見出し画像

ベルリンは都心の電動キックボードの配備台数を削減

case|事例

ベルリン州の地域交通省は、ベルリン都心部の電動キックボードのシェアサービスの配備台数を、2024年3月から現状の24,000台から19,000台に減らすことを発表した。今回の措置の背景に電動キックボードマナーの悪化があり、歩道へ車両が放置されたり放置車両が通行を妨げたりという事案が増えていた。2022年に歩行者ロビー団体が実施した調査でも、自転車や電動キックボードのシェアサービスにおいて3分の2が違法に駐輪されている実態が指摘されている。地域交通省の担当者は、「マイクロモビリティは現代的な交通手段であるが、その利用は秩序が保たれるべきで、すべての道路ユーザーにとって安全であるべきだ。」とコメントしている。

今回の配備台数の削減に併せて、サービスを提供する事業者への規制強化も行われる。LimeやBirdなど5社が現在サービスを提供しているが、今後、秩序の維持や危険の排除を行うために路上スタッフの増員が義務付けられる。また、個別の利用実態や市内での利用の分布などのデータをデジタルプラットフォームを通じて提供することも求められている。

シェアサービスを提供するVoiは、「今回の配備台数の削減は、利用の適正化に向けて良い措置であるが、あくまでも短期的なものであるべきだ。今後、インフラの改善や全体の交通計画が必要。特に、23万台もある自動車の駐車スペースのシェアサービスの駐車スペースへの転用などを検討すべき。」とコメントしている。

insight|知見

  • 記事からもわかるように、電動キックボードやライドヘイリングが世界の潮流というのは少し言い過ぎですよね。世界の先進的な都市は、既存の交通体系にうまく統合させようと、状況にあわせて規制の強化やサービスの制限を行っているのが実態だと思います。

  • 海外の事例などは、都合のいい一面だけを学ぶのではなくて、賛否両面をきちんと学びたいですね。そして、できれば時系列で追って、うまく日本の都市に移植できるといいと思います。