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9周年を迎えるグラブルの今

9周年を迎えるグランブルーファンタジー(以下「グラブル」)の現状がどんな感じなのか、PCゲーマーの視点からつらつら語ってみる。

結論から言うと、以下の理由によりグラブルはおすすめできない。

  1.  ふつうの人が今から始めても前線に絶対追いつかない

  2.  グラブルがこれから劇的に良くなることがない

ソシャゲは前線を追いかけてリソース管理してる時が楽しいのは事実だ。だから前線に追いつくことがないゲームは、無限にその期間を味わえる。配信やアニメを見ながら永遠とマウスをカチカチしたい、という奇特な人は試してみると良いかもしれない。

グラブルはどんなゲームか

運営曰く、「本格スマホRPG」である。

俺に言わせれば、「ブラウザベースの原始的なRPG」だ。グラブルは、スマホのアプリではなく、ウェブブラウザ(Chrome等)上で動作するウェブアプリみたいなものである。ゆえに難しいことができず、原始的なターン制バトルと会話シーンがグラブルの主成分だ。

グラブルのバトルについてグダグダ書くこともできるのだが、本題ではないので割愛する。一言でいうと、アビリティを0~数個使って攻撃して敵を倒す、これを手動で行う周回が99%占める。また、ごく一部のコンテンツを除きスキップ機能はない。

その理由は公式には不明だが、スタミナが実質無限だからだと思っている。普通のソシャゲはスタミナが有限で、それ以上に動こうとしたら石割りが必要になるが、グラブルはスタミナ薬の入手方法がいくつかある。よって、周回の上限はスタミナではなく、プレイヤーのやる気と時間に委ねられている。

前線に追いつかない理由

グラブルは、前線に追いつくことが難しい。絶対にとは言わないが、常人には不可能だろう。ここで言う前線とは、最新のコンテンツをバチバチに攻略しているプレイヤー層のことだ。

まず、単純にプレイヤーのランク上げに膨大なExpが必要で、俺はこのゲームを数年プレイしてるがまだキャップまでたどり着いていない。ランクの上昇にステータスの上昇が含まれており、ランクが低いとエンドコンテンツで足切りされてしまう。もちろん鬼周回すればレベルは上がるが、常人には厳しい作業である。毎日ちょこっとデイリーやってスタミナを焼けば数ヶ月でレベルキャップに到達する他のソシャゲとは大いに異なるわけ。

さて、グラブルの編成(パーティー構成)はキャラ6体(フロント4体、バック2体)と武器10本、召喚石6体からなる。そしてグラブルには地水火風光闇の6属性あり、キャラや武器を同じ属性同士で組み合わせる。つまる属性ごとに専用の編成が必要である。

キャラについてはガチャ産のものが主で、2021年冬あたりから新陳代謝が積極的に行われ、要するにスタメンに入る強キャラが随時追加されている。もちろん、季節限定の強キャラも多く、半年や1年後の復刻のため入手が難しいことも多い。なお、少数だが無料で取れるキャラでも、鬼周回することで、スタメンになれるものがある。

※ さらっと鬼周回と書いたが、数ヶ月に1回のイベント「古戦場」等でリソースを集める必要があるため、スタメンに仕上げるのに年単位でかかる。

キャラと並行して、武器もガチャ産でありながら無課金の編成に入るものが各属性に配られている。これまでグラブルでは基本的に無課金の編成に課金武器を入れずとも十分な強さがあったが、これからは課金武器を入れないとついていけなくなった。

個人的には、2、3年位のスパンでスタメンが入れ替わるのは良いことだと思っている。古参プレイヤーが先行者として強いままだと、新規が追いつけなくて萎えてしまうからだ。それが過度なインフレにつながるのも良くないので、運営には適切なハンドリングが求められている。

先程も言ったが、グラブルには6属性ある。2021年冬から各属性に「約定」と「レゾネーター」という新世代の武器をガチャで配り始めているが、2023年現在になっても配り終わっていない。こうした強武器は大体3ヶ月に1回くらいしか追加されないからだ。ソシャゲ民の大好きな理想編成を目指すのであれば、元無課金編成の人も約定を2本とレゾネーターを3本入れたくなる。

