見出し画像

バルセロナの2023年の持続可能な移動は8割を記録

case | 事例

2023年調査におけるバルセロナの都市内の移動の80.1%は徒歩、自転車、パーソナルモビリティ、公共交通によるもので、自家用車による移動は20%であった。このデータは、1998年に設立されたモビリティ協定(バルセロナのモビリティ政策のコンセンサス形成のための官民組織で構成された参加型フォーラムで市内のモビリティと交通安全の改善策に関わる)が今般公開したもので、新しい都市モビリティ計画(PMU)2024も含めてウェブサイトからアクセスできる。

2023年の移動に利用する交通手段のシェアの内訳は、徒歩42.1%、公共交通機関34.2%、自家用車19.9%。自転車またはパーソナルモビリティが3.8%。それぞれの移動総数は前年比で公共交通機関が18%増、徒歩は2%増、自転車とパーソナルモビリティは7%増、自家用車は0.3%減であった。また、モビリティに充てられる公共空間のシェアが新指標として集計されたが、歩行者スペースが50.5%、自転車スペースが2.6%、公共交通機関(バスレーンとトラムのスペース)が3.8%、サービスレーン・予約駐車場・荷役ゾーンが8.8%、残りの34.3%が一般的な通行路面とった。都市物資の流通に関わる荷役スペースは市内に11,198ヶ所あった。

新たなPMUの策定作業も2024年末にドラフトの承認を得る方向で進められているが、取り組むべき3つの戦略分野として、(1) 安全で効率的かつ持続可能な路面空間を持つモビリティモデルの確立 (2) 自家用車利用以上に乗客を集める公共交通システムの実現 (3)自動車やオートバイへの依存低減と影響の軽減 が設定されている。

insight | 知見

  • 記事のバルセロナの数値は前年とも比較しているので、毎年調査をしているのかと驚きます。どのような調査をしているのかわからないのですが、日本のパーソントリップ調査は10年に1回の実施で、調査期間も2~3年がかりなので、バルセロナの調査集計方法が気になります。

  • 単純に比較はできないと思いますが、北部九州圏の移動時に利用する主な交通手段のうち、自動車は5割を超えていますので、バルセロナの自家用車2割はより持続可能な構造になっているのではないかと思います。

  • 「モビリティに充てられる公共空間のシェア」も面白い数値と感じます。都市間比較ができると、各都市の交通に関する空間活用の違いが明らかになると思います。