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083. 子育て十牛図|第三図 『見牛』|子どもにキラキラバイアスがかかり始める

一日一描。

今日は子育て十牛図第三図を描きます。

十牛図って何?
第一図・第二図はどういうものだったの?
という方はこちらをどうぞ。

第三図は『見牛』

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(出典:Wikimedia Commons User:MichaelMaggs)

黄鶯枝上 一声々
日暖かに風和して 岸柳青し
ただ此れ更に廻避する処なし
森森たる頭角 画けども成り難し

(訳)
私はナイチンゲールの歌を聞く
太陽は暖かく、風は優しく、岸辺の柳は青々としている
ここに牛の隠れる余地はない
どこの画家にあのどっしりとした頭や堂々たる日本の角が描けよう

とうとう牛を見つけます。これまでの苦労も疲労感も忘れ、嬉々として牛を追いかけます。
「私が本当に求めていたことはこれだったんだ!」「そんなものないと思っていたのに、本当はあったんだ!」という本質との出会い、またはその本質を実際に生きながら体現している人物との出会いを表します。

本質って文字にすると漢字二文字のものだけど、表現するのは難しいなぁ。言葉にならない感覚なのだと思います。

度合いには大なり小なりあるかもしれませんが、この第三図の段階では、外部からのショックを伴います。

もし恋愛に例えるとしたら相手に一目惚れするような感覚かもしれないし、科学者が発明アイデアを閃く瞬間かもしれないし、学び研鑽を深めている人間が人生の師匠となる人に出会う瞬間かもしれません。

しかし、先の若者が牛を追っている図をもう一度よくご覧ください。この牛は黒く、こちらにまだその顔を見せてはいません。

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この段階で見ている牛は、私たちの影、つまり、自分の内側にある本質を相手や環境に投影しているにすぎません。(影についてはまた詳しく書いてみるつもりです)。

私の第三図『子どもにキラキラバイアスがかかり始める』

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なんかもう、解説するのも恥ずかしいのですが・・。
私は「子ども」という相手にめっちゃ自分の本質を投影していました。当時はそんなことさっぱり気付いておらず、もう、彼女の一挙手一投足すべてに「なんてクリエイティブなの!?天才じゃん」と思っていたのです。彼女はただ納豆をぐしゃぐしゃに食べたり小石を積んでいるだけだったりするんですけどね(笑)。

でも、目先のことに何の目的も見出さず、時間も忘れ、粛々と一つ一つのことに没頭する姿は眩しくて、子どもってすごいな、と素直に感嘆してしまいました。

で、それから私が何をし始めるかというと・・。
延々一時間以上石を積むのに付き合ったり、車だったら5分で行き着く距離まで2時間かけて散歩したり、一緒に何時間もかけて洗濯を干したり、朝から窓に絵を描き続けていたら日が暮れていたり・・と常軌を逸する行動が生活に組み込まれていきます。今思うと、なんか病的だし、正直怖いし(笑)、「そこまでやる必要ある?」と我がことながら突っ込まずにはいられないのですが、仕方ないのです。やりたかったのです。今、目の前に同じような親がいたら「いいじゃんいいじゃん、やりたいようにやってみては?」と言うと思う。ただし、子どもや周囲の人を追い詰めないように逃げ道を作っておくのは自分の経験から大事かなと思っています。
ただね、この第三図の段階にいる時って、周りから見てどんなに非効率で意味のないことだったとしても、本人にしかわからない世界があって、そこでしか紡がれないものがあると思うのです。

以上、子育て十牛図・第三図のお話でした!私の例はちょっと極端かもしれませんが、子どもに自分の本質を投影してキラキラバイアスをかける、というのはどの親も通る道なのではないかなと思っています。


娘も描いた?十牛図

十牛図のお話が気に入ったらしく、娘も一緒に描いてくれました。

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第一図『つわりでロックダウン』の模写。

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↑こちらは私の絵。

本人曰く、お腹の中にいるときのことも、その後のことも、その前のことも、覚えているらしいので、いつものようにダダダダダダダ!!!!とマシンガンのように話をしながら黙々と描いていました。
食いしん坊の赤ちゃんがお腹に入るとママは大変なのよね〜と言っていた。よくわかっているじゃないか(笑)。

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これは今日描いた第三図の模写。

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↑こちらは私の絵。

ブワァァァァーーー!!!って食べているのだそうです(笑)。

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あとは自由制作。これは左から娘・ママ・パパ。3人でソファーに寝転んでプラネタリウムを楽しんでいる様子、なのだそうです。

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これは・・解説が難しすぎてよくわからなかったのですが(笑)。
右側にあるのは火であちちちちーってなって、ウェルシアにみんなで買い物に行って大丈夫?って聞いているところ、みたいな話だと思うのですが、何回「・・てこと?」と確認しても「ちがーーーう!!」と怒られるので、本人にもし会うことがあったら力説させてあげてくださいませ^^

つづく。

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