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普通に大人になっていく過程で視界に入ってくるおっぱいはだいたい巨乳だからこういう誤解が生まれる

大人になったら巨乳になると思っていた


全ての女の子はすべからく大人になったら、あのグラビアアイドルみたいな、本屋に並んでるえっちな雰囲気の週刊紙の表紙の女性みたいな、谷間のできる巨乳になれると思っていた。


あれ、なんか違う、と気付き始めたのはだいたい中学一年の頃。体育の授業で制服を脱いだときふと視界に入ったクラスメイトの女子。「あれなんかあの子、お母さんみたいな大人のブラジャーしてる……。」


すぐさま自分の胸元をのぞきこむ私。第二次性徴が来ているはずなのにいまだぺたんこの胸には母が「そろそろ必要だと思うから」などと言って買ってきてくれた中学生用のブラ。色気も何にもないスポーティーなやつ。「初めてのブラ♡」みたいな名前がついてたと思う。


私はシャツから乳首が透けるのが嫌だなという感情がもう既に芽生えていたので、それをありがたく、大人の女性の仲間入りが出来たみたいで嬉しく、でもなんだか恥ずかしく、少しだけ誇らしくそれを着けていた。けど。


中二になり、中三になり、周りがチラホラその「初めてのブラ」から「大人ブラ」に変化していくなか、相変わらず私はその「初めてのブラ」を買い足しては使っており、同級生の女子から「貧乳(笑)」とかいじられるようになり、挙げ句の果てにはその「初めてブラ」さえ冗談のまとになるようになり、そうか私は貧乳なのかと、その時初めて自覚し、ちょっとした絶望と小さいコンプレックスを抱えることとなった。


私はあの優香みたいなおっぱいにはなれないんだ。ふわふわやわらかくてあたたかくてその二つをゆらしたり寄せたりするだけで人間を簡単に癒してしまうあのステキなアイテムを今回の人生では胸に装備することは出来ないのだと……。


結局、その後一度だけストレスで10キロ太って10キロ痩せたら何故か胸だけちょっと残り、Bから今のDまで幸運にも成長することが出来てコンプレックスもなくなった。

けれどもいまだにやっぱり巨乳には心のどこかで憧れる私でした。



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