・・。
晃一:凌、どうする?
凌:こんなの認められるわけねーだろ!おい、行くぞ!!
     一同、うなずく
凌:・・・ぶっ潰す。
―暗転―


つづく

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