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都市の自然環境は心身の健康改善に寄与する

case | 事例

  • テキサスA&M大学(テキサス農工大、TAMU)の園芸科学科、公衆衛生大学院などの研究者たちは、人間と自然の断絶による影響に焦点を当てたセッションにおいて、自然や植物を日常生活に取り入れることが、持続可能で健康的な社会を実現し、疾病による経済的影響にも対処し、アメリカの市民生活全体の質を向上させることは、研究によって示されている事実であることを強調した。

  • アメリカの市民の心身の健康を改善させることに関して、この自然との触れ合いが足りない社会的問題の根源に取り組む必要がある、と研究者は指摘する。人が自然と関わる頻度と規模が高まるに連れ、ストレスの軽減、上質な睡眠、不安の軽減、幸福感と生活満足度の向上、免疫機能の改善、血圧の低下、出生率と小児発育の改善、肥満と糖尿病の減少、視力の改善、長寿など、人間の健康に多くの恩恵がもたらされる。

  • 都会に住む人が自然環境に身を置くと、精神的疲労やイライラが減り、集中力や問題解決能力が高まることは報告されているが、仮想現実の自然でさえ患者に測定可能な好影響を与える研究結果も提示されていることから、都市の政策立案者は自然による効果を認識し、都市の自然環境、緑地やトレイルなどの整備を戦略的に行うべきだと提言している。TAMUは学内外の利害関係者を巻き込み、自然と緑が持つ癒しの力を人々に再認識させる運動の促進者となることが確認された。

insight | 知見

  • 記事内で、自然との触れ合いが心身の健康を改善することは「革新的な考え方には聞こえないが」と書いてあるとおり、体感的にも常識的にも当たり前に感じる話題だと思います。だからこそ、なぜ公衆衛生・社会医療や社会福祉政策として都市が真剣に取り組まないのか?という問いかけは考えさせられます。

  • 先月東京に行った時に大手町の森で少し時間を過ごしましたが、本格的な自然の空間で、東京の都心でストレス抱えて働いている人にとっては大事な空間だろうなと感じました。福岡でも都心部の本格的な自然づくりは官民連携で取り組めるテーマではないでしょうか。