見出し画像

アイルランドは制限速度を20km/hとして公道での電動キックボードの通行を許可

case|事例

アイルランド政府は電動キックボードの公道での通行を認める新たな制度を施行した。アイルランドでは公道での電動キックボードの利用は違法であるにもかかわらず利用が増加しており、警察もそれを黙殺する状況が続いていた。今回の制度によって地方議会はシェアサービスの実施も可能になるが、各基礎自治体で条例を改正をする必要がある。そのため、現時点で公道走行が認められるのは個人所有の電動キックボードに限られる。

運輸大臣は、電動キックボードの違法での利用はますます増えており、今回の制度は歩行者や自転車を尊重し、安全利用を明確に定めたものであるとコメントしている。また、アイルランド運輸省は、電動キックボードは気候変動対策として、また持続可能な交通を実現するための手段として有効な選択肢のひとつであると見解を示している。

今回の制度では、制限速度が上限20km/hとされているほか、自転車利用者と同等の権利と義務を課し、車両に前後のライトと2つの独立したブレーキシステムを装備することを義務付けている。また、二人乗りなどの複数人での乗車の禁止や16歳未満の利用の禁止、車両重量を25kg以下にすることなどのルールが定められている。車両重量の制限に対しては、シェアサービスを手掛ける各社から懸念の声があがっている。

insight|知見

  • アイルランドは、強引に法解釈をして特例的に電動キックボードの走行を認めた日本とは異なるアプローチをしていますね。ライドシェアなどをはじめ、日本は世界に比べて意思決定が遅いなどと言われることがありますが、実証などを踏まえて慎重に制度設計をしている国もあります。また、これまでにないサービスを入れることになりますので、出てきた不具合に対して柔軟に制度を見直している都市も多くあります。

  • 日本でもアイルランド同様に、違法なモペットや電動キックボードの走行が散見されます。拙速な対応をせずに、きちんとルールや制度を作ってほしいなと思います。