グラブルの武器には凸のシステムがあり、4凸しないと使い物にならないことも多い。妥協して約定とレゾネーターを4凸1本ずつでもいい。凸を進めるアイテムもあるが、最初の現物をガチャから引く必要がある。その場合、ピックアップ率は0.3%であり、300連で1個以上引ける確率は59.40%だ。裏返すと引けない確率は40.60%あるため、天井での取得を考慮に入れる必要がある。

ちなみに、グラブルは約定とレゾネーターを同時にピックアップしてくれるほど優しくない。各属性毎に2回はガチャに挑む必要があるだろう。未実装の属性もあるので、2年くらいかけてじっくり集めることになるだろう。

先の長い話だ。

グラブルではマグナ編成を無課金編成と呼んでいる。その無課金マグナ編成に約定とレゾネーターを組み合わせたものが最強の編成ではない。この上に神石編成という、さらに多くのガチャ武器を組み合わせた編成がある。最強への道があまりにも長い。

ちなみに、敵は弱点属性以外に耐性を持つため、一点豪華主義的に1つの属性に注力したとしても序盤をすぎると活用できない。

サイゲの開発力が乏しいか

先程も言った通り、グラブルはブラウザベースであるからして、ブラウザの「リロード」や「戻る」を使用できる。これらのキーで画面遷移したり、バトルの描写を飛ばして次のターンに移行したりできる。この辺がグラブル独自の味になっていることは確かだ。

しかしウェブサイトを見てるときによく使う、EnterやSpaceキーによるポップアップのOKの選択、Tabキーによるフォーカスの移動などができないようになっている。グラブルに限らないが、ソシャゲは事ある毎にポップアップで確認を要求してくるものだ。グラブルではそういったポップアップをすべて手でクリックする必要がある。

ブラウザベースだからしかたないが、操作性が悪いというか、普段のウェブ・ブラウジングと比較してダルい。これはゲームの基礎の部分だが、もっと表層的なボタンの位置やメニュー構成、クエストとマップの関係など、大変アクセスしにくいのだが、改善されたことがない(と思う)。そういうUIへの意識が低いサイゲも細かい機能改修を3ヶ月~半年に1個くらいはしてくれるので、全く手を入れないわけではない。

コンテンツ追加のスピードは遅くて、ガワとシナリオを変えただけのイベントを毎月開催するだけだ。ブラウザゲームなので、難しい要素を組み込んだコンテンツを作れないのだろう。最近は、前線の人向けのボスを3ヶ月に1回追加している。俺はグラブルを数年やってるがそこまでたどり着いていない。そういえば、ソシャゲでよくあるマイルーム機能を年末に追加してくれたが、あまりの品質の低さに失念していた。

例えば、アークナイツとかブルーアーカイブとかと比べたときに、圧倒的なQoLの高さとコンテンツの量にびっくりすると思う。こういった海外開発のソシャゲのスピードに対して、サイゲの動きは圧倒的に鈍い。

※ 原神は未プレイ。

俺はサイゲのプリコネもプレイしてたから分かるが、サイゲは低ランニングコストで毎月のイベントとキャラを追加して、細かい機能改修はそのうち、みたいなスタンスでやっているように見える。メンテナンスモードってやつ?

あるいは、ウマ娘やグラブルRelinkにスタッフを回しているのかもしれない。ウマ娘が出る前、プリコネは1年以上、前述の状態が続いていて虚無だった。周年の配信でも来年〇〇を追加しますみたいなイメージイラストを見せて、1年以上経ってから実装されることもあった。本当に終わってたので辞めたが。

ついでにウマ娘をちょっと調べてみたが、1周年、1.5周年と失策続きで大変なようだ。あれ直せこれ直せと叩かれてるが、半年に1回、育成シナリオが追加されてるから良い方だ。今は発売を控えたRelinkに開発リソースを注ぎ込んでいるのだろう。それが終わったら、グラブルを含む他のタイトルの運営がマシになるのかもしれないし、ならないのかもしれない。

サイゲを信頼するか

それでもグラブルには独自性のある味があり、中毒者がちらほらいるようだ。記事の前半で述べた通り、新陳代謝の進む武器を揃えるのが大変長い戦いになると思う。新規の民がその戦いについていけるかと言うと無理だろうな。そして、グラブルはブラウザという枷がある。サイゲの開発リソースの制約もある。サイゲがいい感じに開発と運営をこなせる状態。Relinkからスタッフを返してもらったとして、それができるようになるだろうか。俺には想像できない。

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