米タンパは電動キックボードの違法駐車に対する罰金制度を導入
case|事例
フロリダ州の都市タンパは、不適切な電動キックボードの駐車に対して新たな取り締まりを開始することを発表した。今後、指定された区画や場所に駐車されなかった電動キックボードに対して最大5ドル(約770円)の罰金が課される。罰金徴収は、Lime、Spin、Helbizの3社が手掛けるシェアサービスの車両が対象となる。また、併せてリワード(報酬)制度も導入され、放置された車両や違法に駐車された車両を駐車しなおした利用者には0.5ドル(約77円)から2.5ドル(約385円)の報奨金が与えられる。タンパ市は、この取り締まりによって歩道の環境を整え、秩序を乱す行為を減らしたいと考えている。
今回対象となる3社のすべての車両には、駐車可能かどうかを利用者に通知する機能が装備されており、不適切な場所に駐車しようとする場合、利用者に警告が通知される。また、住民が駐車の改善が必要だと思う場所をリクエストできるwebサイトも用意されている。
徴収された罰金の管理や使途はサービスを提供している3社に任されており、タンパ市は毎月提出されたレポートをもとに3社が契約に基づく取り締まりを適切に行っているかどうかのモニタリングを行う。
タンパ市の担当者は、「電動キックボードの普及は、自動車の削減につながり、渋滞や駐車問題を改善すると期待している一方で、電動キックボードの放置やマナーの悪い駐輪に関する苦情が最も多く、川に投げ捨てられるような常軌を逸した行為も見られ、改善が必要だ。」と述べている。
insight|知見
位置情報システムを使って駐車管理するような技術の使い方や官民が連携して導入後も利用の適正化に向けた取り締まりを行う連携体制はとても参考になりますし、日本になかなか根付かない部分だと思います。
タンパ市のコメントにあるように、マイクロモビリティは短距離の移動や公共交通の補完に役立つ移動手段であることは間違いないと思いますが、だからといって不適切な利用を放置していいというワケではないと思います。
歩道空間は限られていますし、マナーの悪い利用や倫理観の欠如した利用はシステムそのものの信頼を損ないます。都市に適切にインストールするためには民間事業に任せっきりにせず、官民で制度やルールの設計をしていくことが必要だと思います。