NZウェリントンは契約違反により電動キックボード事業者のライセンスを剥奪
case|事例
ニュージーランドの首都ウェリントン市は、契約違反があったとして電動キックボードのシェアサービスを手掛けるBeam社のライセンスを剥奪した。内部告発によって情報が寄せられ、調査の結果、契約で定められた配備台数の上限を超過していることが明らかとなった。2023年7月26日から2024年6月21日までの間に1日平均100台の上限超過があった。ウェリントン市は信頼を損なう重大な違反であるとして、8月30日にライセンスを停止し9月1日に配備されている車両を撤去したのち、9月13日に正式にライセンスを撤廃した。配備台数の上限設定は、利用需要を十分に満たすとともに歩道の通行の妨げにならないような配慮の下で決定された経緯があり、ウェリントン市は軽々しい決定ではないことを強調している。Beam社は現在調査中であるとしてコメントをしていない。
企業のモラルが問われる事態はウェリントン市に限ったことではない。この2週間にオーストラリア国内で、ブリスベン市とキャンベラ市でも同様に契約違反があったとして電動キックボード事業者のライセンスが剥奪されサービスが禁止されている。
insight|知見
2週間ほど前にBeam社が行っている歩道走行検知の実証をこのコラムで取り上げたばかりだったので、びっくりしました。記事にあるように官民で協議して定めた契約内容の違反は確かに信頼を損ないますね。
日本の場合、一度導入された移動サービスは、行政からの委託でない限り行政からの指導などが及ばないことが多いと思います。海外の事例を見ていると、コモンズである公共空間をつかった事業で、特にそれが新しいサービスである場合に、どういう段階で導入を認めていくのかという仕組みやルール、規制の検討がもっと必要な気がしますね。