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ゆっくりいきましょう

「学校に行きたくないー」

と、小学一年生の娘が、時々朝ぐずります。学校行けば楽しく過ごして帰ってくるんですが、涙を流して玄関前から動かない日もあって、困ったなぁーと思いつつも、やはり自分の娘だなぁと思ったり・・・

実は僕も、けっこう学校休んでたんです。正確にはサボってました・・・僕の場合、ひどかったのは高校生の頃でしたが、別に勉強が嫌いとか、嫌な友達や先生がいるとか、そうゆうことではなく、ただ学校に行きたくない気分だからという理由だけなんです。

で、サボって何してるかというと、通学路の途中の川原に自転車停めて、ただぼーっと川を眺めてました。半日ぐらいずーと川の流れを見てた時もありました。

ある時、釣りをしていたおじさんに、「おーい。これ食べるか?」といってキャラメルをひと箱もらったことがありました。平日の午前中に学生服で一人川を眺めてる高校生に、こんな優しさを与えられる大人になりたいなぁと、そのキャラメルを食べながら思ったことを今でも覚えています(笑)。あのキャラメルは本当にうれしかった。

あの頃何を考えていたのかは今思い出せませんが、流れる水を見ていると心が落ち着いたのは覚えています。

水のある景色には人の心を落ち着かせる不思議な魅力があると思います。

そんな不思議な力を簡単にお庭に取り込む方法があります。それは、手水鉢(ちょうずばち)です。手水鉢とは、元来、神前、仏前で口をすすぎ、身を清めるための水を確保するための器として使われましたが、茶の湯の世界でも取り入れられてその後、日本庭園に良く使われるようになりました。

手水鉢一つあるだけで、お庭の景色の質が上がるのはもちろんですが、金魚やメダカを飼う器として、鳥が安らぐバードバスとして、または、氷を入れてワインクーラーとして使うなんて使い方だって出来ます。

ちょっと季節外れなご提案になってしまった気もしますが、水のある景色おすすめです。

あと、学校はときどきサボっても、大人になって独立出来るし、こんな感じにコラム書かせていただけるようにもなれるので、そんなに心配ありません(笑)

なんとかなるさ。ゆっくり行きましょう!


*「にらめっこ」 2020年 1月2月号 掲載 に加筆修正

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