君たちはどう生きるか

解釈の難しい映画や小説は星の数ほど存在する。

「お前にこの作品の意図がわかるのか」という
作り手の挑戦状である場合もあれば、
「お前らに分かってもらわなくても構わない、
自分自身に捧げる作品だ」という
自己満足の追求ということもあるだろう。
もちろん、「自分の欲望を忠実に表現していった
結果、大衆受けせず一部の人にしか伝わらない」
というケースも多いと思う。

「全く意味がわからなかった」「駄作」
「ジブリの世界感の崩壊」「金の無駄」

「号泣した」「何度でも観たい」
「ジブリで一番好き」「ありがとう」

この作品は、⭐︎1と⭐︎5に両極端に分かれ、
平均して⭐︎3になってる、と聞いたことがある。
受け取る側の感性に頼る映画だ。

言い方が悪いかもしれないが、
個人的には宮崎駿監督が後世に残した呪いのような
作品だと感じた。
もし本当に最後の作品だとしても、最後でなくとも
監督が亡くなった後、数十年経っても
賛否両論議論され続け、様々な解釈があり、
人によって駄作にも傑作にもなりうるものに
なるだろう。
時代が変われば大衆の見方も変わるだろうな。

絶対に忘れることなく、この作品の真髄を
永遠に模索し続けろ、といった気迫を感じる。
下手な評論家によって、解釈やストーリーが
一つに定着されないことを願う。

映画を観てから、Twitterやnoteで様々な感想や
考察を読んだ。色々な意見があった。

そこで思ったのは、「つまんなかった」
「意味が分からなかった」というのを
素直に言葉にできるのは素敵だな、ということ。
自分なりにどうにか解釈し、消化しようとするのも
良いことだが、訳がわからないものを分からない、
と言い切ることも魅力的だと思う。

必死に自分の中に言葉を探す必要はない。
誰かの言葉を借りて、分かったつもりになる
必要もない。
分からないものを、分からないままにしておく勇気

数年後もう一度観れば、何か変わるかもしれないし
変わらないかもしれない。
両親が歳とれば、結婚すれば、子供ができれば、
何か湧き上がるものがあるかもしれないし、
ないかもしれない。
それでいいと、私は思う。観たままが、全て。

また次、この作品に出会う時、私は何を思うだろう
たまに思い出したり、すっかり忘れたり。
そうして日常を生きながら、テレビでふと観たり
レンタルビデオ店で偶然見つけたりするのだろうか
「今度」は意外と早いかもしれないし、遅いかもしれない。


もし、観に行くことを迷ってる方がいれば
ぜひ劇場に足を運んでみてください。

"宮崎駿監督が築き上げたジブリ映画、一つの作品を見届ける"という意味でも、
この作品を観て、自分がどう感じるかを
知るだけでも、価値があると思いますよ。

意味がわかんない、つまんなかった、
と思うのも、よし。
とても感慨深い、余韻のある作品だった、
と思うのも、また、よし。

では、おやすみなさい

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